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お気に入りの一着を長持ちさせるために。レザージャケットのお手入れ方法をプロが伝授

  • 2025.12.20

レザージャケットを美しく保つために欠かせない、定期的なお手入れ

Street Style - Paris Fashion Week - Womenswear Fall/Winter 2025/2026 - Day Five

実用的かつ、どんな装いにもエフォートレスなクールさを吹き込んでくれるレザージャケットはワードローブの定番中の定番。1980年代にブロンディやジョーン・ジェットが着用したタイトなバイカースタイルから、1990年代のグウィネス・パルトロウやキャロリン・ベセット=ケネディを象徴するミニマルなシルエットのほか、最近ではサンローランSAINT LAURENT)やアクネ ストゥディオズACNE STUDIOS)が提案したスラウチーなボマージャケットまで、そのバリエーションはさまざまだだが、どれも永遠に色褪せることのない魅力を持っている。

もちろん、レザージャケットを長持ちさせるには適切なケアが必要だ。バイカーたちが着ていることからも耐久性があるのは確かだが、レザーは裂けたり、乾燥したり、ひび割れたりしやすい天然素材でもある。したがって、レザージャケットの正しいお手入れ方法を知っておいて損はない。

オーダーメイドのスエードとレザージャケットを専門とするブランド、The Jacket Makerのウマル・イスマイルは、まず最初にパッチテストを行うことを推奨している。「クリーニング製品を使う前に、ジャケットの裾の内側や脇の下など、目立たない小さな部分でテストし、変色やダメージの原因にならないことを確認しましょう」

イスマイルが伝授するレザージャケットのクリーニング方法、シミ抜きやコンディショニングの手順は以下からチェックを。

レザージャケットをクリーニングする前に……

クリーニングに取り掛かる前に、まずレザーの種類を知ることが重要だ。「これは最も重要なステップ。なぜならクリーニング方法はレザーの種類によって変わるからです。タグを見てみましょう」とイスマイル。

ほとんどのレザージャケットは、以下の3つのカテゴリーに分類される:

  • レザー:最も一般的なタイプで、保護コーティングが施されている。汚れに強い。
  • スエードまたはヌバック:スエードまたはヌバックは、革の裏面を起毛させているため表面が柔らかい。専用のブラシとクリーナーでケアする必要があるため、一般的なレザークリーナーを使うのはNG。
  • アニリンレザー:このタイプは非常に吸収性が高く、シミになりやすい。プロ仕様の製品と特別なケアが必要となる。

1. お手入れ前の準備

レザーの種類がわかったら、次はポケットを空にしよう。小銭や口紅、ガムなどで、仕上がりが台無しにならないようにするためだ。ジャケットに取り外し可能なライナーが付いている場合は、それも取り外すこと。「ライナーはラベルに記載されている方法に従って、別に洗ってください」とイスマイルは言う。

2. ほこりを払う

ジャケットをハンガーにかけ、乾いた柔らかい布か毛先の柔らかいブラシで、表面のホコリや汚れを優しく払う。

3. 水拭きする

ひどく汚れている場合を除いて、一般的なクリーニングには水拭きが最適だ。柔らかな白い布を蒸留水で少し湿らせ、ジャケットの表面全体を優しく拭き取ろう。

ここで覚えておいてほしいのは、布は固く絞るなどして、ほんの少し湿っている程度に留めておくこと。蒸留水を使うのもポイントで、イスマイルによれば「水道水はミネラルのシミを残す可能性がある」そうだ。

4. コンディショニング

レザーブーツでもレザージャケットでも、コンディショニングは必須だとイスマイル。水拭きしただけでは傷んでしまうからだ。「コンディショニングは、革が持つ天然の油分を回復させ、乾燥やひび割れを防ぐために重要です」。コンディショニングの詳細は後述。

5. 自然乾燥させる

コンディションを終えたら、ジャケットの反りや縮みを防ぐために熱から遠ざけ、自然乾燥させよう。「エアドライのみです」とイスマイルは強調する。「ドライヤーを使ったり、暖房器具の近くや直射日光が当たるところに置くのはやめましょう。熱が革をもろくし、ひび割れの原因になってしまいます」

ジャケットが型崩れしないよう、肩パッドつきのハンガーなどにかけたら、窓や熱源から離れた風通しのいい部屋で乾かそう。

レザージャケットのシミや汚れの落とし方

Lacoste: Outside Arrivals - Paris Fashion Week - Womenswear Fall/Winter 2025-2026

シミや汚れを見つけたら、すぐに対処すること。素早く対処することで、シミや汚れが定着するのを防ぐことができる。こするのはNG。ついたばかりの汚れであれば、乾いた清潔な布ですぐに拭き取ろう。「こすっても、シミを革の奥に押し込んでしまうだけです」とイスマイルは注意を促す。

一般的な汚れには、前述した水拭きを試してみよう。イスマイル曰く「ちょっとしたシミなら、蒸留水で拭くだけで十分なことが多い」そうだ。

頑固なシミや汚れには、レザーの種類専用に作られたクリーナーを使うと◎。適切な製品を手に入れたら、柔らかい布にクリーナーを少量含ませる。「決してジャケットに直接クリーナーをつけないように」とイスマイル。「(クリーニングをする前に)必ず目立たない部分で試してください」

次に、円を描くように優しく汚れを拭き取る。可能であれば日中の明るい時間帯に、明るい場所で行うといい。そうすることで汚れが見やすくなり、やりすぎを防ぐことができる。力を入れすぎず、ゆっくりと拭くのがキー。仕上げに湿らせたきれいな布で余分なクリーナーを拭き取り、しっかりと自然乾燥させる。

シミや汚れに対処する際の注意点

革は丈夫に見えるかもしれないが、特別なケアが必要であることを忘れないでほしい。「家庭用クリーナー、漂白剤、アンモニア、アルコール、アセトンは絶対に使わないでください」とイスマイル。前述したように、過剰な水の使用も避けたい。新たなシミやゴワつきの原因になるからだ。レザージャケットのどの部分でも、水につけないこと。

言わずもがなだが、洗濯機でレザージャケットを洗うのは絶対にNG。「革の柔らかさ、しなやかさ、耐久性に不可欠な油分を奪ってしまいます」

レザージャケットのコンディショニング

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レザーには保湿が不可欠であるため、コンディショニングも忘れずに。「適切なコンディショニングとメンテナンスは、レザージャケットを長持ちさせる鍵です」とイスマイルは説明する。また、コンディショニングはレザーが完全に乾いてから行うことが大前提だ。

1. 正しいコンディショナーを選ぶ

レザーコンディショナーを使用する前に、製品とジャケットのラベルをチェックすること。コンディショナーは、レザーの種類に合わせて特別にデザインされたものだけを使うのがベスト。例えば、スエードにはその繊細な質感をサポートするために軽めのコンディショナーが適しているが、ほかの種類のレザーにはオイルクリームが推奨される場合が多い。

2. 優しく塗り広げる

10円玉より小さめの量を柔らかい布にとったら、円を描くように、ジャケット全体に薄く均一に優しくマッサージしていく。コンディショナーをジャケットに直接つけるのはNG。

3. 浸透させる

約15~30分間、コンディショナーを革に染み込ませる。

4. バフをかける

別の乾いた清潔な布を使い、表面を優しく磨き、余分なクリームを取り除いたらOK。

Text: Christina Pérez Adaptation: Motoko Fujita

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