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クマ1頭に灯油100リットル 駆除数17倍で「処理」が追いつかず冷凍庫に…自治体の負担

  • 2025.12.13

北海道をはじめ全国各地でクマの出没が相次いでいます。餌となる木の実の不足などにより、クマたちは食べ物を求めて人里まで行動範囲を広げています。

クマによる人身被害も過去最悪のペースで発生し、駆除されるクマの数も増えています。
そして今、駆除されたクマの処理にあたる焼却施設のひっ迫という新たな問題が浮上しています。

クマ駆除数が2024年の17倍に…

北海道南部の上ノ国町では、ことしに入り町内で駆除したクマの数が104頭と、昨年の6頭からおよそ17倍に増加しました。
役場の職員は、業務に支障が出るほど対応に追われています。

駆除したクマは通常、ハンターなどが解体し、その日のうちに処理場に運ばれます。

しかし上ノ国町では駆除数の急増により処理が間に合わず、一時的な保管場所として冷凍庫を使用しています。

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農林課の杉野匡課長が「冷凍庫を使い始めたのは今年からです。駆除数が多くなったことで当日に搬出できない場合が出てきました。夏場は腐敗や臭気の問題があるため、一時保管に使っています」と教えてくれました。

この冷凍庫も収容量は限られており、1頭分のスペースしかありません。
収容量を超えた場合は、やむを得ず別の場所に一時的に置くこともあるといいます。

1頭の処理に灯油100リットル!?

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江差町にある南部檜山清掃センターは、上ノ国町を含む周辺5町のゴミ処理を担う施設で、駆除したクマの焼却処理も行っています。

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南部檜山衛生処理組合の上戸等場長によれば、2024年の処理量は年間で約30頭でしたが、ことしはすでに4倍を超える約120頭に達し、負担額も倍増しています。

「1日に2頭しか焼却できないので、だんだん処理が追いつかなくなっています。腐敗が進む場合には埋め立てという形をとっていますが、これまではほとんど適正に焼却できていたので、埋め立ての経験はあまりありません」と上戸場長は話します。

1頭の処理に使う灯油は約100リットル。
駆除されたクマの数が急増したことで、焼却施設の負担も大きくなっています。

2024年は年間3000リットルでしたが、ことしは11月中旬までに7000リットルを使用しているといいます。

しかし、焼却施設を増やすことは簡単ではなく、現状では人里に近づけないための対策を強化するしかないという意見が出ています。

ヒグマの出没に伴って駆除される頭数も増え、それが「負担」となる現実。
しかし、それを「負担」ではなく「可能性」として追求する取り組みもあります。

次回の記事でお伝えします。

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あい

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2025年11月21日)の情報に基づきます。

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