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「最高峰の完成度」3年前 “日曜夜を熱狂させた”至高作…“待望の新作”が話題集めた【名ドラマ】

  • 2026.2.1

日曜の夜、多くの視聴者の心に深い余韻を残してきた『日曜劇場』。骨太な人間ドラマや社会の闇に切り込むテーマ性、そして実力派キャストによる緊張感あふれる演技が重なり合い、数々の名作が生まれてきました。放送から年月を重ねても色褪せることなく、今なお“語り継がれる”作品が存在するのも、日曜劇場ならではの魅力といえるでしょう。

今回は、そんな日曜劇場の歴史の中でも、多くの視聴者の記憶に刻まれ、繰り返し語られてきた名作に改めてスポットを当てていきます。

本記事では第1弾として、日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)を紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想のもとに作品選定・制作された記事です。
※一部ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

語り継がれる日曜劇場の名作:『ラストマン-全盲の捜査官-』

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「月光 ずっとこの光につながっていたんだ」完成披露イベントに登壇した福山雅治(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』(TBS系)
  • 放送期間:2023年4月23日~6月25日

あらすじ

全盲でありながらFBIで数々の実績を残してきた捜査官・皆実広見(福山雅治)が、日本の警察に期間限定で招聘され、刑事・護道心太朗(大泉洋)とバディを組み、難事件の真相に迫っていきます。皆実は視力を失っているものの、研ぎ澄まされた嗅覚・聴覚・触覚で事件を必ず終わらせる最後の切り札、という意味でFBIでは“ラストマン”と呼ばれていました。

一方、護道は代々警察庁長官を務めあげてきた由緒正しい家の人間ですが、自身はキャリアではなく現場を選択し、捜査一課で圧倒的な検挙数をあげていました。ただ犯人を捕らえるために手段を厭わない一面があり、その姿勢から警察内部に彼をよく思わない存在がいることも確か。

護道は型破りな皆実の捜査方法に強い反発を抱きながらも、次第にその推理力と人間観察力に圧倒され、信頼を深めていきます。

物語は1話完結型の事件を軸に進行しつつ、二人の過去に関わる“41年前の強盗殺人事件”という大きな謎が徐々に浮かび上がります。皆実は幼少期に両親を失い、その事件によって失明していたことが明かされ、心太朗の家族もその事件と深く関わっている可能性が示唆されました。

次第に明らかになる事件の全容。皆実、護道らによる執念の捜査が続きますが、複雑に入り組んだ過去を解き明かそうとしていく中、捜査を阻止しようとする魔の手が襲いかかり――。

果たして41年前の事件の真相とは?二人が進むその先には誰も予想出来なかった運命が待ち受けているのでした――。

本作は全10話で完結を迎えたかに見えましたが、その後、待望の新作『映画ラストマン -FIRST LOVE-』が2025年12月24日に公開、それに伴い完全新作のスペシャルドラマ『ラストマン ー全盲の捜査官ー FAKE/TRUTH』が2025年12月28日に放送されました。

劇場版公開、スペシャルドラマと続く流れは、続編を期待していた視聴者にとってはこの上ない朗報だったに違いありません。それだけ本作の人気が高く、多くの視聴者から支持されていたと言えるでしょう。

現代社会の歪みに警鐘を鳴らすドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』

ドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』は現代社会の歪みに警鐘を鳴らすドラマと評価されています。単なる痛快なバディ刑事ドラマにとどまらず、現代社会が無意識に抱えている偏見・固定観念・組織の歪みを、エンターテインメントの形で鋭く突きつけているからです。

本作の主人公・皆実広見は全盲のFBI捜査官という設定ですが、物語の本質は“障害を克服するヒーロー物語”ではありません。むしろ、“障害がある=弱者”という社会側の思い込みこそが、最大の障壁であると描いています。また、警察組織内部の権力構造や隠蔽体質を通じて、正義が簡単に歪められる現実も提示しています。

皆実は視力を失っていながら、聴覚や嗅覚、論理思考を駆使し、誰よりも冷静に事件の本質を見抜いていきます。周囲が“助ける対象”として接するほど、実は彼の方が状況を正確に把握している構図は、視聴者の価値観を揺さぶります。

さらに、「助けるんじゃない、ともに戦う」という理念のもと、護道心太朗との関係性は上下ではなく対等なパートナーとして描かれ、真のバリアフリーとは何かを問いかけます。終盤で明らかになる41年前の事件では、警察による隠蔽や冤罪、血縁関係の悲劇が浮き彫りとなり、“過去の罪をなかったことにする社会構造”そのものが問題視されます。

「最高傑作」「最高峰の完成度」と称される『ラストマン-全盲の捜査官-』は“見えない捜査官”の物語であると同時に、私たちの“見えなさ”を暴くドラマです。人を表面だけで判断し、役割を決めつけ、都合の悪い真実から目を背けていないか。本作はエンターテインメントの形を借りて、現代社会の倫理観と向き合うよう、静かに、しかし確実に警鐘を鳴らしているのです。


※記事は執筆時点の情報です