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「本当に覚悟して観た方が良い」“あまりの生々しさ”に絶句…だけど「全人類が観るべき」と語られるアニメ映画

  • 2026.1.9

一度観ると忘れられないアニメには、たくさんのジャンルがあります。今回は、あまりの恐ろしさと悲しさで上映中に席を立ち通路で泣き崩れてしまう作品をご紹介します。

1977年に横浜で実際に起きた米軍機墜落事故を題材にしたアニメ作品『パパママバイバイ』は、平和な日常が突然の爆音と炎によって引き裂かれる衝撃的な実話をもとに描かれました。目を背けてはいけない現実をみていきましょう。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

映画『パパママバイバイ』

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※Google Geminiにて作成(イメージ)
  • 作品名:映画『パパママバイバイ』
  • 公開日:1984年7月23日
  • 出演者(声の出演):三田ゆう子、永井秀男、青野武 ほか

あらすじ

お転婆で気の強い少女かおり(CV:冨永みーなは、隣の家に暮らすユー君(CV:三田ゆう子ヤス君(CV:永田秀男)の兄弟ととても仲良しでした。

かおりの学校が運動会を開催したその日、頭上を米軍厚木基地のファントム戦闘機が轟音を発しながら滑空していました。しかし、やがて機体は、ユー君とヤス君の家の近くに墜落。炎が機体の燃料に引火し、周辺の住宅地一帯が火の海になってしまいます。

自衛隊の救援ヘリがすぐに現場へ向かいましたが、ヘリが救助したのは被害を受けた重傷者ではなく、墜落前にパラシュートで脱出した無傷の米軍パイロット2名の方でした。炎に巻かれたユー君とヤス君、そして母親は病院へ。しかし、ユー君は「パパママバイバイ」と言い残し、ヤス君も鳩ぽっぽの歌を口ずさみながら短い生涯を閉じました。

母親は、重度の火傷を負い我が子の死を知らされないまま、60回以上の皮膚移植に耐える過酷な治療を受けていました。しかしその努力もむなしく事故から4年4ヶ月後、最後まで我が子の死を知らされないまま、亡くなってしまうのです。

理不尽に奪われてしまった日常

映画『パパママバイバイ』は、理不尽に奪われた日常と命の尊さを描いた作品です。平和な日常が戦闘機の墜落により一瞬にして引き裂かれる様子に視聴者は衝撃を受けました。子ども時代に学校の映画上映会などで目にした視聴者も多く、SNSには未だに「涙と鼻水でびしょびしょ」「辛すぎる」「全人類が観るべき」「本当に覚悟して観た方が良い」と、内容の生々しさを語る声が投稿されていました。

物語は、運動会を楽しみにしていた子供たちの平穏な生活から始まります。何気ない家族の団らんが、空から突然降ってきた「火の海」によって断ち切られてしまいます。当たり前の遊びにある命が当然ではないことを突きつけられ、見た人に恐怖を感じさせます。

そして、事故で重傷を負った幼い兄弟と、彼らを救おうとして自らも深い傷を負った母親の姿が描かれています。激痛に耐えながら、最期までパパやママを呼び、頑張って生きようとした子どもたちの様子は、深いショックで涙が止まらないシーンでもあります。

 
横浜の港の見える丘公園には、横浜米軍機墜落事故の犠牲者を悼む「愛の母子像」が設置されています。像に刻まれた「あふれる愛を子らに」という言葉は、失われた命への哀悼とともに、未来を生きる子供たちに命を慈しむことの大切さを伝え続けています。

真の平和とは何なのか

映画『パパママバイバイ』は、真の平和とは何なのかを考えさせられる作品です。

本作の原作は、児童文学作家の故・早乙女勝元さんによる絵本『パパママバイバイ』(草土文化刊)です。早乙女さんは、自らも東京大空襲を経験した当事者として、生涯を通じて戦争の悲惨さと平和の尊さを訴え続けた作家であり、「東京大空襲を記録する会」の事務局長を務めるなど、消えゆく戦火の記憶を記録し続けた人物としても知られています。

この原作絵本は、1977年に発生した横浜米軍機墜落事故の直後、あまりにも理不尽な死を遂げた幼い兄弟と母親の悲劇を風化させてはならないという強い執念から誕生しました。早乙女氏は徹底した取材に基づき、残酷な現実をあえて平易な言葉で綴ることで、子供たちの日常が瞬時に奪われる恐怖と、家族の深い愛情を描き出しました。

発行以来、この絵本は全国の学校や図書館で読み継がれ、今なお「平和教育の原点」として多くの読者に衝撃と深い感動を与え続けています。


※記事は執筆時点の情報です