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35年前、実力派シンガーが放った“芯の強いラブソング” 「歌えるアイドル」と評価された1人

  • 2026.1.27

1991年1月の街を思い出すと、バブルの余韻はまだ残っていたものの、音楽シーンの空気は確実に変わり始めていた。派手さや即効性よりも、個性や実力が静かに試される時代。その狭間で、確かな歌声を持つシンガーが放った一曲があった。

森川美穂『LOVIN’ YOU』(作詞:麻生圭子・作曲:井上ヨシマサ)――1991年1月30日発売

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Google Geminiにて作成(イメージ)

歌が先に立つボーカル力の高さ

森川美穂は、1985年にシングル『教室』デビューしたシンガーで、当初から「歌えるアイドル」「実力派」という評価を受けていた存在だ。80年代後半のアイドルシーンにおいて、ビジュアルやキャラクター以上に、声の強度や安定感で語られる数少ない存在だったと言っていい。

デビュー当時から、彼女の武器は一貫してボーカルだった。高音域まで無理なく伸びる声量、ロックにもバラードにも対応できる芯の強さ。どんな楽曲でも、歌そのものが前に出る。

『LOVIN’ YOU』が置かれた1991年

『LOVIN’ YOU』がリリースされた1991年は、森川美穂にとって14枚目のシングル。キャリアとしては中堅に差しかかり、方向性の模索が続いていた時期でもあった。

作曲は井上ヨシマサ、編曲は米光亮。サウンドは当時のJ-POPの文脈にきちんと沿いながらも、過剰な装飾はなく、どこかストイックだ。ここで前に出てくるのは、やはり森川の声そのもの。

売れるための曲というより、歌い手の力量をそのまま置いたような一曲だった。

“ヒット”より“信頼”を積み上げたキャリア

森川美穂のキャリアを振り返ると、爆発的なヒットよりも、安定した評価の積み重ねが目立つ。アニメやテレビ番組の主題歌で存在感を示し、ライブでは圧倒的な歌唱力を武器に支持を集めていった。

90年代以降は、シンガーとしての活動に加え、表現者としての幅を広げていく。流行の中心からは距離を置きながらも、「歌が上手い」という一点において、評価が揺らぐことはなかった。

声だけが残るということ

森川美穂の歌声は、今も「確かなもの」として語られる。『LOVIN’ YOU』は、その象徴のような一曲だ。

流行に飲み込まれず、迎合もしない。ただ、楽曲を誠実に歌い切る。その姿勢が、35年経った今も静かな説得力を持って響いてくる。この曲は、森川美穂という存在が、最初から最後まで“歌で立っていた”ことを、静かに物語っている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。