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25年前、人気タレントが全力で演じきった“不可思議なデュエットソング” 伝説の番組史に刻まれた“愛すべき迷曲”

  • 2026.1.17

2001年2月。ゴールデンタイムに家族でご飯を食べながらテレビをつけると、そこにはいつもの笑いとドタバタが流れていた。日本テレビ系『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』は、当時多くの視聴者を引きつけた人気バラエティ番組で、そこで生まれた数々のユニットは、当時の音楽シーンの片隅にも名前を残している。

その中で、ふと耳に残ったのが、男女ふたりが不器用に歌うラブソングだった。歌詞は恋をうたっているはずなのに、言葉とリズムが少しだけズレている。笑って流してしまいそうなのに、どこか記憶に残る。そんな“ちょっと変なラブソング”。

黒幕&愛人『東京LOVE』(作詞:黒田幕太郎・作曲:蘭一二三)――2001年2月7日発売

『ウリナリ!!』という“音楽企画の温床”

『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』は、単なるバラエティ番組ではなく、番組内で生まれた企画がそのままリアルな音楽リリースにつながっていく独特の土壌を持っていた。

1990年代後半には、ポケットビスケッツ(ポケビ)やブラックビスケッツ(ブラビ)という2大ユニットが誕生し、視聴者の支持を集めるヒットを記録したことでも知られている。

その音楽企画は、単なる番組の一コーナーを超え、番組史そのものを象徴する存在になっていた。番組の流れのなかで、視聴者は笑いと同じくらい、出演者たちが歌う姿にも親近感を抱いた。

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藤崎奈々子-1997年撮影(C)SANKEI

“ウリナリ発ユニット”のひとつに過ぎない存在

黒幕&愛人は、その流れを受けて生まれた企画ユニットのひとつだ。

メンバーは、内村光良扮する“黒幕”(黒田幕太郎)と、藤崎奈々子扮する“愛人”(愛田人子)。彼らはもともと番組内キャラクターとして登場し、独特の立ち位置で笑いを誘った。

『東京LOVE』は、番組内でのやり取りやキャラクターの延長線上にリリースされた楽曲であり、本気で音楽シーンを席巻することを目指した作品ではなかった(と思いたい)。チャート上で大きなヒットにはつながらず、話題が長く残ることもなかった。

藤崎奈々子という名前の“余韻”

今、『東京LOVE』を思い出すとき、まず浮かぶのは曲そのものよりも、藤崎奈々子という名前かもしれない。90年代後半から2000年代初頭にかけて、バラエティやドラマで頻繁に目にしていた、あの親しみのある存在。

この曲で見せた、少し不安げで、どこか自信なさそうな歌唱や佇まいは、当時の彼女のイメージと強く結びついている。うまく歌うことよりも、その場に立っていること自体が印象に残る。そんな存在感だった。

“ウリナリ発ユニット”として大ヒットを飛ばしたポケットビスケッツやブラックビスケッツと比べると、『東京LOVE』は確かに大きな足跡を残してはいない。ただ、その“ちょっと変”な佇まいが、番組史の中ではひとつの象徴にもなっている

ちょっと変だったからこそ覚えている

『東京LOVE』は、洗練されたポップソングというよりも、番組の一企画を切り取ったような楽曲だ。歌詞も歌い方も、どこか噛み合わない。それでも、ふとした瞬間にフレーズを思い出してしまう。言わば、のちのマジ歌に繋がりそうな、そんな曲である。久しぶりに名前を見かけて、「ああ、そんな曲もあったな」と思い出す。それくらいの距離感が、この曲にはちょうどいい。

藤崎奈々子、内村光良、そして『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』という大きな番組名。その3つが重なった小さなラブソングは、誰かの記憶に残る“懐かしい存在”として、今もどこかで語られているかもしれない。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。