1. トップ
  2. ファッション
  3. パントン・カラー・オブ・ザ・イヤーが発表。2026年はナチュラルなホワイトトーン、「クラウドダンサー」に

パントン・カラー・オブ・ザ・イヤーが発表。2026年はナチュラルなホワイトトーン、「クラウドダンサー」に

  • 2025.12.5
The 2026 Pantone Color

1999年以来、来たる年の世相を特徴づける色を発表してきた色見本帳メーカーのパントン(PANTONE®)社。「カラー・オブ・ザ・イヤー」と題されたこの取り組みは、毎年大反響を呼び、「私たちのこのグローバルなカルチャーで起こっていることが、いかににして“色”という言語を通して表現され、映し出されているかを広く知ってもらう」ことが目的だと、パントン・カラー・インスティテュートのバイスプレジデント、ローリー・プレスマンは言う。

「私たちが今生きているのは進化の時代なのか? それとも激変の時代なのか? 議論を重ねた結果、私たちは今、そのどちらでもなく、“過渡期”を生きていることに気づきました」とプレスマンは2026年のカラー・オブ・ザ・イヤーの選定について語った。「私たちは今、真実を求めています。そしてあらゆる可能性を探っています。『なぜこんな世の中になってしまったのか。どうすれば全てをリセットできるのか』。ありとあらゆる出来事が起こっていて、すべてをやり直すために新しい生き方を探っています。刺激も何もかもが多過ぎるこの時代からの解放を求めているのです」。そしてこの「過剰な時代からの解放」を表すカラーとして選ばれたのが、「クラウドダンサー」という名の色だ。

2026年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤー「クラウドダンサー」
2026年のパントン・カラー・オブ・ザ・イヤー「クラウドダンサー」

パントン・カラー・インスティテュートのエグゼクティブ・ディレクター、リー・アイズマンが「新鮮な空気を吸い込むような、安らぎを感じさせる高貴な白」と表現するこのホワイトトーンは、「情報や物などがあふれかえっていない、穏やかな未来を作りたい』という私たちの願望を表現している」という。「私たちは充足感、調和、安らぎ、一体感、そして結束力を求めていて、クラウドダンサーはその願いをうまく色に昇華しています。純白ではなく、自然な色合いの白です」とプレスマンは付け加えた。

現在の情勢(特にアメリカの政治情勢)を考えると、白を「来年の色」として大々的に打ち出すのはいかにも大胆だ。意外な選択に感じるが、私たちの周りで起こっていることを考えると、クラウドダンサーのようなホワイトトーン以外の選択肢はなかったように思える。実際、私たちは皆、形とやり方は違えど、混じり気のないものを求めている。

見た目からして、白はどんな色や物にも馴染み、良い意味で無難だ。車や建築物、家具やインテリア、さらには食品に至るまで、私たちの身の回りのあらゆるものに取り入れられており、ファッションにおいては「クラシックで流行り廃りのない、ワードローブの必需カラー」とされている。ミニマル、無骨、そして洗練された近未来的な色でありながら、結婚式などと深く結び付けられている伝統的な色でもあり、すべてを表す、何にでもなれる色だ。

「人々のクリエイティビティと想像力を刺激したい。そう強く思い、クラウドダンサーを選びました。自分がどう感じたいか、他人からどう見られたいかを大切に、自分に合った形で取り入れてほしいです」とプレスマンは締めくくった。「この色は、自己表現の色なのです」

ジル・サンダー 2026年春夏コレクションより。
photo: Alessandro Lucioni / Gorunway.comジル・サンダー 2026年春夏コレクションより。
アシュリン 2026年春夏コレクションより。
photo: Filippo Fior / Gorunway.comアシュリン 2026年春夏コレクションより。
アライア 2026年春夏コレクションより。
アライア 2026年春夏コレクションより。
イッセイミヤケ 2026年春夏コレクションより。
イッセイミヤケ 2026年春夏コレクションより。
フォーム 2026年春夏コレクションより。
Photo: Umberto Fratini / Gorunway.comフォーム 2026年春夏コレクションより。
ヴァケラ 2026年春夏コレクションより。
photo: Isidore Montag / Gorunway.comヴァケラ 2026年春夏コレクションより。
セリーヌ 2026年春夏コレクションより。
セリーヌ 2026年春夏コレクションより。
エアローム 2026年春夏コレクションより。
エアローム 2026年春夏コレクションより。
ボッテガ・ヴェネタ 2026年春夏コレクションより。
ボッテガ・ヴェネタ 2026年春夏コレクションより。
カルヴェン 2026年春夏コレクションより。
photo: Daniele Oberrauch / Gorunway.comカルヴェン 2026年春夏コレクションより。
シモーン・ロシャ 2026年春夏コレクションより。
photo: Alessandro Lucioni / Gorunway.comシモーン・ロシャ 2026年春夏コレクションより。
サカイ 2026年春夏コレクションより。
Photo: Filippo Fior / Gorunway.comサカイ 2026年春夏コレクションより。
ディオール 2026年春夏コレクションより。
ディオール 2026年春夏コレクションより。
ルアール 2026年春夏コレクションより。
Photo: Isidore Montag / Gorunway.comルアール 2026年春夏コレクションより。
コー 2026年春夏コレクションより。
コー 2026年春夏コレクションより。
カルバン クライン 2026年春夏コレクションより。
カルバン クライン 2026年春夏コレクションより。
ディオティマ 2026年春夏コレクションより。
ディオティマ 2026年春夏コレクションより。
バレンシアガ 2026年春夏コレクションより。
photo: Isidore Montag / Gorunway.comバレンシアガ 2026年春夏コレクションより。
スキャパレリ 2026年春夏コレクションより。
Generated imageスキャパレリ 2026年春夏コレクションより。
マックイーン 2026年春夏コレクションより。
Photo: Daniele Oberrauch / Gorunway.comマックイーン 2026年春夏コレクションより。

Text: Laia Garcia-Furtado Adaptation: Anzu Kawano

From VOGUE.COM

READ MORE

元記事で読む
の記事をもっとみる