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「恐ろしく生々しい」“容赦ない展開”に騒然…篠田麻里子の“体当たり演技”が光る名映画

  • 2025.12.30

社会の荒波や周囲との温度差、自分自身の内面に潜む葛藤に、ふとした瞬間足がすくんでしまう“生きづらさ”。映画やドラマの世界では、そんな言葉にできない孤独や痛みに寄り添い、不器用ながらも懸命に今日を繋ぐ主人公たちの姿が、観る者の心に深い共感を呼んできました。今回は、そんな“生きづらさが刺さる作品”5選をセレクトしました。

本記事では第2弾として、2017年公開の映画『ビジランテ』(東京テアトル)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“生きづらさが刺さる作品”映画『ビジランテ』

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映画『ビジランテ』の初日舞台あいさつに登壇した篠田麻里子(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『ビジランテ』(東京テアトル)
  • 公開日:2017年12月9日

あらすじ

高校時代に行方をくらませた長男の神藤一郎(大森南朋)、市議会議員として地元で生きる次男の神藤二郎(鈴木浩介)、デリヘルの店長を務める三男の神藤三郎(桐谷健太)。まったく異なる世界で生きてきた3兄弟は、父親の死をきっかけに再び顔を合わせることになります。

30年ぶりに帰ってきた一郎により、兄弟たちの運命は大きく狂い始めます。それぞれの野心や欲望、プライドが激しく衝突し、事態は凄惨な結末へと突き進んでいくのでした―。

映画『ビジランテ』の見どころ ※ネタバレあり

映画『ビジランテ』は、地方都市を舞台に、父の死をきっかけに再会した3兄弟が、土地に渦巻く欲望や暴力の連鎖に飲み込まれていく様を描いた漆黒の人間ドラマです。入江悠監督が描き出す閉塞感に満ちた地方の闇や、逃げ場のない家族の葛藤は、観る者の心に重苦しく突き刺さります。その容赦ないストーリー展開に対し、SNSでは「恐ろしく生々しい」「邦画らしい生々しさ」「狂気と生々しさが妙にクセになる怪作」といった一度観たら忘れられない強烈なインパクトを絶賛する声が寄せられています。

そんな本作は、大森南朋さん、鈴木浩介さん、桐谷健太さんという日本映画界を代表する実力派俳優たちが火花を散らす、圧倒的な演技合戦が見どころです。それぞれが異なる業を背負い、剥き出しの感情をぶつけ合う姿は、劇中の緊迫感を底上げしています。キャスト陣の魂を削るような芝居に対し、SNSでは「圧倒的な演技力」「役者の演技に圧倒される」といった絶賛のコメントが溢れていました。演者たちの肉体と言葉が激しく衝突する様子こそが、物語の持つ悲劇的な熱量を最大限に高めています。

映画『ビジランテ』で魅せた篠田麻里子の新境地とも言える体当たりの熱演

3兄弟の葛藤を描いた衝撃作『ビジランテ』において、物語の大きな鍵を握る危うい美貌の妻・神藤美希を演じたのが篠田麻里子さんです。篠田さんが本作で挑んだのは、良妻賢母という表の顔を持ちながら、裏では夫を子どものように操り、自身の美貌を武器に権力と財産を狙う狡猾な女性という極めて難しい役柄。夫役の鈴木浩介さんとの車中での過激な濡れ場シーンも堂々と披露しており、観客に強烈なインパクトを与えました。

そんな挑戦的な役柄に対する篠田さんの演技は、観客から高く評価されています。SNSでは「演技が良かった」といった声が上がっているほか、複雑な二面性を持つキャラクターを迷いなく演じきった表現力に対し、「難しい役どころを見事に演じていた」といった声が寄せられるなど、女優としての新たな才能を再確認させる形となりました。清楚な顔立ちの裏に隠されたしたたかな野心を見事に体現した篠田さんの好演が、作品の持つ緊張感と危うさをより一層際立たせています。

映画『ビジランテ』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“生々しすぎるクライム・サスペンス”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です