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「主人公の声ってもしかして…」“声の正体”に絶賛相次いだNHKアニメ…「令和アニメ最高傑作」ファン絶賛の“完成度”

  • 2025.12.30

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回は、そんな中から“絶大な人気を誇る名作アニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第3弾として、アニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)をご紹介します。独特な世界観とハイクオリティなアニメーションで話題を集めるアニメーション制作会社・サイエンスSARUが手がけた作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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GoogleGeminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『映像研には手を出すな!』(NHK総合)
  • 放送期間:2020年1月6日~2020年3月23日

高校1年生の浅草みどり(CV:伊藤沙莉)は、アニメーションは設定が命と力説するほどのアニメ好き。スケッチブックに様々なアイディアを描き貯めながらも、ひとりでは行動できないとアニメ制作への一歩を踏み出せずにいました。

そんな浅草の才能に、プロデューサー気質の金森さやか(CV:田村睦心)はいち早く気づいていたのです。さらに、同級生でカリスマ読者モデルの水崎ツバメ(CV:松岡美里)が、じつはアニメーター志望であることが判明し、3人は脳内にある最強の世界を表現すべく映像研を設立することに……。

ワクワクがとまらない空想世界の演出

アニメ『映像研には手を出すな!』の最大の魅力は、アニメをつくる楽しさを真正面から描き切っている点にあります。芝浜高校を舞台として、空想力が爆発する主人公・浅草みどり、アニメーター志望で表現にこだわる水崎ツバメ、そして現実主義で金勘定に強い金森さやかの3人が、アニメ制作に挑んでいきます。

本作の特筆すべき点は、イマジネーションの可視化です。浅草が頭の中で思い描く世界が、そのまま画面上に立体的に展開される演出は圧巻。設定やメカ、地形まで細かくつくり込まれた空想世界は、もし本当にここに入り込めたら……というワクワク感を呼び起こします。アニメだからこそ成立する、夢と現実の行き来が大きな見どころとなっています。

一方で、本作は決して夢だけを描いているわけではありません。予算、スケジュール、周囲との交渉といった現実的な問題が、金森の存在によって常に突きつけられます。好きなことを続けるためにはどう立ち回るべきか、情熱と現実の折り合いをどうつけるのか。その葛藤は、創作に関わる人なら誰しも心当たりがあるはずです。

アニメ制作の工程や考え方が丁寧に描かれている点も見逃せません。なぜこの動きになるのか、なぜこの音が必要なのかといった説明が物語のなかに自然に溶け込み、観る側の理解を深めてくれます。知識がなくても楽しめ、知れば知るほど面白くなる構成が巧みで、本作のリピーターも続出しています。

朝ドラ女優が挑んだ“初アニメ声優”

アニメ『映像研には手を出すな!』についてSNSでは「何かを作る人に必ず刺さる」「令和アニメ最高傑作」「伊藤沙莉主演の最高傑作」との声があがりました。浅草みどり役を務める伊藤沙莉さんは、2024年に放送されたNHK連続テレビ小説『虎に翼』でヒロイン・猪爪寅子役を演じるなど、数々のドラマや映画に出演している女優です。本作では初めてのアニメ声優として、その演技力と持ち味である特徴的な声で活躍し、「主人公の声ってもしかして…」という声が見られるほど、注目と高い評価を得ました。

また、『映像研には手を出すな!』を手がけたのは、国内外で様々な賞を獲得してきた湯浅政明監督とスタジオ・サイエンスSARUです。サイエンスSARUは、ほかにも『ダンダダン』『犬王』『平家物語』といった作品を手がけており、ハイクオリティな作画には独特の没入感があります。

創作の喜びと苦しさ、その両方を肯定してくれる作品である『映像研には手を出すな!』。何かをつくることが好きな人はもちろん、好きなことを好きと言い切る勇気をもらいたい人の背中もそっと押してくれる、NHKの最高傑作と称される完成度を実現させた作品です。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari