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「アニメ映画史上の最高傑作」公開から47年経てもなお“絶大な人気を誇る”唯一無二の至高作

  • 2025.12.26

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回は、そんな中から“絶大な人気を誇る名作アニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第1弾として、映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』をご紹介します。伝説の強敵・マモーが描かれた、記念すべき『ルパン三世』の劇場版第1作です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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GoogleGeminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(配給):映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』(トムス・エンタテインメント)
  • 公開日:1978年12月16日

峰不二子(CV:故・増山江威子)からの依頼、いつもと変わらないやり取りのはずでした。永遠の命が与えられるという伝説の“賢者の石”を、エジプトのピラミッドから盗み出したルパン三世(CV:故・山田康雄)。しかし、不二子はルパンから賢者の石をだまし取り、ある依頼人のもとに去ってしまいます。依頼人の名前は、マモー(CV:故・西村晃)。マモーは1万年もの間、“神の実験”と称してクローン技術を駆使し、自身のクローンをつくり続けてきた複製人間でした。

自らを“神”と名乗るマモーは、ルパンに不老不死の話を持ち掛けるものの、ルパンは相手にしません。自分の崇高な理想を理解しないルパンに怒ったマモーは、再びルパンたちの前に現れ、人知を超えた能力で不二子を連れ去ってしまいます。

圧倒的な力を前に戦意を失くしてしまった次元大介(CV:故・小林清志)の制止を振り切り、ルパンはひとりでマモーのもとへ向かいます。すべての謎の答え、そして賢者の石を使って行おうとするマモーの野望が明らかになったとき、ルパンとマモーの決戦の火ぶたは切られるのでした。ルパンVSマモー、世界史を塗り替えるのはどちらなのでしょうか!?

劇場版『ルパン三世』における“原点”

モンキー・パンチさん原作の『ルパン三世 ルパンVS複製人間』は、『ルパン三世』の劇場版第1作であり、TVシリーズとは一線を画す大胆さに満ちた作品です。敵役・マモーは不老不死やクローン技術といったSF要素を前面に押し出し、哲学的なテーマを訴えかけます。人間とは何か?という問いが、自由の象徴のようなルパンと対峙することで、物語に独特の深みを生んでいるのです。

映像面では、当時としては挑戦的だったサイケデリックな演出や、大胆なカメラワークが印象的。不二子の妖艶さや、次元と五ェ門のクールな活躍も健在で、シリーズの魅力が凝縮されています。とりわけ五ェ門が刀を打ち合うシーンや次元の渋さは、劇場版ならではの迫力を感じさせます。

47年経った今でも存在感を放ち続ける強敵・マモー

映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』についてSNSでは「全てがハイセンス」「アニメ映画史上の最高傑作」「唯一無二の作品」との声があがりました。ちなみに、2025年6月に公開された映画『LUPIN THE ⅢRD THE MOVIE 不死身の血族』にてマモーが再登場しており、47年経った今でもルパンたちを脅かす強烈な存在感を放っています。

また、大野雄二さんによる音楽も世界観を強く支えており、ジャズを基調としたサウンドが大人向けの空気感を演出しています。『ルパン三世』という作品が、子どもだけにとどまらず幅広い層に訴えかけることを、明確に示したと言えるでしょう。

原点にして挑戦作である『ルパン三世 ルパンVS複製人間』。とにかく傑作と称される作品力を持ち、『ルパン三世』の懐の深さをあらためて実感できる一本です。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari