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「マジですか」22年ぶり“リメイク決定”にSNSが沸いた…制作者がこだわり抜いた伝説アニメ

  • 2025.12.21

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回はそんな中から“リメイクに衝撃走った名作アニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第1弾として、アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』(バンダイチャンネル・ニコニコ生放送 他)をご紹介します。原作に忠実なストーリーとキャラクターのリデザインが特徴の、22年ぶりのリメイク作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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GoogleGeminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』(バンダイチャンネル・ニコニコ生放送 他)
  • 放送期間:2014年7月5日~2015年1月17日

あなたと出会うために生まれてきたの――。月野うさぎ(CV:三石琴乃)は、すこしドジで泣き虫ですが元気いっぱいの中学2年生。ある日、額に三日月模様をもつ黒猫・ルナ(CV:広橋涼)と出会い、愛と正義のセーラー服美少女戦士“セーラームーン”に変身することに!

うさぎには選ばれた正義の戦士として、仲間の戦士と幻の銀水晶を探し出し、プリンセスを守るという使命がありました。一方、ダーク・キングダムの女王であるクイン・ベリル(CV:渡辺美佐)も、絶大な力を持つ幻の銀水晶を手に入れるべくうさぎの住む町に配下を送り込み、奇怪な事件を起こしていきます。はたして、セーラームーンは他のセーラー戦士とともに幻の銀水晶を探し出し、プリンセスを守ることができるのでしょうか……!?

武内直子先生による原作漫画をていねいに再現

アニメ『美少女戦士セーラームーンCrystal』は、原作漫画の魅力を現代的な表現で再現したリメイク作品です。1990年代のTVアニメ版に親しんだ人ほど、その違いと進化に驚き、懐かしさと新鮮さの両方を味わえるのが大きな見どころと言えるでしょう。

本作の特徴は、原作に忠実なストーリー展開です。月野うさぎと地場衛の出会いから、セーラー戦士たちが運命に導かれて集まっていく流れまで、原作者・武内直子先生の描いた物語がていねいに再現されています。ギャグ要素を控えめにし、キャラクターたちの葛藤や前世から続く因縁、恋と使命の間で揺れる心情をシリアスに描くことで、物語のロマン性がより際立っているのです。

また、ビジュアル面も本作ならではの魅力。繊細で華やかなキャラクターデザインや、宝石のようにきらめく変身シーン、幻想的な背景美術は、『美少女戦士セーラームーン』の世界観をより神秘的に彩ります。とくにドレスやアイテムのデザインは原作のイメージを尊重しつつ、現代のアニメとして洗練されており、きっと見ているだけで心がときめくでしょう。

22年ぶりのリメイク!キャラクターのリデザインも

旧TVアニメ版である『美少女戦士セーラームーン』は1992年より放送されていたため、本作は22年ぶりのリメイクとなります。『美少女戦士セーラームーンCrystal』についてSNSでは「新アニメ化ってマジですか」「OP曲に衝撃を受けた」「まさかのネット配信」と、衝撃が走りました。

旧TVアニメ版のオープニングテーマは、DALIさんによる『ムーンライト伝説』。ミステリアスかつきらびやかな曲調で、『美少女戦士セーラームーン』といえばこの曲を連想する人も多いのではないでしょうか。一方で、リメイク版はももいろクローバーZさんによる『MOON PRIDE』がオープニングテーマとなっています。ももいろクローバーZさんらしい元気さによって、開幕から物語を盛り上げます。

また、本作は原作漫画準拠で物語が展開することに加え、キャラクターのリデザインが行われたことが大きなポイントです。キャラクターデザインを担当した佐光幸恵さんは、アニメ総合ニュースサイト『アニメ!アニメ!』によるインタビューにて以下のようにコメントしています。

今のアニメで主流とされているものとは全く違うバランスで描いています。今のキャラクターというのは頭全体(頭頂から顎)の真ん中に目が来るようにデザインされていて、鼻筋が長いんですね。『Crystal』の決定デザインでは、頭の真ん中よりも下の位置に眉毛・目・鼻・口と描いています。
出典:『原作の持つ魅力を、『セーラームーンCrystal』キャラクターデザイン・佐光幸恵さんインタビュー』アニメ!アニメ!((2014.10.16)

佐光さんはこの顔のバランスにたどり着くまで試行錯誤し、武内先生の描いた絵をどのようにアニメに落とし込むかという点に心を砕いたそうです。

制作者のこだわりが詰まった22年ぶりのリメイク作品『美少女戦士セーラームーンCrystal』。単なる戦うヒロインではなく、運命に翻弄されながらも前に進む少女たちの物語として、あらためて『美少女戦士セーラームーン』の魅力を実感できる一作と言えるでしょう。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari