「約４０年経っても通用してるのが凄い」“リメイクの完成度”に絶賛の声が相次いだ『伝説アニメ』

2025.12.31

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回は、そんな中から“リメイクに衝撃走った名作アニメ”を5本セレクトしました。

本記事ではその第5弾として、アニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』（テレビ東京他）をご紹介します。1978年に公開された映画『さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち』から、約40年ぶりにリメイクされた作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

作品名（放送局）：アニメ『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』（テレビ東京他）
放送期間：2018年10月6日～2019年3月30日

時は西暦2202年。あの壮大な片道16万8000光年にも及ぶイスカンダルへの大航海から、宇宙戦艦ヤマトが帰還してすでに3年。コスモリバースシステムにより、かつての青い姿を取り戻した地球は、ガミラス帝国とも和平条約を締結。復興の傍ら、防衛のためと最新鋭戦艦アンドロメダを含む新鋭戦艦の整備が進められていました。

イスカンダルのスターシャの願いも虚しく、軍拡への道を歩み進めていた地球。はたしてこれが、かけがえのない数多くの犠牲の果てにヤマトが成し遂げた、本当の平和なのでしょうか？宇宙の平穏を願う女神・テレサ（CV：神田沙也加）の祈りが、ヤマトを新たな航海に誘います。今、宇宙を席巻するガトランティスの脅威が、地球に迫っていました――。

重厚なストーリーが問いかける“愛”と“選択”

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』は、愛と選択を大きなテーマに据えた重厚な物語が見どころです。圧倒的な脅威を前に、人類は再びヤマトとともに宇宙へ旅立ちます。犠牲を払ってまで守るべきものとは何か――その問いが、全編を通して見る者に突きつけられるのです。

古代進をはじめとする主要キャラクターたちは、それぞれ異なる正義や覚悟を胸に行動し、ときに対立しながらも選択を重ねていきます。とくに古代の内面の描き方が丁寧で、英雄としてではなく、ひとりの人間として葛藤する姿が印象的です。また、森雪をはじめとする女性キャラクターたちの役割も大きくなり、物語の感情面を支えています。

シリーズファンにとっての注目ポイントは、『さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち』へのオマージュ。懐かしい展開やセリフを想起させつつも、現代的な価値観が加えられています。さらに、戦艦同士の壮絶な宇宙戦や、緻密に描かれたメカニック表現が、物語の緊張感と感情のうねりを強く引き立てているのです。

およそ40年ぶりのリメイク！

不朽の名作『宇宙戦艦ヤマト』をリメイクし、2012年から2014年に渡り劇場上映やTV放送まで展開した『宇宙戦艦ヤマト2199』。その続編となるのが、『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』です。1978年に公開され、観客動員数400万人を記録した『さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち』から、およそ40年ぶりのリメイクとなりました。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』についてSNSでは「約40年経っても通用してるのが凄い」「日本アニメ史に偉大な金字塔を打ち立てた」「40年前の感動をもう一度…」との声があがりました。

また、本作を手がけた羽原信義監督は、情報サイト『V-STORAGE』によるスペシャル対談にて以下のようにコメントしています。

やはりカメラの位置などは非常に気をつけています。感情の流れによってカメラの高さを変えるのは常套手段ですが、ダラダラと引っ掛かりがなくなってしまうことがあるので、あえて外す部分を流れの中に入れるか入れないか、常に考えています。
出典：『『メガロボクス』森山洋監督×『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』羽原信義監督対談』V-STORAGE 2018年3月30日配信

カメラの位置にこだわりを持ちながら、本作の制作に臨んだ羽原監督。また、揺れ動くところが魅力の一部となっている『宇宙戦艦ヤマト』の主人公のバランスに、難しさを感じたそうです。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』は、『宇宙戦艦ヤマト』という長い歴史を持つシリーズだからこそ描ける、痛みを伴う選択と希望の物語だと言えるでしょう。じっくりと味わうほどに、心に残る一作となっています。

ライター：まわるまがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X（旧Twitter）：@kaku_magari