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「ずっと過激…」「無茶苦茶すぎる」“連続する過激シーン”に騒然…ラストまで釘付けになる傑作映画

  • 2025.12.23

人間の本性や欲望が浮き彫りになる瞬間、そこには思いもよらぬドラマが生まれます。表面的には穏やかに見える日常の裏側で、人々が抱える本音や欲求が明らかになっていく様子は、見る者を引き込む魅力があります。今回は、そんな「人の本性があぶり出される物語」をご紹介します。本記事では、2023年公開の映画『最後まで行く』(東宝)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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映画「花腐し(はなくたし)」舞台あいさつに登壇した綾野剛(C)SANKEI
  • 作品名(配給)映画『最後まで行く』(東宝)
  • 公開日2023年5月19日
  • 出演者岡田准一、綾野剛ほか

年の瀬の夜。刑事の工藤祐司(岡田准一)は、危篤の母のもとに向かうため雨の中で車を飛ばしていました。しかし妻からの着信で、母の最期に間に合わなかったことを知ります。そしてその時、車の前に現れた一人の男と接触事故を起こしてしまいます。

焦った工藤は男の遺体をそのまま車のトランクに入れ、その場を立ち去ります。そして、男の遺体を母の棺桶に入れ、母とともに斎場で焼こうと試みますが、その瞬間、工藤のスマートフォンに「お前は人を殺した。知っているぞ」というメッセージが……。

一つの事故を隠蔽しようとしたことから、工藤の運命は予測不能の展開へと転がり落ちていきます。

次々と襲い来るピンチ!ノンストップで展開する過激なアクションの連続

本作は、世界4カ国でリメイクされた韓国映画の名作を、『新聞記者』『余命10年』の藤井道人監督が日本版としてリメイクしたクライムサスペンスです。岡田准一さんと綾野剛さんという実力派俳優の共演、そして圧倒的なアクションシーンが話題を呼びました。

本作最大の見どころは、何といっても息つく暇もないノンストップアクションです。工藤が事故を隠蔽しようとした瞬間から、次から次へとピンチが襲いかかります。綾野剛さん演じる監察官・矢崎からの執拗な追跡、裏社会との関わり、そして予想外の展開の連続。観客は一瞬たりとも目が離せない緊張感に包まれます。

Xでは、「過激なアクションが見応え抜群」という声が上がっています。本作は劇中で96時間という短い時間の中で、工藤と矢崎の壮絶な攻防が繰り広げられます。スカッとする展開かと思いきや、予想外の真相が次々と明らかになり、観客を最後まで飽きさせません。

藤井道人監督は、オリジナルの韓国版に敬意を払いながらも、日本版独自の解釈を加えています。光と影を意識した画作りのセンス、そして「埃(ほこり)」というモチーフを効果的に使うことで、追い詰められていく工藤と矢崎が徐々に本性をあらわにしていく様子をリアルに描き出しています。

全身全霊で挑んだアクションシーンの迫力

岡田准一さんと綾野剛さんは、本作で体を張った圧巻のアクションを披露しています。二人とも自ら激しいアクションに挑戦し、その迫力は観る者を圧倒します。

特に印象的なのは、雨の中での激しいカーチェイスや、狭い室内での肉弾戦です。岡田さんは刑事という立場でありながら、次第に追い詰められていく工藤の焦燥感を全身で表現。一方、綾野さんは監察官・矢崎役として、どこか不気味で執拗に工藤を追い詰める狂気的な演技を見せています。二人の息の合ったアクションは、アクション監督・園村健介氏の手腕もあって、日本映画の新たなスタンダードを打ち立てたと言えるでしょう。

息をするのもしんどい緊張感が最後まで続くジェットコースター展開

本作を観た多くの観客が口を揃えて言うのが、「最後までジェットコースターに乗っているような感覚」だということです。工藤が事故を隠蔽しようとしたことから始まる物語は、次々と予想外の方向へと転がっていきます。

SNSでは、「ずっと過激…」「息をするのもしんどかった」「無茶苦茶すぎる」「悪役の岡田くんも良い」という感想が投稿されています。本作では、主人公の工藤が必ずしもヒーローではありません。事故を隠蔽し、次々と嘘を重ねていく彼の姿は、観客に道徳的なジレンマを突きつけます。

そして綾野さん演じる矢崎もまた、正義の味方というわけではありません。工藤を追い詰める彼の動機が徐々に明らかになっていくにつれ、観客は「一体誰が正しいのか」と混乱します。この善悪の境界線が曖昧な設定こそが、本作の最大の魅力であり、人間の本性があぶり出される瞬間なのです。

藤井監督は、韓国版よりも先まで描いたラストシーンを用意しています。年の瀬の96時間を描いた本作は、年明けという「新たな始まり」を迎えます。追い詰められた二人の男が、最後にどんな選択をするのか。そのラストシーンは、観客それぞれに異なる解釈を与えることでしょう。

観客を最後まで釘付けにする名作

映画『最後まで行く』は、一つの事故を発端に極限まで追い詰められていく刑事の姿を通して、人間の本性を描き出した傑作です。岡田准一さんと綾野剛さんという二大実力派俳優が体を張って演じたアクションシーンは圧巻で、劇中での96時間ノンストップな展開は観客を最後まで釘付けにします。

藤井道人監督が丁寧に作り上げた緊張感溢れる演出、予測不能なストーリー展開、そして善悪の境界線が曖昧な人間ドラマ。これらすべてが融合し、観る者に強烈な印象を残します。人は追い詰められた時、どんな選択をするのか。その答えを見つけるために、ぜひ本作を体験してみてください。きっとあなたも、息をするのもしんどいほどの緊張感と、ジェットコースターのような興奮を味わうことができるはずです。


※執筆時点の情報です