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「地上波では流せない」“あまりの過激さ”に衝撃走った『傑作映画』…「神演技」清純派女優の“覚悟滲む”快演

  • 2026.1.2

ドラマや映画の中には、登場人物の“生き様”が観る者の心に、強烈なインパクトを残す作品があります。今回は、そんな中から"生々しさが光る名作"を5本セレクトしました。

本記事ではその第2弾として、映画『パズル』(KADOKAWA)をご紹介します。校舎の屋上から飛び降り、一命を取り留めた少女。彼女に託されたのは、復讐劇の幕開けを告げるパズルのピースでした。凄惨な事件の果てに、血まみれの彼女が見出した美しくも残酷な“希望”の正体とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画の初日舞台あいさつに出席した夏帆(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『パズル』(KADOKAWA)
  • 公開日:2014年3月8日
  • 出演:夏帆(中村梓 役)

とある郊外の高校で、女子生徒の中村(夏帆)が屋上から飛び降りる事件が起きます。

それから1か月後、同じ高校で奇怪なマスクをつけた集団による占拠事件が発生。女教師が監禁され、理事長(大和田獏)と男子生徒3人が忽然と姿を消します。この不可解な事件に、街はたちまち騒然となりました。

一方、生き延びた中村のもとを、同級生の湯浅(野村周平)が訪れます。彼は何も言わずに謎の封筒を置き、そのまま去っていきました。

その直後、失踪していた生徒が異様な姿で発見されます。不審に思った中村が封筒を開けると――。中に入っていたのは、すべての事件の真相へとつながる“パズルのピース”でした。

湯浅は一体何者なのか――。導かれるように彼の後を追う中村がたどり着いた先には、想像を絶する光景が待ち受けていました。

「R15指定の覚悟」ターゲットを変えて挑んだ狂気の世界

本作は、人気作家・山田悠介さんの同名小説を原作としたサスペンススリラーです。映画化にあたっては、原作を忠実に再現するのではなく、あえて“20代後半以上の男性”をメインターゲットに据えるという、大胆な方向転換が行われました。

監督をつとめ、佐々木誠さんと共同で脚本を執筆したのは、映画『先生を流産させる会』『ミスミソウ』『許された子どもたち』『毒娘』などで知られる内藤瑛亮さん。R15+指定という枠を最大限に活かし、原作が持つ“ゲーム的スリル”を継承しながら、映像ならではの緊張感と過激さを加えた物語へと昇華しています。

主人公・中村を演じるのは、清純派のイメージを脱ぎ捨てて新境地に挑んだ夏帆さん。共演には、中村を狂気へと導く湯浅役の野村周平さんをはじめ、高橋和也さん、大和田獏さんなど、実力派キャストが顔をそろえました。

上映時間はわずか85分。その短い時間の中に、人間の闇と若者の衝動を濃密に描き出しています。単なるスリラーの枠を超え、1人の少女が覚醒していく姿を鮮烈に映し出した本作は、観る者の心に残る“大人のための本格派サスペンス・ホラー”です。

「本気度が別格」血まみれの夏帆が魅せた“魂の叫び”

本作の見どころは、目を背けたくなるほどリアルで凄惨なバイオレンス描写です。地上波では決して放送できないほど過激な演出が、物語に圧倒的な“生々しさ”を与えています。

内藤瑛亮監督は、本作を『ウォーターボーイズ』のような青春映画のイメージで撮ったといいます。部活動に青春を捧げる若者たちのエネルギーが、たまたま“殺人”という形で爆発してしまった――。そんな冷徹な視点が、残酷なシーンの中にどこか純粋で、きらめくような美しさを生み出しています。

その世界観を体現したのが、主演の夏帆さんです。特に終盤で血まみれになりながら踊り狂うシーンは圧巻の一言。従来の清純なイメージを自ら打ち砕き、心身を極限まで追い込んで役に没入した女優魂が、この狂気のヒロインに痛々しくも美しい魂を吹き込みました。

そんな夏帆さんは、近作のドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』で竹内涼真さんとW主演をつとめています。『パズル』で見せた剥き出しの感情を全身でぶつけるような迫力とは対照的に、きめ細やかで繊細な演技を披露。作品ごとにまったく異なる表情を見せるその演技力には、驚かされるばかりです。

一部の視聴者からは、「観るのが辛い」「地上波では流せない」といった戸惑いの声がある一方で、「夏帆が美しかった」「神演技に圧倒された「本気度が別格」といった絶賛の声が相次ぎました。

凄惨なバイオレンス描写の裏側に、人間の闇と若者の抑えがたい衝動を鮮烈に映し出した映画『パズル』。すべてを懸けて役に挑んだ夏帆さんの熱演と、逃げ場のない狂気を映し出した本作は、まさに“生々しさが光る名作”と呼ぶにふさわしい、唯一無二の衝撃作です。


※記事は執筆時点の情報です