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「壮絶すぎる」「陰湿…」直視しがたい“生々しさ”に騒然…中毒性抜群の『傑作ドラマ』

  • 2026.1.3

美しい言葉や理想だけでは割り切れない、人の心の奥底に渦巻く嫉妬、欲望、そして孤独。人間の清濁併せ呑むような本質や、一筋縄ではいかない複雑な関係性を生々しく描き出し、観る者に深い問いを投げかける作品の数々。今回は、そんな“綺麗事では終わらない人間模様を描いた作品”5選をセレクトしました。

本記事では第5弾として、1987年放送のドラマ『ああ家族』(TBS系)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

“綺麗事では終わらない人間模様を描いた作品”ドラマ『ああ家族』

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沢田雅美(1984年頃撮影)(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『ああ家族』(TBS系)
  • 放送期間:1987年1月5日~2月27日

あらすじ

故・橋田壽賀子さんの小説『新・となりの芝生』を原作としたテレビドラマ。

麻生公子(大空眞弓)は、夫の清隆(故・山口崇)や2人の子どもたちと共に3DKのマンションで暮らし、念願のマイホーム購入を目前に控えた幸せな日々を送っていました。しかしある日、清隆の母である麻生静(故・赤木春恵)から「空き巣に入られた」と助けを求める電話が入ります。

夫婦が駆けつけると、静の娘である真壁伸子(山之内滋美)森本雅子(沢田雅美)も集まっていました。母親の1人暮らしを案じる一同でしたが、誰が同居するかという話になると、それぞれが勝手な主張をして責任を回避しようとします。この態度に激怒した静が「自殺する」と言い出したことで、追い詰められた清隆は母を引き取ることを決断します。姑との折り合いが悪い公子は反対しますが、その願いもむなしく強引に押し切られてしまうのでした―。

ドラマ『ああ家族』の見どころ ※ネタバレあり

ドラマ『ああ家族』は、一見平穏に見える家庭の裏側に潜む根深い対立と、そこに渦巻く人間の業を赤裸々に描き出した人間ドラマです。本作の評価の中心となっているのは、目を背けたくなるほどリアルに描写された家庭内の不協和音であり、視聴者の感情を激しく揺さぶります。SNSでは「嫁いびりが壮絶すぎる」「陰湿…」「これぞ嫁姑問題!」「イライラする」といった声が寄せられているように、姑からの執拗な圧迫や、それを取り巻く家族の身勝手な振る舞いがもたらす心理的なストレスは相当なものです。しかし、その逃げ場のない不快感こそが、本作が描こうとする「家族」という密室が生む閉塞感を象徴しているとも言えます。

その一方で、過酷な展開を突きつけられながらも、ついつい次が気になってしまう不思議な魅力が本作には備わっています。SNSでは「中毒性がある」「原作を壊さずにドラマ化していた」と高く評価されている通り、原作が持つ独特の緊張感や家族の心境の機微を巧みに再現しており、観る者を物語の深淵へと引き込んでいきました。時代が変わっても変わることのない家族の絆とエゴの葛藤を、原作へのリスペクトを込めて丁寧に描き切ったことで、視聴者の心に深く突き刺さる稀有な作品として結実しています。

沢田雅美が“嫌われ役”を完璧に演じきる圧倒的演技力を披露

大家族の人間模様を描いた名作ドラマ『ああ家族』において、一家の平穏をかき乱す重要な役柄を担ったのが沢田雅美さんです。沢田さんが本作で体現したのは、家族の一員として振る舞いながらも、言葉の端々に鋭い毒を含ませて周囲を翻弄する、非常に人間味のある「厄介な女性」という極めて難しい役柄。ベテラン俳優陣が織りなす濃厚な会話劇の中で、沢田さんが放つ独特の緊張感とリアルな生活感は、視聴者の感情を強く揺さぶり、物語に強烈なスパイスを加えました。

そんな徹底した役作りに対する沢田さんの演技は、あまりのリアリティに放送当時から大きな反響を呼びました。SNSでは「嫌な奴で思わず腹立つ」といった声が上がっているほか、劇中で見せる容赦のない振る舞いや、細やかな表情にまで宿る悪意に対し、「イケズぶりは凄かった」といった声が寄せられるなど、その圧倒的な「嫌われ役」としての完成度に称賛が送られています。観る者に強烈なストレスを感じさせるほどの説得力を持った沢田さんの好演が、家族の絆の難しさと深さを描く本作のリアリティをより一層際立たせています。

ドラマ『ああ家族』を観たことがない方、また本記事を読んで興味を持っていただけた方は、“泥臭くも愛おしい人間模様”をぜひご覧ください!


ライター:天木拓海
映画・アニメ・ドラマなど、エンタメ作品を観ることを趣味としているライター。エンタメ関連のテーマを中心に、作品考察記事/コラム記事などを手掛ける。

※記事は執筆時点の情報です