「絶対に手を離さないで」地下鉄が6時間ストップ…交通局の注意喚起に「知らなかった」「子どもが持ってたら注意しなきゃ」

2025.12.4

テーマパークやイベント会場で子どもたちに人気のアルミ風船。キラキラと輝く姿は華やかで楽しい思い出を演出してくれますが、実は鉄道施設では深刻なトラブルを引き起こす危険性があります。

2025年11月3日、札幌市営地下鉄東西線で「アルミ製の風船」による停電が発生し、最大約6時間の運転見合わせとなりました。今回の事故を受け、札幌市交通局は公式Webサイトで「アルミ風船を駅構内に持ち込む際は絶対に手を離さないでください」と注意喚起を行っています。

地下鉄運行見合わせの原因は…アルミ風船

報道によると、11月3日に札幌市営地下鉄東西線の大通駅とバスセンター前駅間で停電が発生しました。札幌市交通局の調査では、電車線と天井に焦げた跡があり、溶けたアルミ風船が発見されたとのこと。

令和7年度第12回定例市長記者会見において秋元克広札幌市長は、今回の停電について、「乗客が持っていたアルミ風船が手から離れて電車線に接触し、ショートしたことで安全装置が作動したために発生した」と説明しました。また、アルミ風船の危険性について、車内アナウンスやポスター掲示などで周知徹底を図る方針だと語っています。

全国で相次ぐアルミ風船の鉄道トラブル

アルミ風船による鉄道トラブルは今回だけではありません。過去には全国各地で同様の事例が報告されています。

2025年2月には、都営新宿線の架線に、飛んできたアルミ風船が絡んでいるのが発見され、大島駅～本八幡駅間で順次運転見合わせが発生。

2017年8月にも、京王新線初台駅にて、駅構内を浮遊していたアルミ風船が車両のパンタグラフに引っ掛かったため、約2時間弱の運転見合わせが発生しています。

同じく2017年8月、りんかい線でも、電車線にアルミ風船が接触したことが原因で、品川埠頭変電所～大井町変電所間の事故停電が起き、最大87分の遅延が発生しました。この件を受けて、東京臨海高速鉄道株式会社は「アルミ風船をお持ちになっての電車のご利用は、なるべくお控えいただきますようお願いいたします」とリリースを発表し、協力を求めました。

「手を離さない」「すぐに駅係員に連絡を」各社が注意喚起

札幌市交通局は公式Webサイトで「アルミ風船が電線に接触することで、停電等が発生し、運行に支障を及ぼす恐れがあります。アルミ風船を駅構内に持ち込む際は絶対に手を離さないでください。万が一離してしまった場合はただちに駅係員にお知らせください」と呼びかけています。

同様に、東急電鉄も公式Webサイトで同様の注意喚起を行っており、「アルミ風船は、架線に接触するとショートして運行に支障をきたす場合があるため、処理が終わるまで運転することができません。特に地下区間の場合は、風船が滞留するため完全に回収する必要があります」と説明。

また、阪神電鉄も公式Webサイトで「アルミ風船を駅構内に持ち込む際は、絶対に離さないでください」としており、離してしまった場合はすぐに駅係員に伝えるよう記載しています。

SNSでは「知らなかった」の声も

SNS上では「初めて聞いた！」「アルミ風船で電車が止まるって知らなかった」という驚きの声が見られました。「風船で電車止まるの？」「子どもが持ってたら注意しなきゃ」といった反応のほか、「イベント帰りに気をつけよう」という声も。

しかし、アルミ風船が架線に触れるとショートする危険性については、まだ十分に認知されていないようです。テーマパークやイベントで配布されるアルミ風船は子どもにも人気ですが、疲れている帰り道などに手を離してしまうリスクもあります。特に地下鉄では天井があるため、地上の駅よりも架線に接触する確率が高くなります。

イベントやテーマパークでアルミ風船を手にする機会が増える中、駅構内では特に注意が必要。万が一手を離してしまった場合は、自分で回収しようとせず、すぐに駅係員に知らせることが重要です。

参考：
アルミ風船の持ち込みについて（札幌市交通局）
令和7年度第12回定例市長記者会見記録（札幌市）
都営新宿線内における輸送障害について（東京都交通局）
2018 CSRレポート（京王電鉄）
安全報告書（東京臨海高速鉄道株式会社）
アルミ風船を原因とする送電トラブルによる運転見合わせについて（東京臨海高速鉄道株式会社）
おしえて！東急線安定した運行のための取り組み編（東急電鉄）
阪神電車からのお願いアルミ風船について（阪神電気鉄道株式会社）

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