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バレルレッグジーンズの「バレル」ってどんなシルエット?【お洒落さんのためのファッション用語辞典 vol.110】

  • 2025.11.28
バレルレッグジーンズの「バレル」ってどんなシルエット?【お洒落さんのためのファッション用語辞典 vol.110】
出典 FUDGE.jp

出典:バレル型のデニムと相性抜群!ピンクのシャツコーデ【本日のFUDGE GIRL-10月7日】

連載『お洒落さんのためのファッション用語辞典』では、トラッドファッションから最新のファッションまで、FUDGEでおなじみのファッション用語についてわかりやすく解説します。110回目は「バレル」について探ります。この連載を読んでファッション用語の背景や起源を知れば、毎日のお洒落がより楽しくなること間違いなし!

【用語解説】まずは「バレル」を知ろう。

バレルレッグジーンズの「バレル」ってどんなシルエット?【お洒落さんのためのファッション用語辞典 vol.110】
出典 FUDGE.jp

出典:今っぽいデニムの着こなしはバレルパンツ一択で【本日のFUDGE GIRL-12月17日】

「バレルレッグジーンズ」という言葉を耳にしたこともあるかもしれません。そんなふうに使われる「バレル」とは日本語で樽という意味。つまり「バレルレッグジーンズ」は「バレル」シルエット=樽形のシルエットののジーンズのこと。ジーンズ以外にもジャケットやコート、スカートなどにも見られますが、樽のようにふくらんだシルエットをさして使います。上着なら、肩から背にかけてタックなどを入れてふっくらと丸みをつけて、裾に向かってすぼまっていく形。ジーンズを筆頭にパンツならば、ヒップから裾にかけて外側のラインに丸みがあり、裾に向かって細くなるテーパードデザインのことです。

【歴史】1950年代、《バレンシアガ》が発表、女性を開放したシルエット

バレルレッグジーンズの「バレル」ってどんなシルエット?【お洒落さんのためのファッション用語辞典 vol.110】
出典 FUDGE.jp

出典:定番でなく旬を狙うなら、バレルレッグ ジーンズはいかが?【FUDGE 9月号連動企画-あの子もやっぱりジーンズね。| DAY 03】

「バレル」シルエットがファッションとして登場したのは、1950年代です。当時、女性の衣服の主流は細くて直線的、あるいはコルセットで体を締め付けるようなカーヴィなシルエット。ところが、1950年代に入り、《バレンシアガ》がウエストをくびれさせるのではなく、体型に関わらず着られるゆったりとした「バレル」シルエットの服を発表したのです。それは「ニューボリューム」とセンセーショナルに取り上げられ、話題になりました。影響はどんどんと広がり、《クリスチャン・ディオール》が「オーバルシルエット」の服を発表。これは女性を心身共に解放する新しい時代の象徴として、現代でも語り継がれています。

それからずいぶんと年数が経過しましたが、ここ数年、「バレルレッグジーンズ」が人気です。火付け役となったのは、2023年の《アライア》の「バレル」シルエットのジーンズコレクション。フィットしたウエストからヒップ、ふくらはぎあたりまで大胆で強調的なふくらみをもち、モードな雰囲気を漂わせながら体形カバーも叶い、FUDGE GIRLSからも、強~い味方として、支持されています。

【雑学】エマ・ロバーツに憧れて、「バレルレッグジーンズは」こんな風に着たい♡

バレルレッグジーンズの「バレル」ってどんなシルエット?【お洒落さんのためのファッション用語辞典 vol.110】
出典 FUDGE.jp

ジュリア・ロバーツの姪で女優として人気のエマ・ロバーツ。ストリート系のファッションが得意な彼女にとっても、「バレルレッグジーンズ」はワードローブに欠かせない存在なのかもしれません。ある日のエマは、オーバーサイズ気味のボーダー柄ニットに「バレルレッグジーンズ」を合わせ、リラックス感のある着こなしを披露していました。そんなエマの着こなしにインスパイアされたコーディネートをイラストでご紹介。

もし手元にボーイフレンドサイズのニットがあったら、ぜひ、「バレルレッグジーンズ」と組み合わせてみて! ジーンズにボリューム感があるからと、ついトップスはコンパクトなサイズ感のものを選びがちですが。案外、この組み合わせ、いいんです。ゆるっとシルエットのアイテムは、頑張っておしゃれしています感が出ないところがメリット。そのふたつを組み合わせるのだから、完成した着こなしは、ほら、こなれた雰囲気。スタイルアップのコツはスニーカーではなく、ちょっとヒールのあるブーツを合わせること。足元できりっと引き締めて着こなしてみて!

 

監修:朝日 真(あさひ しん)

文化服装学院専任教授、専門は西洋服飾史、ファッション文化論。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科にて学ぶ。『もっとも影響力を持つ50人ファッションデザイナー』共同監修。NHK『テレビでフランス語』テキスト「あなたの知らないファッション史」連載。文化出版局『SOEN』他ファッション誌へ寄稿多数。NHK「美の壺」他テレビ出演。

 

illustration_Sakai Maori
edit & text_Koba.A

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