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8席限定の特等席!仏ミシュラン星付きシェフが日本で初めてオープンした没入型フレンチとは?

  • 2025.11.16

フランス・ブルゴーニュのレストランでミシュラン二つ星を6年連続獲得した濵野 雅文氏が日本に初出店した、わずか8席のフレンチレストラン「L’Unique labo (リュニック・ラボ)」が福岡にオープンしました。

店名の由来は「唯一無二= L’Unique」と「実験室= labo」を意味するもの。フランスで長年培った技術と九州の食材を融合させた、独創的な料理、芸術的な空間、魅せる演出が三位一体となった“食の舞台”を楽しめると話題です。

デザインホテルとして知られる「ホテル イル・パラッツォ」に併設されていたチャペルをリノベーションしたため、天井高6mを超える開放的な空間も素敵。内装の設えは、料理が最も美しく輝くために白一色で統一されており、一歩足を踏み入れた瞬間その世界観に引き込まれます。

空間デザインは、世界中の名だたるブランドのプロジェクトを手がけ数々の受賞歴をもつスイスのデザインチーム atelier oï(アトリエ・ オイ)が担当。「レストラン=舞台」というコンセプトのもと、キッチンを中心に据えたライブ感あふれる構造になっており、シェフが調理するシーンを間近で体感できるのが特長です。

柔らかな白のグラデーションに光が生む陰影で建築のフォルムを際立たせているのも見事。テーブル上にある照明は花、ウェイティングスペースは庭をイメージしており、庭で憩いながら花の下で食事を楽しむ雰囲気を醸しています。

椅子やソファ、サイドテーブル、サービスワゴンに至るまで、家具もすべて atelier oï によるオリジナルデザインという徹底ぶり。空間全体が一体となることで“食の舞台”への没入感が生まれています。

Menu L’Unique ¥27,500 *サービス料別
ウェイティングスペースでくつろぎながら、まずはシャンパーニュで乾杯♪これから始まるコースへの期待が膨らみます。
「食前のお愉しみ」イヤリングスタンドに飾られたポルチーニ茸のチュイルや、カレー風味のマカロン、糸島豚のリエットのマカロン、ブドウジュースをスポイトで注入するマドレーヌといった、ひと口サイズのミニャルディーズが食前酒に合わせて並びます。
ペアリングコースは、ソムリエがその日のメニューに合う最適なお酒を提案してくれます。
「はじまりの唄」物語のワンシーンのように美しいプチサイズのアミューズ。カリフラワーのムース(左)、車エビと高野豆腐のタルト(中)、魚とジャガイモのフリット(右)。
「レモン 南瓜/キャビア」フランス産のオシェトラキャビアをたっぷりとのせ、エディブルフラワーなどの花をあしらった逸品。スモークで香りづけする演出も楽しいひと時です。ジャックダニエルのスモークチップで燻製したワッフルを添えて。
「パイナップル 蕪/オマール」宮崎の西米良サーモンを使ったタルタル。毎朝手作りするオマール海老のチュイルが可愛い♡
「無花果 里芋/フォアグラ」天草のホロホロ鳥とフォアグラ、里芋を使った温かいテリーヌ。無花果のキャラメリゼやピューレ、無花果の葉からとった緑のオイルなど、無花果をたっぷりと感じる一皿。
「カボス キャベツ/五島の海」糸島の久保田農園のハーブサラダを添えたマハタのロースト。マハタの出汁を使った白ワインソースとワタリガニのアメリケーネソースでいただきます。カボスのペーストがアクセントに。
「グレープフルーツ タイム/愛のカタチ」グレープフルーツのグラニテ。エスプーマにしたレモンタイム風味の炭酸をのせて。
「林檎 木の子/仔鳩」ムネ肉とモモ肉、2種類の部位をサルミソ―スでいただく一皿。ニンジンのピューレ、スモモのソース、リンゴのピューレを添えて。
「マスカット メレンゲ/ヨーグルト」スライスしたシャインマスカットに刻んだローズマリーを散らし、ブドウの木に見立てた一品。メレンゲの上にはヨーグルトのソルベを。
「洋梨 アーモンド/ホワイトチョコレート」球体のホワイトチョコレートに温かなソースをかけると、チョコレートが溶けて中からアイスが登場する楽しい仕掛けのデザート。
「食後のお愉しみ」ひと口サイズの可愛らしいスイーツが、カラフルなお重に入って登場!クリストフルのカトラリーでいただけます。

メニューは、全11皿のコース「Menu L’Unique(メニュー リュニック)」のみ。シェフ濵野氏の代名詞ともいえる「すべての料理にフルーツを取り入れる」という独自のアプローチやエディブルフラワーをあしらう演出により、味はもちろんのこと見た目も華やかな仕上がりです。2か月ごとにメニューが変わるため、移ろう季節が映し出される多彩なコースも魅力的。

また、食器は、フランスの老舗磁器ブランド「Bernardaud(ベルナルド)」や世界のグランシェフが愛用する有田焼の名窯「カマチ陶舗」の白皿などを使用しているのも素晴らしく、料理と器のバランスが最も美しく映えるよう計算されています。

ワインは、ブルゴーニュを中心としたクラシックなラインナップに加え、安心院、菊鹿、都農など九州各地のワイナリーによる銘柄のみで構成する特別ペアリングもあります。

「この度、約2年の構想を経て、L’Unique laboをオープンすることができました。フランスで過ごした20年間は、私にとってかけがえのない財産です。その経験を九州の豊かな食材と重ね合わせることで、フランス時代には生み出せなかった、新しい表情を持つフレンチを創り出してまいります。わずか8席のカウンターだからこそ、料理が仕上がる瞬間の温度や香りをそのままお伝えできる。そんな濃密な時間を、L’Unique laboで心ゆくまで体験していただけることを願っています」

料理もトークも上手いシェフの濵野氏。「サービスを含め、この空間すべてを楽しんでほしい。食べ終わった時に、舞台を見終わったかのような感動を生み出したいです」と語ってくれたのが印象的でした。食の舞台で唯一無二の時間を過ごしてはいかがでしょう。

Shop Data

L’Unique labo(リュニック・ラボ)
福岡市中央区春吉3丁目13−1(HOTEL IL PALAZZO敷地内)
ランチ 12:00〜 / ディナー 18:00〜 *完全予約制

取材/本條千春

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