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BLACKPINKリサのスタイリスト、ブレット・アラン・ネルソンとナン・ニストが語る「DEADLINE」ワールドツアールックのインスピレーション

  • 2025.11.7

現在、BLACKPINK結成以来3回目となるワールドツアーを敢行中のリサ。この夏に北米とヨーロッパを巡った後、ファッションウィークに参加するために短い休暇を取った彼女は、台湾、タイでの公演を終え、インドネシア、フィリピン、日本、香港へと続くアジアツアーの真っ只中にある。

リサはステージ上でのキャラクター作りとファッションへのこだわりでも知られるが、今回のツアー衣装には、デザイナーピースだけでなく数々のカスタムルックも盛り込まれているようだ。US版『VOGUE』は今回、彼女のスタイリストであるブレット・アラン・ネルソンナン・ニストのふたりに、そのインスピレーションやルックが出来るまでのプロセスについて話を聞くことができた。

──リサのツアールックについてお話を聞かせてください。アメリカでもヨーロッパでも、それぞれの都市で違うデザイナーピースを着ていましたね。

ブレット・アラン・ネルソン(以下、ネルソン) リサとはコーチェラでも一緒でしたし、その後もいくつかのプロジェクトをともにしています。彼女のチームから、ヨーロッパとアメリカでのツアー衣装を担当してほしいと声をかけていただけたことを、すごくうれしく思います。

言うまでもありませんが、彼女はファッションブランドと素晴らしい関係を持っているので、とにかくいろんなブランドに声をかけました。さまざまなアイデアやスケッチのために選択肢を広げておきたかったし、これまでとはまったく違う感じのスタイリングもしたかったんです。イメージはロックスターだったので、あらゆるブランドを使ってロックスター風のルックを作りたいと思いました。

フェラーリの大ファンだというリサのために作り上げたカスタムルック。ロゴ入りのベルトはフェラーリが制作した。
フェラーリの大ファンだというリサのために作り上げたカスタムルック。ロゴ入りのベルトはフェラーリが制作した。

LAでは、ルイ・ヴィトンLOUIS VUITTON)の全身モノグラムのルックを選びました。シカゴでは、コーチェラで着用する予定だったジュゼッペ・ディ・モラビト(GIUSEPPE DI MORABITO)のクリスタルルックを。それから、イブ・カマラ率いるオフホワイトOFF-WHITE)のチームと仕事をするのが大好きです。オフホワイトはいつものリサとはまったく違うカスタムピースをいくつか作ってくれたのですが、ジャケットをよく見るとブランドのロゴがあったりと、ちょっとしたディテールがとてもクールに感じられました。

また、リサはフェラーリの大ファンなので、フェラーリにも協力してほしいと彼女から頼まれていました。彼女を真っ赤なフェラーリに変身させると言うのがアイデアだったのですが、フェラーリは光沢のあるロゴ入りのビニールベルトを特別に作ってくれたんですよ。

「ラブブ」をイメージしたカスタムルック。
「ラブブ」をイメージしたカスタムルック。

──SNSで話題になった「ラブブ」のルックについてもお聞かせいただけますか?

ネルソン あれは人々が求めるバズのひとつ。リサはまさに「ラブブ」の女王です。リサはラブブをSNSに投稿した最初のスターで、世界中を夢中にさせました。最初のフィッティングのとき、私は冗談で「(私との)最後の夜に、ラブブのコスチュームを作りましょうか」と提案したんですが、彼女は目を輝かせて大喜びしましたね。その日のうちに私はスケッチに取りかかり、ラブブになりきったリサをイメージしてさまざまなオプションをデザインしました。

ここLAには、80年代初頭から映画やテレビのコスチュームを作り続けているMuto Littleという素晴らしいショップがあって。Muto Littleの女性スタッフたちがトップとスカートのルックに命を吹き込んでくれました。彼女たちはまるで魔法使いのようです。それから、小さなカスタムのラブブはマルコ・モンローが手がけたものです。彼はレディー・ガガにも作ったことがあるんですよ。

今回はモンローにリサの衣装に使ったものと同じピンクの生地を渡して、彼女とおそろいのぬいぐるみを作ってもらいました。さらにこだわって、ジュエリーブランドのクリスハバナ(CHRISHABANA)にラブブを3Dスキャンしてもらい、リサの顔にフィットするカスタムサングラスも制作してもらいました。

台湾公演の初日には、ファンシークラブによるカスタムルックと、エンプティ ビヘイビアによるブーツを合わせたルックを着用。Photo_ Courtesy of YG
台湾公演の初日には、ファンシークラブによるカスタムルックと、エンプティ ビヘイビアによるブーツを合わせたルックを着用。Photo: Courtesy of YG

──ソロパフォーマンスのために着用したルックのインスピレーションとスタイリングプロセスについて教えてください。

ナン・ニン(以下、ニスト) 初のソロアルバム『Alter Ego』から着想を得たステージルックを制作しました。それぞれのルックは、彼女のキャラクターの異なる面(同アルバムでは、ロクシー、サニー、キキ、ビクシー、スピーディというリサの5つのキャラクターが表現されている)を反映したものです。新しい素材を探したり、才能あるクリエイティブなデザイナーとコラボしています。リサはとても熱心で、彼女自身もアイデアを共有したり、それぞれのルックにひねりを加えたりするのが大好きなのですが、それがスタイリングのプロセスをより特別なものにしてくれています。

──今回のツアーでお気に入りのルックは?

ニスト 正直なところ、どのルックもお気に入りです。それぞれに物語がありますから。リサのためだけでなく、各都市に彼女を見に来るファンのためにも、すべての衣装が意味のあるものになるようデザイナーたちと密接に協力してきました。特にバンコクはリサの故郷ですから、記憶に残るルックを作りたいと思いました。ここでのショーはよりスペシャルなものになるでしょう。1日目から3日目にかけて物語が展開されるようにルックを考えました。

──台湾での公演初日にリサが欠かせなかったファッションのマストハブは?

ニスト リサの“スピーディ”なキャラクターをイメージして、遊び心とエネルギーにあふれたファッションでアジアツアーの幕開けを飾りたいと思っていました。楽しくダイナミックなスタートを切って、これから先へと続くツアーの流れを作るように。台湾での初日は、ファンシークラブ(FANCI CLUB)というベトナムのブランドによるカスタムルックを選びました。スポーティーなシルエットに、意外性のあるポップなカラーと煌びやかな装飾が目を引く、とてもプレイフルなデザインです。ルックの仕上げには、エンプティ ビヘイビア(EMPTY BEHAVIOR)のブーツを。サッカーやモータースポーツに用いられるテクノロジーと実用的なデザインを組み合わせたボクシングブーツにインスピレーションを得ています。

Text: Irene Kim Adaptation: Motoko Fujita

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