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15年前からウェディングソングとして選ばれる“究極の純愛歌” 世代を越えて愛されたワケ

  • 2025.12.18
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

「15年前の今頃、どんな景色を歩いていたっけ?」

冬の透明な空気に夕陽が差し込み、街がほんのりオレンジ色に染まる1月。カフェの窓越しに見える人影も、どこかゆっくりでやさしい。そんな季節に、未来を思い描くような1曲が静かに広がっていった。

ケツメイシ『君とつくる未来』(作詞:ケツメイシ・作曲:ケツメイシ、Naoki-T)――2011年1月26日発売

SNSの普及で“気持ちを言葉にして届ける”という行為そのものが、日常の風景になりつつあった頃。そんな時代に、飾り気のない直球のラブソングが、じんわりと心をつかんでいった。

ふたりの時間に寄り添う“あたたかな風景”

ケツメイシが送り出した『君とつくる未来』は、そのタイトルのままに“これから先の景色”をそっと描き出す。グループの持つやわらかさや人懐っこさが全面にあふれ、聴いた瞬間に空気がふわっと和らぐような、独特の温度をもった楽曲だ。

アコースティックなあたたかさとリズムの軽やかさが同居する音作りが印象的だ。メンバーの声が重なっていくほどに、聴く側の心の輪郭もゆっくりほぐれていく。

穏やかさの中にある“確かな前向きさ”

この曲の魅力の中心にあるのは、聴く人の心を自然と柔らかくする、ケツメイシ特有の優しい空気感だ。

メロウで明るいメロディに寄り添う歌声とラップは、感情を押しつけるのではなく、寄り添う距離感を保っている。そのため、どの世代にもすんなり受け入れられる“開けたポップさ”がある。

アレンジは過度にドラマティックではなく、ギターや鍵盤の響きが丁寧に配置されている。リズムも軽やかで、日常の延長線に自然と流れてくるような心地よさ。まさに、未来へ歩き出すふたりの足取りをそのまま音にしたような雰囲気だ。

時代と共に広がった“ウェディングの定番”

『君とつくる未来』は、発売当初からウェディング・ソングとして多くのカップルに選ばれてきた。結婚式の入場や手紙の後、エンドロールなど、“これから先”を象徴する場面で使われることが多く、今ではケツメイシの代表的なラブソングとして確固たる位置を築いている。

ケツメイシはもともと、等身大の感情を描くことで支持を集めてきたグループ。『夏の思い出』や『さくら』など、時代を彩るヒット曲を数多く送り出してきた中で、この曲は“未来”というテーマに真正面から向き合った、ひとつの到達点ともいえる。

その背景には、彼らが長年大切にしている“人と人のつながり”という軸がぶれることなく存在している。派手ではない。でも、ゆっくり、じんわりと心に残る。そんなケツメイシらしさが、この曲を結婚式の定番へと押し上げた。

静かに続いていく“未来の景色”

リリースから15年。街の風景も音楽の聴き方も変わったけれど、『君とつくる未来』が放つあたたかさは、今も変わらない。

結婚式だけでなく、日々の節目にもそっと寄り添うように流れ続けている。未来が不確かだと感じるときほど、誰かと歩きたいと思う気持ちは強くなる。だからこそ、この曲はこれからも多くの人の心に灯り続けるのだろう。

過剰な演出はいらない。ただ隣にいる誰かと見たい景色がある。その普遍的な感覚を、ケツメイシはやさしく音にしてくれた。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。