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そりゃ結婚できないわ…「外見でも経済力でもない」恋愛を進展させるために捨てたほうがいい「交際の条件」

  • 2025.11.4

精力的に婚活をしているにもかかわらず、なかなか結婚できないのはなぜか。婚活スクールを運営する吉沢詩乃氏は「多くの人が“交際の決め手”としている事柄が、交際や結婚の障害になっている」という――。

冬の公園で手をつないでいる日本人男女
※写真はイメージです
既婚率が約20%も変化する要因

「誰と会ってもときめかない」「ピンとくる出会いがない」

婚活が長引く人が一度は口にしたことがあるであろうセリフですが、実はそれこそが“結婚できない最大の理由”かもしれません。

「ときめき」は婚活市場における頻出ワード。

果たしてときめきは婚活において本当に必要なのか――?

その疑問に答えを出すために、私が運営する「ハイスペ男子総合研究所(ハイスペ総研)」は、2025年6月、全国の20~50代の男女2405名を対象に「大人婚活と“ときめき”」に関する調査を行いました。

調査によると、「結婚相手にときめきを重視する」と答えた人は全体の58.6%。一方で、「あまり重視しない」「まったく重視しない」という人はわずか17.5%でした。

【図表1】結婚相手に“ときめき”を重視するか
出典=ハイスペ総研「【調査リリース】大人婚活と“ときめき”の関係」

さらに、婚活経験者の70.8%が「ときめきがない相手とは交際しない」と回答。

婚活市場では、「ドキドキしない=ナシ」という風潮が強く根付いていることが分かります。

【図表2】“ときめき”がない相手との交際を避けたか
出典=ハイスペ総研「【調査リリース】大人婚活と“ときめき”の関係」

しかし、興味深いことに「ときめきを重視しない」人の既婚率は76.5%で、重視する人(56.2%)を大きく上回りました。

ときめきを重視するかどうかにより、なんと既婚率が約20%変わることになります。

婚活市場ではときめき重視の風潮が強い一方で、“ときめき”を基準にしない人ほど、きちんと結婚できているのです。

増え続ける「ときめきチェックリスト」

また、私はこれまで950名以上の婚活に悩む女性と関わってきたのですが、婚活が長引き悩んでいる人には、「ここまで来たら妥協できない!」と、異性としての魅力度が高いどうかにかなりシビアになっている傾向が見られます。

例えば女性なら、男性のエスコート力やファッション、デート場所のセレクト、身だしなみなどのチェック項目が増えがちです。一方の男性も、女性の経済的基盤や家事能力、異性としての魅力をチェックしがちで、お互いに婚活を続けるほどシビアな判定をすることに……。

結果として、デートやお見合い前に「ナシ」判定になってしまい、出会いのチャンス自体が激減してしまうのです。

そして、ときめき偏重型の婚活は、結果的に上記の「項目がズラリと並ぶチェックリスト」を片手に進むことになるので、さきほどの調査結果にある通り“茨の道”になりがちです。

そこでおすすめなのが、間口の狭い「針の穴型の出会い」ではなく、まずは関わってみる「ピラミッド型の出会い」です。

「ピラミッド型出会い」のメリット

「針の穴型の出会い」ではなく「ピラミッド型の出会い」をすすめるのはなぜか。

最初から「この人はアリかな」と、針の穴を通すようなシビアな基準で吟味するのではなく、ピラミッドの形のように、裾野は広くとってコミュニケーションを取りながらゆっくりと候補者を絞っていくほうが効率的だからです。

「失敗したくない」「吟味したい」という気持ちが強いと、相手へのシビアさが雰囲気として現れてしまい、察しのいい人やコミュニケーション力の高い人ほど「あまり心を開きたくないのかな」と早々に離れていってしまいます。

一方、母集団形成をしてから絞るという「ピラミッド型」は、企業の人材採用でも一般的なスタイル。書類選考→一次面接→二次面接→最終面接とゆっくり絞っていきます。

書類選考でほとんど落として、ピンときた人材だけいきなり最終面接をするよりも、「ピラミッド型」を採用したほうが「良い人材=自社に合う人材」を採用できる確率は格段にアップしますよね。

これと同じで、恋愛も「ピラミッド型」のほうが、相手の人柄がわかるだけでなく、お互いのミスマッチも減らせる点で理に適っているのです。

ときめきに偏りすぎない、出会いの裾野を広げる姿勢を持つことが結婚への近道です。

女性は「外見」を、男性は「内面」を見る

さらに同調査では、「現在の結婚相手にときめいた理由」と結婚生活の満足度を見ると男女の傾向の違いが浮き彫りに。

女性で「外見がタイプだった」と回答した人は結婚満足度が65.0%と高水準。よく見聞きする「顔は3日で飽きる」説を完全否定する結果になりました。

【図表3】結婚生活の満足度(女性)
出典=ハイスペ総研「【調査リリース】大人婚活と“ときめき”の関係」
【図表4】「相手の外見」を重視した女性の結婚満足度
出典=ハイスペ総研「【調査リリース】大人婚活と“ときめき”の関係」

その反面、男性は「価値観が合った」「会話が楽しい」など内面に惹かれたと答えた人の方が、結婚生活への満足度が高い傾向にあることが分かりました。

一方、フリーコメントでは、男女それぞれから「あまり内面を見なかったから後が大変だった」「性格をあまり分からない状態で結婚したため、出産後全く育児に参加しない、子供に厳しすぎるなど後悔した」など、内面を見なかったために「思っていた結婚生活と違った……」と嘆く回答も多く見られました。結婚後も幸せを感じるには、外見だけでなく内面も重視することがキーになりそうです。

また、「出会ったときに熱烈なアプローチをされてときめいたけれど、結婚したら何もしてくれなくて後悔している」という女性のコメントもあり、出会いの段階での男性の熱量だけで結婚生活の満足度は測れないとも言えます。

「外見の良さ」をどこで感じるのか

女性が感じる「外見のよさ」は、単純な顔の造形だけでなく、ファッションや健康的なスタイル維持、清潔感など、トータルでの身だしなみを指すことが多いです。

見た目にも気遣うバランス感覚を持つ男性は、相手の立場や視点に立つことができるタイプとも言えるため、結婚生活の満足度につながっていることが考えられます。

一方、外見が非常にタイプな女性と結婚したけれど離婚した、という男性からよく聞くのは「家に帰るのが苦痛になってしまった」「一緒にいて安らげない」という声。

一緒にいるときにリラックスして過ごせるか、落ち着いてコミュニケーションが取れるかという、自宅で長い時間を過ごすことを想定してのパートナー選びこそが、男性にとっての重要ポイントです。

例えば、交際中に旅行に出かけてみるなど、連続した時間を過ごすことで本当の相性が見えてきます。

ときめきと結婚後の幸せの深い関係

この調査では、結婚当初に感じたときめきがどれくらい続いたか、も調査・分析しました。その結果、「3年以上続いた」夫婦は結婚満足度が平均4.16(5段階評価)と非常に高く、「半年〜1年未満」で終わった夫婦(3.33)、「1ヶ月未満」で終わった夫婦(3.00)を大きく上回りました。

【図表5】ときめきの持続時間と結婚生活の満足度
出典=ハイスペ総研「【調査リリース】大人婚活と“ときめき”の関係」

さらに、現在もときめきが続いている夫婦の平均満足度は3.87で、続いていない夫婦(2.96)の1.3倍に。

フリーコメントを見ていくと、長続きする“ときめき”には共通点がありました。

「価値観が合い、自然体でいられる」
「何気ない会話が心地よい」
「相手の優しさに触れるたびに、ときめきが増していく」

など、ときめきを感じるポイントが「内面」「コミュニケーション」「心地よさ」に集約されていることがわかります。

これは、出会った瞬間的に燃え上がる“ガスバーナー型”のときめきではなく、じわじわと温かく続く“たき火型”のときめきと表現できます。

結婚生活には互いに薪をくべながら育てていくような、後者が不可欠だと言えそうです。

特に婚活市場では、第一印象でアリ・ナシを即断する方も少なくないですが、結婚生活の満足度を高めたいなら、“たき火型”のときめきに注目することが大切です。

“たき火型”のときめきを感じた事例

実際に弊社の婚活スクールを卒業した女性が結婚の決め手にした“たき火型”のときめき事例を紹介すると…

・街で出会った子供への接し方が優しかった
・玄関でさりげなく靴べらを手渡してくれた
・必ず駅まで送ってくれ、姿が見えなくなるまで見送ってくれた
・困っている人に手を差し伸べる姿をたびたび見た
・風邪をひいたときにすぐに差し入れを持ってきてくれた
・複雑な家庭環境について勇気を出して話したら「これからは守るから」と言ってくれた
・ちょっとした話をよく覚えていてくれていた

など、日常のさりげない瞬間やコミュニケーションを通じて男性の人間性のあたたかさを感じたという内容が並びます。

“たき火型”のときめきを感じるためには、実は受け取り手の考え方も大切です。「幸せ=人間関係と感情のことである」という認識を持つのです。たったこれだけでも、自身にとっての幸せな結婚生活とは何か?が見えてきます。

パートナーとどんな人間関係を築き、日々の中でどんな感情を感じて生きていきたいのかを考え、明確にすることによって、ときめきを感じるポイント自体をアップデートすることができます。

夜の砂浜でのキャンプファイヤー
※写真はイメージです
「どこ」を見て交際や結婚を決めればいいのか

“たき火型”の幸せな結婚を叶えるために見るべきポイントは、この3つだと考えています。

・思いやり
・話し合えるかどうか
・相性がいいかどうか

何十年もパートナーとして過ごすと、お互いにいいときもつらいときもやってきます。そんな時に思いやりのある相手だと、お互いの味方になり支え合って進んでいくことができます。

また、違う人間だからこそ考え方が合わないことも出てきます。「意見の違い=関係への亀裂」にならないためにも、話し合って歩み寄ることができる相手は、かけがえのないパートナーになりやすいと言えます。

こうしたポイントは第一印象だけでは分かりません。よって、可能性が少しでもあるなら3回はデートしてみましょう。婚活においては「お相手のことを知るために付き合ってみる」が鉄則です。

実際に、婚活スクールでも「条件も何もかも完璧だと思ったのに、付き合ってみたら合わなかった……」という声もよくありました。

例えば、仕事に打ち込みたい女性であれば、自分と同等以上に仕事に打ち込む男性に惹かれやすいのですが、実は基本的な生活能力がありサポーティブな性格の男性の方がマッチするケースも。

美しいと感じる洋服が必ずしも自分に似合う洋服とは限らないように、理想よりも「フィットするか」が大切です。

「婚活」に対する姿勢

また、婚活自体の考え方を見直すことも重要です。

「いい人と出会いさえすればうまくいく」と考えていると、婚活が場当たり的な「当たりを引くガチャ」になってしまいます。

結婚生活は「一緒に当たりに育てていく共同プロジェクト」なので、一緒に楽しくがんばっていけそうか?という視点と、自分自身も思いやりとコミュニケーションを大切に。

婚活を成功させるには、「ときめく相手」を探すのではなく、「ときめきを一緒に育てられる相手」を見つけること。

“ドキドキ”よりも“ぬくもり”を信じる婚活が、幸せな結婚生活を叶えてくれます。

手をつないでいる結婚式のカップル
※写真はイメージです

吉沢 詩乃(よしざわ・しの)
ハイスペ男子総合研究所 所長/はんなり代表取締役
東京外国語大学卒業後、リクルートに入社。結婚情報誌『ゼクシィ』や子育て・人材領域のメディアで法人営業を担当し、複数部門でMVPを受賞。2017年に独立し、恋愛・婚活支援に特化した「ハイスペ男子総合研究所」を設立。男女の思考・心理・関係性に関する独自の調査と研究を基に、婚活に必要な〈マインド・ビジュアル・コミュニケーション〉の三位一体型プログラムを開発。主宰する恋愛婚活スクール「総研アカデミー」は累計950名以上の受講生を輩出し、幅広い年代の女性が結婚・良縁を実現。20代から50代の女性まで、年齢や環境を問わず“その人らしい幸せなパートナーシップ”を叶える支援を行っている。書籍『恋愛無双になる方法』『なぜ、彼女ばかりがハイスペ男子に選ばれるのか?』(ともに大和出版)は、書店やAmazonランキングで多数部門1位を獲得。メディア出演・連載・講演多数。

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