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こども園って本当に幼稚園と保育園のいいとこどりなの!?認定こども園の意外な落とし穴って?

  • 2025.11.4

こんにちは、保育士のはるです。皆さんは「認定こども園」にどんなイメージをお持ちですか?・保育園みたいに預かってくれるけど、幼稚園のようにお勉強もしてくれる・保育園と幼稚園のいいとこを掛け合わせた施設なんていうイメージがあったりしますが、実際の認定こども園ってどうなのか……働いている保育士の友人や、実際に利用しているフォロワーさんに話を伺うと、保育園とも幼稚園とも違うからこそ見えてくる認定こども園の良さや気になるところ、子どもへの対応の違いなどが見えてきました。今回は認定こども園について保育士の視点から紹介していきたいと思います!

そもそも「認定こども園」ってどんな施設?

認定こども園は、2006年にスタートした制度で、以下のような特徴を持った施設です。「幼稚園的な教育」+「保育園的な預かり」=認定こども園「教育」と「保育」の両方を一つの施設で行うことができる場所。親の就労の有無にかかわらず、同じ園に子どもを通わせることができるのが大きな特徴です。

認定こども園には、実は4つのタイプがある

「認定こども園」と一口に言っても、実は成り立ちや運営の方法によって4つのタイプに分かれています。施設の名称は同じでも、中身は少しずつ異なるので、知っておくと園選びの参考になりますよ。① 幼保連携型こども園最初から「幼稚園」と「保育園」の両方の機能を合わせ持つことを前提に設立されたこども園です。教育時間もしっかり設けられていますが、保育としての柔軟な預かり時間にも対応しています。認定こども園の中でもスタンダードな形と言えるでしょう。② 幼稚園型こども園もともと幼稚園だった施設が、保育機能を加えて認定こども園になったパターンです。教育活動を中心に据えていて、行事などは幼稚園時代の内容を踏襲されたところが多く、平日に行事が入ってくるということも。教育重視の家庭には好まれる一方で、「保育園的な手厚い生活支援」を期待しているとギャップを感じることもあります。③ 保育所型こども園保育園として運営されていた施設が「教育機能も加えてこども園になった」ケースです。保育園としての性格が強く、長時間の預かりや生活支援体制がしっかりしています。そこに幼児教育的な活動(絵本・製作・話し合い活動など)を段階的に取り入れているのが特徴。共働き家庭にとって利用しやすい一方で、「就学に向けたしっかりした学習準備」を期待していると、少し物足りなさを感じることもあるかもしれません。④ 地方裁量型こども園地域の実情やニーズに合わせて設置されている柔軟なこども園の形です。過疎地域などで「幼稚園も保育園も単独で維持できない」という事情から、両者を統合して地域の子どもをすべて受け入れる場として誕生するケースが多く、制度的には他の3タイプと異なりますが、基本的な目的は同じです。自治体によって運営方法が大きく異なる場合もあるので、見学や説明会でしっかり確認したいところ。4つのタイプはありますが、・どんな雰囲気で保育・教育が行われているか・保護者との連携はどんなふうにされているか・子どもがその園で伸び伸び過ごせそうかといった実際の中身を見ることがとても大切です。

認定こども園は倍率が高いって本当!?

認定こども園の中でも特に幼稚園型の子ども園は既存の幼稚園の施設に0~2歳児の預かるスペースを増築したというところが多いです。そのため、3歳児以上の定員数と0~2歳の定員数は大きく違って少ないという園も。中には1・2歳児クラスの預かりは数名程度といった認定こども園も存在します。保育園・こども園ともに、低年齢児は保育士配置の基準が厳しく、ある程度の保育士の確保が必要に。そのため定員数も少ない傾向があります。また、育休明けの0・1歳児、特に1歳児からの入所を希望する家庭も多く、どうしても0~2歳児クラスは激戦に。とはいえ逆に3歳児以降は1号認定を含め定員数を増やしているところが多く、乳児の間は小規模保育園などに預けて、3歳児以降に加点を付けて認定こども園への入園を狙うという方法もあります。認定こども園の中には小規模保育園(0~2歳児のみの保育園)からの優先入園枠を設けているところもあるので、あわせて調べておくと良いですね。

認定こども園を利用できる家庭って?

認定こども園では子どもの年齢、利用する目的によって1号認定、2号認定(新2号認定)、3号認定といった認定区分が分けられています。1号認定:幼稚園的な利用(教育標準時間)対象となるのは3歳以上の子どもで、保育の必要性がないと判断された家庭です。利用時間:おおよそ 1日4時間〜5時間程度(園によって異なる)特徴:幼稚園と同じように「教育」中心の活動預かり保育(延長保育)を別料金で利用できる園もある認定こども園の場合、園に直接申し込む形になります(自治体によっては自治体に申し込む場合も)。また、新2号認定と呼ばれる「1号認定」を受けている子どもが、預かり保育の無償化(日額上限450円、月額上限11,300円など)を受けるために追加で申請する認定区分も存在します。2号認定:保育園的な利用(保育標準時間または短時間)対象となるのは3歳以上の子どもで、保護者が共働き・就労中・介護中など、「保育が必要」と認定された家庭です。利用時間:標準時間認定→最大 11時間/日(一般的には7:30~18:30)短時間認定→最大 8時間/日(例:8:30〜16:30)※利用時間の長さは就労時間などによって自治体が決定します。3号認定:0~2歳児で保育が必要な家庭0歳〜2歳の子どもで、家庭での保育が難しいと認定された場合に与えられる認定です。2号認定と似ていますが、対象年齢が異なります。利用時間:基本的には2号認定と同様で、標準時間 or 短時間の区分があります。保育園は2・3号認定しかおらず、幼稚園には1号認定(新2号認定)の家庭しか入園していませんが、認定こども園は1~3号認定まで入所しているというのが大きな違いでもあります。

認定こども園の意外な落とし穴とは?

幼稚園のような教育設けられて、保育園のように長時間預かってくれる……認定こども園は一見すると良いところばかりと思われるかもしれませんが、実際に利用しているフォロワーさんの中には認定こども園だからこそ生じた問題点というのもチラホラ。全ての認定こども園が添うというわけではありませんが、園選びの一つの基準として考えてみるきっかけにしても良いかと思います。

平日行事、臨時休園、長期休みの弊害

特に幼稚園型の認定こども園に多いのが、平日の行事や臨時休園、長期休みの対応問題。幼稚園の区分である1号認定のお子さんは、夏休みや春休みといった長期休みがあり、その間は基本的に預かりはありません。預かってもらう場合は預かり保育をお願いするという形になります。2・3号認定のお子さんは長期休みというものはありませんが、1号認定のお子さんが休みだから「こども園の雰囲気は長期休み」というところも。そのため普段の平日とはちがい、1号認定の長期休暇の間は担任が不在になったり、保育内容がずっと自由遊びだけだったという園もみられました。長期休みの間は今まで毎日更新されていた園の様子がストップされたり、8月中は写真販売が無かったりと、普段の保育活動を知っているとちょっと物足りないと感じるフォロワーさんもいました。保育園であればお盆に関わらず毎日園は開園しているので、夏も水遊びやプール、感触遊びといった保育活動を展開していますが、「預かり保育」の認識で1日自由遊びになると物足りなく感じてしまうかも。また、幼稚園の名残か平日に行事があったり、土曜行事の明けの月曜日は休園だったり。何かと働くママ・パパには厳しい場面も見られるようです。

お昼寝がないのは助かるけれど……

認定こども園の多くでは1号認定の家庭のお子さんが帰った14時以降、2・3号認定のお子さんはお預かりという形で残りの時間を過ごすことが多いです。そのため幼児クラス(3歳児以上)になるとお昼寝の時間がなく、教育時間である14時が終わったらそのままお預かりでおやつを食べて自由遊びという園も少なくありません。保育園でお昼寝をして夜寝られなくなる……というお子さんもSNSでよく聞かれますが、子どもによってはその逆のことも。「園でお昼寝が無いから、夕飯前に寝落ちてしまう……午後体力が持たなくて困る」といった声もフォロワーさんから聞かれました。特に年少の間はお昼寝がないと午後の体力が持たず、帰りの車で爆睡していたというお子さんはよくいます。お昼寝がないからこども園にしたという声がある一方、子どもによっては体力が続かない可能性もあるので、預かりの流れについても確認しておきたいところですね。

お友だちは「早く帰る」から……

1号認定と2号認定がクラスに混在しているからこそ「1号のお友だちは毎日早く帰るのにウチは毎日お迎えが遅い!早くお迎えに来てほしい!」と子どもに言われるようになった……という声も聞きます。実際に働いている友人からも「早く帰りたいって預かりの時間に言う子が多い」と聞くくらい、この悩みは尽きないようです。保育園であれば短時間保育のお子さんでも16時頃まで園に残っていますが、1号認定の場合14時、早ければお昼を食べたら帰るなんていう日もあるでしょう。それが仲良しのお友だちであればなおさら。もっと遊びたいけどいつも早帰りでつまらない!と感じるお子さんの気持ちもわかります。また、認定こども園に通うご家庭では比較的早いお迎えが多く、17時台には残る子はわずかになってしまうという声もありました。こればかりは園にもよるため、2・3号認定の子どもが何時くらいまで残っているかは事前に確認しておくと安心できるかと思います。

保育園と認定こども園、両方で働いて感じるメリット

私自身は今まで認可保育園でしか働いたことがないのですが、認定こども園で働いている友人が多々います。中には保育園じゃなくて認定こども園で働いてみたかったという友人も。働いてみて感じる認定こども園のメリットとは何かを聞いてみました。

施設の規模は保育園と違う

保育園によって園庭がなかったり、ホールがないというところもありますが、認定こども園は設置基準の中に園庭が原則として園舎と同じ敷地内か隣接している必要があると定められていたり、学級数に応じた遊戯室の設置、2階建て以下にするなどの一定の基準があります。保育園はビルの中にある……というところも首都圏に多いですが、認定こども園の場合はその可能性は低くなります。

多職種連携や研修の機会が多い

認定こども園では、保育士だけでなく幼稚園教諭、栄養士や看護師、中には心理士などが在籍していることがあります。・子どもを「多面的に支える」視点や環境が得られる・ケース会議や研修での学びが深まる・異なる職種からの意見を取り入れる力がつくなど、チーム保育の充実を感じることが多いのも特徴です。

行事の規模が違う

園によって規模の差異はあるものの、幼稚園型の認定こども園は子どもの人数が多いところがほとんど。運動会の鼓笛隊やパラバルーンといった種目は大人数だからこそできる側面もあります。また、作品展や音楽会など、保育園ではあまり行われないような行事が多いというのも幼稚園型の認定こども園の特徴。小規模の保育園は小規模なりの良さがありますが、規模が大きいからこそ得られるメリットもたくさんあります。認定こども園は一見すると魅力的に感じる制度かもしれません。ですが、すべての家庭、すべての子にとって「絶対に最適!」というわけではありません。また、保育所保育指針や幼稚園指導要領が変わり、保育園と幼稚園共に子どもの目指す姿は一緒になり、幼稚園だから教育、保育園だから遊びといった言葉は今はほとんど関係なくなってきました。逆に考えなければならないのは各園ごとの良さ。園ごとの方針・雰囲気・保育時間・保護者負担などをしっかり確認したうえで、自分の家庭にあった園を選ぶことが大切です。 この記事がお子さんの園選びの参考になれば幸いです。

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