1. トップ
  2. 「もう一度観たい」「無理なのかな…」35年間“DVD化”されていない幻のアニメ…“切望の声”が相次ぐ伝説作

「もう一度観たい」「無理なのかな…」35年間“DVD化”されていない幻のアニメ…“切望の声”が相次ぐ伝説作

  • 2025.11.29

ドラマや映画の中には、観る者を驚嘆させるほど緻密に作り込まれた作品があります。今回は、そんな中から“幻になってしまったアニメ作品”を5本セレクトしました。本記事ではその第1弾として、アニメ『ピグマリオ』(テレビ東京系列)をご紹介します。TVアニメの放送から35年間、DVD化されずに封印されている作品です。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

undefined
GoogleGeminiにて作成(イメージ)
  • 作品名(放送局):アニメ『ピグマリオ』(テレビ東京系列)
  • 放送期間:1990年11月5日~1991年9月16日
  • 出演者:折笠愛(クルト 役)

物語の舞台は、神と人が共存する神話世界。主人公の少年・クルト(CV:折笠愛)は、8歳の誕生日に妖魔を統べるメデューサ(CV:小宮和枝)の手先から忠誠を誓うように命じられますが、それを拒否します。そして、クルトの母・ガラティアを石に変えたメデューサを倒すために旅立ちました。

クルトとともに旅する仲間は、トカゲ族の子ども・レオン(CV:松本梨香)、ガラティアの妹・精霊オリエ(CV:島本須美)、人間の少女・水晶の姫オリエ(CV:山野さと子)、一つ目の怪物・ギルガドールです。クルトと仲間たちは、メデューサの手下たちと戦いながら、旅の途中で出会いと別れを繰り返します。そんななか、クルトは己の出生の秘密にかかわる“ピグマリオ”という言葉を耳にするのでした。

ファンタジー世界で描かれるクルトの成長譚

アニメ『ピグマリオ』の魅力は、古典ファンタジーがぎゅっと詰まった世界観にあります。ギリシャ神話の下敷きにした神々や魔物の存在や、呪いに翻弄されるクルトの宿命が重厚さを醸し出しています。また、90年代アニメ特有の落ち着いた色彩によって生み出される雰囲気が、物語のかなしさと希望を際立たせています。

クルトの成長物語も大きな見どころです。呪われた出生ゆえに恐れられ、時に自分の存在意義が揺らいでしまう彼ですが、旅のなかで出会う仲間たちが支えてくれます。仲間がクルトの弱さを受け止め、同時に強さを引き出していく様子は、胸に染みるものがあります。

さらに、戦闘シーンの演出もポイントです。派手なエフェクトこそ少ないものの、キャラクターの心情や関係性をていねいに積み重ねたうえでのバトルは、一つひとつに重みがあります。クルトが自分の恐れに向き合いながら放つ覚醒の瞬間には、胸を熱くする不思議な魅力があるのです。

“35年間”DVD化なし……封印された『ピグマリオ』

当時『ピグマリオ』の原作は完結していましたが、TVアニメでは原作の最後まで描かれませんでした。そのため、ファンからはリメイクを待ち望む声もあがっています。また、本作はDVD化もされていません。SNSでは「伝説の封印作品」との声があがりました。

アニメ『ピグマリオ』は、『スケバン刑事』『超少女明日香』『怪盗アマリリス』などの漫画作品で知られている漫画家、故・和田慎二先生による作品です。とくに『スケバン刑事』は、TVドラマ化や映画化もされており、高い人気を得ました。2011年に亡くなり、『傀儡子リン』が遺作となっています。

1990年にTVアニメが放送を開始してから35年間、DVD化されずに封印されているアニメ『ピグマリオ』。SNSでは「もう一度観たい」「無理なのかな…」など切望の声が見られます。本作を包み込んでいるのは、母の愛と仲間の絆です。王道かつ普遍的なテーマが、アニメ『ピグマリオ』が時代を越えて人々の心に残り続ける理由なのではないでしょうか。


ライター:まわる まがり
主にアニメについての記事を書くライター。コラムやレビュー、映画の作品評を手がける。X(旧Twitter):@kaku_magari