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「生々しい…」「とにかくキツい」“心を深くえぐる脚本”に騒然…「観るのに覚悟がいる」人気女優が魅せた傑作ドラマ

  • 2025.12.3

日常を忘れ、物語の世界に深く没入するひととき。今回は、緻密な脚本と静かな衝撃で、観る者の心を掴んで離さない、衝撃の傑作品を5選セレクトしました。本記事では、第1弾として運命に翻弄されながらも懸命に生き抜こうとする人々の姿を描いたドラマ『そして、生きる』をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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第47回ベストドレッサー賞発表・授賞式 芸能部門を受賞した有村架純(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『そして、生きる』(WOWOW)
  • 放送期間:2019年8月4日〜9月8日
  • 出演者:有村架純、坂口健太郎 ほか

生田瞳子(有村架純)は、3歳の時に交通事故で両親を亡くし、盛岡で理髪店を営む伯父・和孝に引き取られて育ちます。天真爛漫に成長した瞳子は、地元でアイドル活動を経験しながら、やがて女優を志すようになります。19歳になった瞳子は、東京で開催されるオーディションに挑戦する決意を固めますが、本番前日の2011年3月11日、東日本大震災が発生します。

その年の秋、瞳子はカフェで働く韓国人の友人ハン(知英)とともに、気仙沼でのボランティア活動に参加します。そこで出会ったのが、東京の大学生で学生ボランティア団体を運営する清水清隆(坂口健太郎)です。穏やかに現場を取り仕切る清隆の姿に瞳子は惹かれますが、彼の微笑みにどこか影を感じ取ります。清隆自身もまた震災を境に過酷な運命を背負っていたのです。

気仙沼での日々を共に過ごすうちに、瞳子と清隆は互いに特別な感情を抱くようになります。しかし、二人の歩む道は決して平坦ではなく、喪失と再生の狭間で揺れ動く心が描かれていきます。本作は東北と東京を舞台に、運命に翻弄されながらも「生きる」ことの意味を問い続ける二人の物語を丁寧に紡ぎ出しています。

有村架純×坂口健太郎が挑む、生々しい脚本のリアリティと心の軌跡

ドラマ『そして、生きる』は、運命に翻弄されながらも懸命に生き抜こうとする人々の姿を描いた作品です。

本作の最大の見どころは、脚本の生々しさにあります。東日本大震災を背景に描かれる物語は、単なるフィクションではなく、現実に起きた喪失や再生の記憶を呼び起こすものです。脚本家・岡田惠和さんは、登場人物の心情を過剰に美化せず、SNSで「生々しい…」「とにかくキツい」といった声が見受けられるほど、震災後の東北で人々が直面した「生きることの痛み」をそのまま描き出しています。

有村架純さんが演じる瞳子は、両親を失った孤独を抱えながらも田舎から上京し女優を目指す女性です。それらは有村さん自身の歩みとも響き合い、脚本の生々しさを一層際立たせました。また、坂口健太郎さんの演じる清隆の微笑みに潜む影や、ボランティア現場の緊張感は、震災を経験した人々の心の奥底を思わせ、観る者に強い共感を呼び起こします。

このドラマは、恋愛や夢の物語にとどまらず、「生きるとは何か」を観る者に問いかける作品です。脚本の生々しさが、登場人物の言葉や沈黙に宿り、観る者の心を震わせる――そこに本作の真の見どころがあるのではないでしょうか。

“もっと早く出会いたかった”――心を揺さぶる名作

ドラマ『そして、生きる』は震災を背景に、人間の心の動きを描いた本作は恋愛ドラマの枠を超え「生きることの意味」を問いかける深い人間ドラマとして称賛を集めました。ドラマを視聴した人々からは「泣きすぎて目が開かない」「観るのに覚悟がいる」といった声が多く寄せられています。また、作品を途中から観始めた視聴者の中には「何でもっと早く観なかったんだろう」と後悔しつつ、残り2話の展開に「胸がザワザワする」と期待と不安を抱える方も…。涙と余韻に包まれるSNSの感想は、作品の圧倒的な力を物語っています。

放送終了後、2019年9月27日からはドラマ版を再編集し未公開シーンを追加した『劇場版 そして、生きる』が公開されています。本記事を読んで本作が気になった、という方は、まずは2時間でまとめられている映画から視聴してみるのも良いかもしれません。ぜひチェックしてみてくださいね。


※記事は執筆時点の情報です