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「仕方ないけどショック…」“3度の公開延期”に悲痛の声も…だけど「やっと観れる」「遂に」“約2年の歳月を経て”公開された名映画

  • 2025.11.12

時代を超えて愛される作品には、観る者の心に深く刻まれる何かがある。そんな「今も語られる名作」を厳選しました。 本記事では、2022年公開の映画『峠 最後のサムライ』(松竹/アスミック・エース)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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映画『ファーストキス』初日舞台挨拶に訪れた松たか子(C)SANKEI
  • 作品名(配給):映画『 峠 最後のサムライ』(松竹・アスミック・エース)
  • 公開日 2022年6月17日 

慶応3年(1867年)、260年余りに及んだ徳川幕府が終焉を迎え、日本は激動の時代へと突入する。戊辰戦争が勃発し、諸藩は東軍と西軍に二分されていく中、越後長岡藩の家老・河井継之助(役所広司)は、民の暮らしを守るため、どちらにも属さない武装中立を目指した。戦うことが当たり前となっていた幕末の動乱期において、継之助は戦争を避け、和平を願って西軍との談判に臨む。しかし、その願いは叶わず談判は決裂。徳川譜代の大名として義を貫くため、継之助は苦渋の決断を下す。敵軍5万に対し、小数人数で挑んだ、知られざる最後のサムライの物語が幕を開けた。

3度の延期を経て公開へ

コロナ禍の影響を乗り越え、待望の公開を果たした本作。当初2020年9月25日の公開を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、計3回もの延期を繰り返しました。その後、2022年6月17日、2年近くの延期期間を経て満を持して全国公開となり、大きな話題を呼びました。

公開延期の知らせが伝えられた当時、SNS上では「楽しみにしてたのに」「仕方ないけどショック…」といった声が見られ、待ちわびたファンの期待の高さがうかがえます。しかし、長い延期期間を経てついに実現した公開は、その分だけ観客の期待を高める結果となり、「やっと観れる」「遂に」と歓喜の声が溢れていました。

司馬遼太郎の名著『峠』は、累計発行部数386万部を超える大ベストセラー。幕末の風雲児と呼ばれた河井継之助を描いたこの作品が、初めて映像化されるということで、原作ファンからも大きな注目を集めました。巨匠・黒澤明監督のもとで長年教えを受けてきた小泉堯史監督が、脚本・監督を担当。黒澤組のスタッフとともに作り上げた本格的な時代劇は、延期を経てもなお色褪せない価値を持つ作品として完成となったのです。

松たか子が魅せた快演

継之助を支え続ける妻・おすがを演じた松たか子さんの演技も、本作の大きな見どころの一つだ。凛とした佇まいと卓越した演技力で、明るく気丈な武士の妻を表現しています。

映画評論家や観客からは、松たか子さんの所作の美しさに対する称賛の声が多く寄せられました。「所作が綺麗で印象的」「表情の演技に目を見張った」といった評価が相次ぎ、時代劇においても輝きを放つ彼女の演技力が高く評価されている様子が伺えます。

特に注目されたのは、その繊細な演技表現。役所広司さんとの夫婦役で共演した松たか子さんは、言葉少なに夫を見守る妻の心情を、表情や仕草だけで見事に表現しました。激動の時代を生きる武士の妻としての覚悟と、夫への深い愛情を、静かながらも力強く演じきり、その存在感は作品全体に気品をもたらしています。役所広司さんとのコンビネーションも絶妙で、二人の夫婦愛が物語に深みを与えました。

黒澤組スタッフが結集した本格時代劇

本作の最大の特徴は、黒澤明監督作品を支えてきた精鋭スタッフが結集した点にあります。撮影監督の故・上田正治さんは『影武者』以降多くの黒澤明監督作品で撮影監督を務め、小泉堯史監督作品にも全作品で参加しています。美術、衣装、編集など、各分野のプロフェッショナルが集結し、圧倒的な"本物感"を作り出しました。

新潟県長岡市を中心に撮影された本作では、戊辰戦争の中でも最も激しかったとされる北越戦争の大規模な戦闘シーンにも挑戦。継之助が使用したガトリング砲の発射シーンは圧巻で、当時の戦闘の激しさをリアルに再現しました。

役所広司さんは、継之助の人物像を深く理解し、信念を貫く武士の姿を見事に体現。仲代達矢さん、香川京子さんといったベテラン俳優から、若手俳優まで、豪華キャストが織りなす演技合戦も見応え十分です。

語り継がれる名作

コロナ禍による3度の延期を経て、2022年6月17日に満を持して公開された『峠 最後のサムライ』。司馬遼太郎の名著を、黒澤組のスタッフと豪華キャストが映像化した本作は、まさに今も語られるべき名作となりました。

敵軍5万に対し、小数人数で立ち向かった河井継之助の生き様は、信念を貫くことの尊さを現代に伝えています。役所広司さんの熱演、松たか子さんの美しい所作、そして黒澤組スタッフが作り上げた圧倒的な映像美。全てが融合し、時代を超えて愛される作品として完成したのです。

幕末という激動の時代に、民のため、国のために尽くした一人のサムライ。その最後の一年を描いた本作は、観る者の心に深い感動を刻みました。長い延期期間を経て公開された本作だからこそ、その価値はより一層輝きを増しています。


※記事は執筆時点の情報です