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「どうかお願いします」「いつまでも待ってます」放送から3年 “熱望の声”が止まない名ドラマ…「さすがはNHK」と称される作品力

  • 2025.12.8

ドラマの中には、見るたびに心が動かされ、見終わったあとも長く印象に残る作品があります。今回は、そんな中から"感動を呼んだNHKドラマ"を5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、ドラマ『カナカナ』(NHK総合)をご紹介します。人の心が読める少女と、元ヤンキーの青年が紡ぐ、血のつながりを超えた家族の物語とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」セレモニーに出席した眞栄田郷敦(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『カナカナ』(NHK総合)
  • 放送期間:2022年5月16日 - 2022年6月30日
  • 出演:眞栄田 郷敦 (日暮正直 役)

元ヤンの青年・マサ(眞栄田郷敦)は、5歳の女の子・佳奈花(加藤柚凪)を助けたことをきっかけに、なぜか誘拐犯として追われることになります。実は佳奈花には、人の心を読むという不思議な能力があり、その力を狙う者たちに追われていたのです。ケンカは誰にも負けないけれど天然なマサと、少しおませな佳奈花が繰り広げる、育てたり育てられたりのハートフルコメディーです。

『今日から俺は!!』の原作者が描く、ハートフルコメディ

ドラマ『カナカナ』は、『今日から俺は!!』などで知られる西森博之さんの同名漫画を原作にしたテレビドラマです。原作の温かい世界観を生かしつつ、映像ならではの魅力で丁寧に描かれています。

脚本は荒井修子さんと木滝りまさん、演出は河原瑶さんと守下敏行さん、室井岳人さんが担当しました。主題歌はPEOPLE 1の『YOUNG TOWN』、挿入歌も同じくPEOPLE 1による『紫陽花』が起用されています。

このドラマは、NHK総合の「夜ドラ」枠で、月曜から木曜の22:45〜23:00に放送されました。放送時間の短さを活かしたテンポの良い構成と、視聴者の心に響くストーリーが特徴です。

主演は眞栄田郷敦さんで、元ヤンキーの青年・日暮正直を熱演しました。強面ながらも天然で優しいキャラクターを自然体で演じ、その姿が高く評価されています。「このドラマで好感度が上がった」「コメディの演技が上手」「毎回癒された」といった声のほか、「強面なのに優しくてカッコいい」「少女を見守る目がすごく優しかった」といった感想も多く寄せられています。

マサが出会う5歳の少女・佳奈花を演じたのは加藤柚凪さんです。人の心が読めるという特別な力を持つ難しい役柄でしたが、年齢を感じさせない繊細な表現力で魅せ、視聴者を物語に深く引き込みました。

さらに、マサの親友・勇介を演じた前田旺志郎さん、叔父・沢田を演じた武田真治さんなど、個性豊かなキャスト陣も物語を支えています。武田さんの演じる沢田は、まるでアニメキャラのような存在感で、作品にスリルとユーモアを与えました。

このように、実力派の制作陣と、役にぴったりのキャストがそろったことで、ドラマ『カナカナ』は原作の温かさと魅力をそのままに、多くの視聴者の共感を集める作品となりました。

"全肯定"の優しさが紡ぐ、血縁を超えた家族の物語

本作の見どころは、眞栄田郷敦さんが演じる元ヤン青年・マサと、人の心を読む少女・佳奈花が築く、“育て、育てられ”な関係にあります。強面ながらも人一倍優しいマサと、孤独を抱えていた少女の心が少しずつ寄り添っていく姿は、世代を超えて多くの人に愛された理由のひとつといえるでしょう。

居酒屋「パイセン」を舞台にした日常には笑いがあふれ、“誘拐犯”と誤解されるハラハラした展開も見どころです。そうした演出に対しては、「合わなかった」といった声もありましたが、一方で「コミカルとシリアスのバランスが絶妙」との感想も多く寄せられました。丁寧に練られた脚本と、人間味あふれる描写が高く評価された作品です。

本作で描かれるのは、「癒し」と「受容」――。人の心が読めるゆえに傷つき、他人を信じられずに生きてきた佳奈花が、マサの“全肯定”の優しさに触れることで、自分を受け入れることを学び、他人を信じる力を少しずつ育んでいきます。

SNSでは「本当の親子以上に愛を感じた」という声も多く寄せられ、家族のかたちについて改めて考えさせられる物語となっています。そんな普遍的で温かなテーマがあるからこそ、「老若男女に刺さるドラマ」との感想が集まったのでしょう。

さらに視聴者からは、「癒された」「笑って泣ける」といった感想も数多く寄せられています。日常のささやかな出来事を通して、“人を信じること”や“寄り添う勇気”を描いた本作は、疲れた心をそっと包み込むような優しさに満ちた作品です。

マサと佳奈花の絆、そして登場人物たちの成長を通して描かれる“誰かを信じる力”。それは、現代社会における希望の物語でもあります。SNSでは「史上最高のドラマ」「さすがはNHK」と絶賛の声も上がり、多くの人の心を癒しました。「どうかお願いします」「いつまでも待ってます」など、続編を強く望む声まで見受けられ、まさに、“感動を呼んだNHKドラマ”と呼ぶにふさわしい名作です。


※記事は執筆時点の情報です