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「不倫なのに純愛かよ…」「頭と心がぐちゃぐちゃ」“生々しい不倫描写”に騒然…朝ドラ俳優が“比類なき快演”で魅せた名ドラマ

  • 2025.12.8

不倫という禁断のテーマを扱いながらも、純愛としての側面を持つ作品は、視聴者の心を複雑に揺さぶります。単純に善悪で割り切れない人間の感情や、年齢差を超えた恋愛の儚さと美しさが描かれると、私たちは登場人物に深く共感せずにはいられません。今回は、そんな「不倫描写が話題になった名作」をセレクト。本記事では、第4弾として2022年放送のドラマ『シジュウカラ』(テレビ東京系)をご紹介します。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です。
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます。

あらすじ

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「LINE NEWS AWARDS 2022」でNEXT NEWS賞を受賞した板垣李光人(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『シジュウカラ』(テレビ東京系)
  • 放送期間:2022年1月7日~3月25日
  • 出演者:山口紗弥加、板垣李光人、宮崎吐夢、池内博之、酒井若菜 ほか

40歳の売れない漫画家・綿貫忍(山口紗弥加)は、夫・洋平(宮崎吐夢)への嫌悪感を抱えながら、息子のために我慢の日々を送っていました。そんな忍の前に現れた、22歳の美しいアシスタント・橘千秋(板垣李光人)。忍は千秋の母・冬子(酒井若菜)が、自分の夫の不倫相手であることを知りますが、やがて千秋に惹かれていきます。18歳もの年齢差がある二人は、不倫関係でありながら、純粋な愛情で結ばれていくのです。

しかし、千秋には隠された目的がありました。母親の不倫相手の妻である忍の家庭を壊すため、彼女に近づいたのです。復讐のはずが、いつしか本当の恋へと変わっていく千秋。忍もまた、人生のセカンドチャンスとして千秋との関係に希望を見出していきます。40歳という人生の節目で、キャリアと恋の両方に向き合うことになった忍の姿を通して、偏見と固定概念を越えた新たな年の差ラブストーリーが展開されます。

"不倫なのに純愛"という矛盾に視聴者も困惑

本作は、坂井恵理さんによる原作漫画の実写化作品です。漫画『シジュウカラ』は、現在もJOUR(双葉社)で大好評連載中の作品で、映画『勝手にふるえてろ』で監督を務めた大九明子監督のもと実写ドラマ化されました。大九監督は原作者である坂井恵理さんの希望だったそうで、実現したことで大変驚かれたのだとか。

本作最大の特徴は、「不倫」でありながら「純愛」という相反する要素が同居している点です。通常、不倫ドラマといえば、背徳感やドロドロとした愛憎劇が中心となりますが、『シジュウカラ』は違いました。主人公・忍と千秋の関係は、確かに社会的には許されない不倫ですが、二人の間に流れる感情は驚くほど純粋で、どこか切なさを帯びていたのです。

SNSでは、この矛盾した感情に視聴者が翻弄される様子が多く見られました。特に第5話では、忍と千秋が海辺で心を通わせるシーンが描かれ、視聴者の心は大きく揺さぶられました。SNSでは「不倫なのに純愛かよ…」「頭と心がぐちゃぐちゃ」と、感情が整理できない様子を吐露しています。不倫という設定に対する罪悪感と、二人の純粋な愛に心を打たれる気持ちが交錯し、「許せないのに、許したい」という葛藤を抱える視聴者が続出したのです。

また、千秋の眼差しに潜む複雑な感情や、復讐心と純愛が入り交じった心理描写が、視聴者に「ただの不倫ドラマではない」という印象を与えたのです。このように、『シジュウカラ』は単純な善悪の枠組みでは語れない人間の感情の奥深さを描き、視聴者の心を大きく揺さぶる作品となりました。

板垣李光人の繊細な演技力が光る千秋役

ドラマ『シジュウカラ』は、40歳の漫画家と22歳の青年という18歳差の恋愛を通して、不倫という社会的にタブーとされるテーマに真正面から向き合った作品でした。単なる不倫ドラマではなく、人生の節目を迎えた女性が、キャリアと恋の両方で「セカンドチャンス」を掴もうとする姿が丁寧に描かれています。山口紗弥加さんの繊細な演技と、板垣李光人さんの複雑な感情を体現した演技が、視聴者の心を強く揺さぶりました。

なかでも18歳差の恋に落ちる青年・橘千秋を演じた板垣李光人さんの演技は、多くの視聴者から絶賛されました。千秋というキャラクターは、当初は母親の不倫相手の妻である忍の家庭を壊すために近づくという、ある意味で加害者的な立場にあります。しかし、物語が進むにつれ、彼自身も傷つき、忍への愛に苦しむ姿が描かれます。板垣さんは、この複雑な心理を持つ千秋を、繊細かつ説得力を持って演じ切りました。

特に注目されたのは、板垣さんの「目の演技」です。暗く鋭い眼差しには、復讐心、孤独、そして純粋な愛情が同時に宿っており、視聴者は彼の表情だけで千秋の心情を読み取ることができました。涙ながらに恨みを語るシーンでは、その暗い眼差しが忍への複雑な感情を物語り、視聴者の心を強く掴みました。また、忍と心を通わせるシーンでは、若さと愛らしさが全面に押し出され、千秋の純粋な一面が浮き彫りになりました。

板垣さんは、NHK大河ドラマ『青天を衝け』で徳川昭武役を演じ、2025年には連続テレビ小説『ばけばけ』で雨清水三之丞役を演じ、朝ドラ初出演を果たしています。大河ドラマや朝ドラといったNHKの看板番組での活躍が、彼の演技力の高さを証明しています。ドラマ『シジュウカラ』では、これまでの作品とはまた違った、ダークで複雑な役柄に挑戦し、その演技の幅広さを見せつけました。視聴者からは「板垣李光人の演技が凄い」「演技が素晴らしい」といった声が多く寄せられ、彼の快演が作品全体の質を高める大きな要因となったのです。

「不倫なのに純愛」という矛盾した設定は、視聴者に「許せないのに、許したい」という葛藤をもたらし、SNSでは多くの感想が飛び交いました。偏見や固定概念を越えて、自分の人生を生き直そうとする登場人物たちの姿は、多くの人々に勇気と共感を与えたのではないでしょうか。他にはない唯一無二の年の差ラブストーリーとして、今もなお多くの人々の記憶に残る作品となっています。


※執筆時点の情報です