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「NHKでまさかの…」「いい意味でNHKらしくない」と称される理由とは?「語り継がれるべき名作」絶賛止まない至高ドラマ

  • 2025.12.4

ドラマの中には、見るたびに心が動かされ、見終わったあとも長く印象に残る作品があります。今回は、そんな中から"感動を呼んだNHKドラマ"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、ドラマ『運命に、似た恋』(NHK総合)をご紹介します。離婚を経験し、息子を育てながら懸命に働くクリーニング配達員の女性が、配達先で偶然出会った若手の有名デザイナー…。立場も生きる世界もまったく違う二人の恋の行方とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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映画の公開記念舞台挨拶 登壇した原田知世(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『運命に、似た恋』(NHK総合)
  • 放送期間:2016年9月23日~11月11日
  • 出演:原田知世 (桜井香澄/カスミ 役) 斎藤工(小沢勇凛/ユーリ 役)

桜井香澄/カスミ(原田知世)は離婚を経験し、高校生の息子と二人暮らし。富裕層向けの配達クリーニング店で働きながら、日々懸命に生計を立てていました。

そんなある日、配達先で若手デザイナーのユーリ(斎藤工)と出会います。カフェの内装から家具、小物に至るまで幅広く手がける彼は、その才能から“若手No.1”と目される存在でした。

最初こそ、馴れ馴れしく話しかけてくるユーリに戸惑いを覚えていたカスミでしたが、彼の誠実な人柄に触れるうちに、少しずつ心を開いていきます。

ただ、ユーリにはどこか謎めいたところがありました。彼にはすでにマホ(山口紗弥加)という女性の存在があり、また、師匠である世界的デザイナーの深見芳孝(奥田瑛二)に対しては、絶対服従の姿勢を崩しません。そんなユーリに戸惑いながらも、彼への想いを募らせていくカスミ――。

やがてカスミは、ユーリこそが自分にとっての“運命の人”だったのではないかと気づきます。それは、彼女が今も心の支えにしている大切な記憶と深く関わるものでした。

それぞれが“何か”を抱えた男女の切実な想いが交差し、やがて本当の“運命”へと向かっていくラブストーリーです――。

北川悦吏子が初めて挑んだ“NHK純愛ドラマ”

ドラマ『運命に、似た恋』は、NHK総合「ドラマ10」枠で2016年9月23日から放送された作品です。脚本を手がけたのは、『ロングバケーション』や『愛していると言ってくれ』など数々の恋愛ドラマを生み出し、「ラブストーリーの神様」と称される北川悦吏子さん。本作は北川さんにとって初のNHKドラマであり、「純愛」「宿命」「救済」をテーマに描かれた恋愛物語です。演出は一木正恵さん、主題歌にはCoccoさんの『樹海の糸』が起用されました。

主人公・桜井香澄(カスミ)役を演じたのは原田知世さん。若手デザイナーの小沢勇凛(ユーリ)役には斎藤工さんが出演しています。そのほか、白井真帆役に山口紗弥加さん、綾瀬莉々役に大後寿々花さん、藤井洋治役に小市慢太郎さん、葵海知役に渋谷謙人さん、桜井つぐみ役に西山潤さん、カメ子役に久保田紗友さん、藤井灯役に草笛光子さん、そして世界的デザイナー・深見芳孝役に奥田瑛二さんと、多彩なキャストがそろいました。

なかでも、主演の原田知世さんには「可愛さ全開」「透明感がすごい」「美しくて素敵」といった声が多く寄せられました。柔らかな笑顔と澄んだ佇まいで香澄の繊細さを表現しています。美しさに加え、過去を抱えながらも前を向いて生きる女性としての芯の強さが、多くの共感を集めました。

本作は、離婚を経験したクリーニング配達員の女性と、若きデザイナーの男性との出会いを軸に展開する純愛ドラマです。登場人物たちがそれぞれの孤独や過去に向き合いながら、人とのつながりを少しずつ取り戻していく姿が、丁寧に描かれています。

キャリア初のNHK作品となった北川さんの脚本とNHKならではの演出が重なり、大人向けの“上質な純愛ドラマ”として高く評価されました。

恋愛の王道にして異色――“NHKでまさかの胸キュン”

本作の見どころは、主演の原田知世さんと斎藤工さんが生み出す“現実と幻想のあわい”にあります。富裕層向けのクリーニング店で働くカスミと、若手デザイナーのユーリという対照的な二人が、偶然の出会いをきっかけに運命的に惹かれ合っていく――この物語を支えているのは、俳優と役柄の深いシンクロです。

カスミを演じる原田知世さんには、母としての現実と少女のような純粋さが同居し、ユーリ役の斎藤工さんからは、完璧さの裏にある不器用さや孤独がにじみ出ています。

俳優自身の持つ雰囲気や佇まいが役柄と重なり、キャラクターの魅力をより一層引き立てました。

また本作は、ありふれた日常とお洒落なセレブの生活を同時に描くことで、現実と夢の境界がゆるやかに溶け合う、ファンタジーのような世界観を作り上げています。カスミの慎ましい暮らしと、華やかな世界に生きるユーリの対比が、その世界観を際立たせています。

SNSでは「ストーリーに現実味がなかった」といった声もありましたが、その一方で「NHKでまさかの…」「いい意味でNHKらしくない」「秀逸なラブストーリー」「斎藤工も原田知世もとてもよかった」と、NHKの胸キュンラブストーリーに称賛する声が相次ぎました。

さらに「こんな恋がしたい」「話題性より質で魅せるNHKドラマの底力」「語り継がれるべき名作」といった感想も寄せられ、年月を経てもなお多くの支持を集めています。

北川悦吏子さんがNHKで初めて手がけたドラマ『運命に、似た恋』は、脚本・演出・キャスト陣のすべてが高い完成度で融合した珠玉のラブストーリー。まさに"感動を呼んだNHKドラマ"と呼ぶにふさわしい名作です。


※記事は執筆時点の情報です