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管理栄養士「新米でも起こり得ます」 『備蓄米』の袋から虫発生…意外と知らない“米袋の落とし穴”

  • 2025.10.31
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

政府が長期備蓄している「政府備蓄米」の購入者から、SNS上で「未開封の袋から虫が発生した」という報告があり、X(旧Twitter)では保管方法の見直しを求める声が上がっています。この問題について、管理栄養士の視点から、虫が発生する原因や家庭での適切な保存方法について詳しく解説します。

備蓄米だから虫が湧く?実は家庭のお米も同じリスク

今回注目を集めている政府備蓄米ですが、実は「備蓄米だから特別に虫がわきやすい」というわけではありません。

お米に発生する虫としてよく知られているのは、コクゾウムシ(穀象虫)やコクガ・メイガなどです。これらの虫は、精米の段階で米粒内部に卵が残っていることがあり、たとえ袋を開封していなくても、温度や湿度など条件が揃えば孵化してしまいます。

つまり、精米後のお米であれば、政府備蓄米でなくとも、スーパーで購入した新米でも同様に起こり得る現象なのです。

政府備蓄米の保管方法

政府備蓄米は、長期保存に強い玄米の状態で保管されています。玄米は外側の糠層が酸化や湿気から米粒を守ってくれるため、白米より劣化しにくく、輸送や倉庫保管にも適しているためです。

湿度と温度が管理された倉庫で保管されていた政府備蓄米において、保存期間の長さが今回報告されている虫の発生の直接の原因とは言いにくいでしょう。古米であっても新米であっても、玄米から精米された後の虫の発生条件は同じなのです。

季節別・お米の常温保存リスクと目安期間

お米の害虫は温度と湿度に大きく左右されます。虫は25〜30℃前後の高温と湿度の高い環境で活発に繁殖するため、夏場は常温保存でも発生リスクが高くなります。

意外と知られていないのが、米袋には実は小さな穴が開いており、密封されているわけではないという点です。未開封だから安心と思って高温の環境に長期保存しておくと、虫が発生することがあります。

夏場(高温多湿期)

  • 未開封:1〜2ヶ月以内(できるだけ冷暗所で保存)
  • 開封後:2〜3週間以内

とくに夏場、常温で長期間保存したお米は虫やカビのリスクが上がります。未開封のままキッチンや床下収納に置いている場合は、要注意です。

秋冬(涼しい時期)

一方、秋冬の涼しい時期や適度に乾燥した室内では、虫の活動は鈍くなるため、リスクは大幅に下がります。

  • 未開封:3〜6ヶ月程度
  • 開封後:1〜2ヶ月

ただし、暖房などで室内が乾燥しすぎると米の水分が失われ、食味が落ちる点には注意が必要です。

これらはあくまで目安であり、保存環境によって変動します。より安全に長く保存する場合は、次に紹介する冷蔵保存がおすすめです。

家庭でできる最適な保存方法

【推奨】冷蔵庫の野菜室で保存

最も安全なのは、冷蔵庫の野菜室で密閉容器に入れて保存する方法です。

保存のポイント

  • 清潔で乾燥したプラスチックやガラスの容器を使用
  • ジッパー付きのバッグに1回〜数回分ずつまとめて保存すると便利
  • 密封容器で保存することで、開封後の米の酸化や虫の侵入を防ぐ

やむを得ず常温保存する場合の最低限のルール

冷蔵庫にスペースがない場合は、以下のルールを守りましょう。

保存場所

  • できるだけ涼しく乾燥した場所
  • 直射日光の当たらない場所

対策グッズ

  • 密閉容器を使用
  • 食品用シリカゲルや炭、珪藻土など米に安全な乾燥剤
  • 唐辛子やわさびなどを使った米専用の防虫剤

長期保存している間は、定期的に米の状態を確認し、必要に応じて乾燥剤や防虫剤を交換すると安心です。

また、米は一度に大量に買いだめするのではなく、家庭ごとに消費できる量を適切なタイミングで購入し、管理することも、虫の発生を防ぎながら米のおいしさを保つうえで大切なポイントです。

お米の保存、今日から見直しを

備蓄米も新米も、精米後の虫発生リスクは同じです。

夏場の常温保存は特にリスクが高く、最適な保存方法は冷蔵庫の野菜室で密閉容器を使用すること。常温保存する場合は涼しく乾燥した場所で防虫剤を活用しましょう。

そして何より、消費できる量を適切なタイミングで購入することが、虫の発生を防ぎながらおいしいお米を楽しむ秘訣です。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。