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「もう私ひとりで…」父の介護と費用負担に限界 遺品整理の現場で語られた“誰も教えてくれない苦悩”に「考えさせられました」

  • 2025.11.26

遺品整理専門会社「メモリーズ」代表の横尾将臣さんが、これまでの経験から感じたさまざまな社会問題について発信するYouTubeチャンネル『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)』。チャンネル登録者数は3.99万人(2025/11/25時点)に上り、高齢者の孤立やゴミ屋敷など、避けては通れない現代の諸問題に注目が集まっています。

今回は、『遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)』の中から、『【遺品整理までの軌跡】日本の老後は甘くない!一番大変だったお金の工面…』という動画を紹介します。

依頼者さんが語ってくれたのは、遺品整理に至るまでの道のりと数々の苦労でした。いったい、どのような出来事があったのでしょうか。

実家のお父さんの遺品整理

今回の依頼は、「実家のお父さんの遺品整理」。

以前は家族4人で暮らしていた実家も、最終的にはお父さんと、介護をしていた依頼者である娘さんとの二人暮らしだったといいます。お父さんが亡くなったことで団地特有の退去期限が迫り、依頼者さんは引っ越すことに。今回は、そのための家の全撤去作業を依頼することになったそうです。

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

依頼者さんは、これから同じように片付けをする人のために、自分が経験した苦労や注意点を伝えたいという思いがあるとのこと。「今日は、ご依頼者さまの気持ちに寄り添って進めたい」と、配信者さんも丁寧に向き合っていました。

作業が始まり…

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

作業が始まったのは午前9時。実家にはまだ多くの荷物が残っていましたが、タンスの中はすでに整理されており、「これは大変だったと思う」と配信者さん。作業の前に依頼者さん自身で片付けを進めていたようです。

タンスの中身があるかないかで、作業の難易度は大きく変わるといいます。今回はタンスの中が空だったことで仕分け作業が不要となり、作業代金の減額につながったそうです。

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

スタッフさんは「まずは単体で運び出せるものから出して、スペースを作っていきたい」と話し、大きなタンスを搬出して作業スペースを確保していきます。また、ファイルの中身を取り出すときは、逆さにして振ると効率よく進むなど、随所に遺品整理のプロならではの技が光ります。

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

するとここで、依頼者さんから“奇妙なお話”が…。配信者さんが「人形が多いですね」と声をかけると、「いっぱいあります」と依頼者さん。さらに「その中でも“いわくつきのもの”が出てきてしまったんです」と続け、スキーヤーの人形の髪の毛が伸びるというエピソードを語り始めました。

「えぇっ!」と驚く配信者さんたち。カメラマンさんも「この目の前にあるものですか?」と恐る恐るカメラを向けます。そこには、2体のスキーヤーの人形が並んでいました。

依頼者さんによると「2体とも同じ時期に、同じ髪の長さでもらった」そうですが、なぜか左側の人形だけ髪が長く見えます。配信者さんは「湿気と思いたい…」と苦笑いしつつ、「これは供養ですね」と提案しました。

配信者さんの会社では、希望があれば合同供養という形で無料で対応しているとのこと。依頼者さんも、このサービスが今回の依頼の決め手の一つになったようです。

これまでに苦労したこと

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

そしてこのあと、依頼者さんが遺品整理に至るまでに経験した“苦労”について、詳しい話を伺うことに。

依頼者さんによると、もともとは家族4人で暮らしていたものの、妹さんが先に家を出て、その後お母さんが病気で亡くなり、お父さんと2人暮らしに。お父さんも癌を患って入退院を繰り返し、施設で生活するようになったのち、ほどなくして亡くなってしまったといいます。「そして私が1人に…」と経緯を語ってくれました。

さらに、団地の規約では、たとえ血縁関係があっても“連れ合い”でなければ契約更新はできないとのこと。そのため退去せざるを得なくなったものの、すぐに新しい家が見つかったわけではありませんでした。女性の1人暮らしや年齢の理由で家主から敬遠され、なかなか次の住まいが決まらなかったのです。

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

ようやく次の家が見つかり引っ越せることになったものの、今の住まいを市に引き渡すためには、まず現在の荷物をすべて片付ける必要があります。そこで業者を探し始めた依頼者さんですが、例の“スキーヤーの人形”のことが気にかかったといいます。供養が必要になると費用もかかるため迷っていたところ、YouTubeで配信者さんの会社を見つけたそうです。

「話もきちんと聞いてもらえて、しかもタンスが空だったことで減額もしてもらえた」と、依頼を決めた理由を教えてくれました。

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

市でも粗大ゴミ回収はありますが、基本は“家の前まで出す”ことが条件。一人ですべてを運び出すのは現実的ではありません。また、知識のないまま業者に依頼するとトラブルになるケースもあり、「どう考えてもガイドラインが必要」と配信者さんは強く感じたそうです。

さらに依頼者さんは「ここに住んでいる人はほとんどが単身で高齢の方ばかり。エレベーターもなく、階段で上り下りして荷物を出さなければならない。それができなくなると、どうしても荷物がたまってしまうんです」と、団地ならではの問題点を指摘しました。

配信者さんも「そう考えると、もう限界がきているということですよね」と頷き、地域の課題として受け止めていました。

大変だったのは“お金の工面”

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

今回いちばん大変だったこととして、依頼者さんが挙げたのは「お金の工面」でした。お父さんは昨年の春から寝たきりの状態が続き、具合が悪くなれば依頼者さんがタクシーで病院へ。タクシー代に加え、診察代や入院費、救急車を利用すればさらに費用が上乗せされます。

お父さんは企業年金に加入していたため医療保険は2割負担。通院すれば相応の金額になるうえ、当時はお父さんの介護認定がまだ下りておらず、「いつもお金の心配をしていた」と依頼者さんは振り返ります。

また、依頼者さんは介護休暇で仕事を休んでいたため、その間は給付制度を利用できず、本当に必要なタイミングでお金が受け取れない状態に陥っていたとのこと。「すべて終わってからお金をもらっても仕方ない。必要なのは“今”なのに」と制度の課題を語りました。

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

「今払わないといけないとなれば、自分の貯蓄を切り崩して、生活も切り詰めるしかなかった」と依頼者さん。さらに、お父さんを施設に入れる際にも高額な費用が発生。病気のため一般の老人ホームには入れず、ホスピスへの入居になりましたが、そこでは毎月家賃がかかる仕組みで、初期費用として3ヶ月分の支払いが必要でした。依頼者さんが見つけた施設は、月額22万円で、初期支払額は60万円。大きな負担となりました。

支払いの見通しが立ち、ようやく落ち着いた矢先にお父さんは他界。その後は葬儀費用がかかり、さらに新居が決まらず退去できない状況が続いたことで、部屋を引き渡せないことによる「賠償金」まで発生。お父さんの収入が高かったため家賃は5万円と高めで、家賃と同等の賠償金が請求されたそうです。

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

「もうね、次から次ですよ」と依頼者さん。カメラマンさんが「もし過去の自分に何かアドバイスするとしたらどうしますか?」と尋ねると、「父にちゃんと将来の設計を考えて、良い保険に入り直してほしいと言いたい」と答えました。

現在は、長期入院が少なくなり、入院費よりも“診断がついた時に支払われる保険”が必要だという依頼者さん。また、亡くなった際に備える保険も必要だったと話します。

「同じ保険をずっとそのままにせず、定期的に見直してほしい。資産運用など、何かしら準備が必要」と強調します。

配信者さんも「誰かのサポートが必要なタイミングほどお金が必要になる。その部分が手厚くないとしんどいですよね」と共感。依頼者さんは「父が亡くなってお墓に入れるまで、100万円近くはかかったかな」と振り返ります。

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出典:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)

そして最後に「年金だけでは日本では暮らせません」と断言。「甘いもんじゃないです、日本の老後は…」と、現実を語っていました。

今回の作業は、2DKの団地を8人で作業し、約5時間で無事に終了しました。作業料金は40万円。室内は丁寧に仕分けが行われ、すっきりと片付きました。

片付いた部屋を見つめながら「やっとこれでもう一つ進めるんだな」とつぶやく依頼者さん。作業の合間にも親身になって話を聞き、心に寄り添ってくれた配信者さんやスタッフへの感謝を伝えていました。

今後を考えるきっかけに…

こちらの投稿には、さまざまなコメントが寄せられていました。

視聴していて色々考えさせられました。
いつも為になる動画をありがとうございます。
切ないお話ですね。お父様名義でなければ退去しなくてはいけない、お父様の介護、お金の工面。こうしてメモリーズさんにお話をするだけでも気持ちを吐き出しスッキリ出来たのではないでしょうか。いつも寄り添うお片付けお疲れ様です。
いつもご苦労様です〜 同居の母の介護がこれからもっと厳しくなってくので 自分も老いていくので今のうち家も片して行こうと思います!!

動画を視聴した方からは、依頼者さんの話を聞いたことで、「自分自身の今後について考えさせられた」という声が多数寄せられました。

介護や遺品整理の現場には、当事者にしかわからない苦労や葛藤が積み重なっています。こうした声が共有されることで、同じ悩みを抱える人たちの支えにもなっていくのかもしれません。

動画:【遺品整理までの軌跡】日本の老後は甘くない!一番大変だったお金の工面…
協力:遺品整理人横尾将臣(メモリーズ代表)、(公式Webサイト

※本記事は動画の権利者に許諾を得た上で記事の制作・公開を行っています


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