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【なぜ】いじめっ子は相手の母親の顔を見に来る?SNSで共感多数「つよつよ母さん」作戦にいじめ抑止効果はあるのか

  • 2025.10.16

発端は「金髪の“つよつよ母さん”」宣言

親の見た目はいじめ抑止力になる!?
親の見た目はいじめ抑止力になる!?

「仕事辞めて金髪で“つよつよ母さん”になる」。2025年10月14日、SNSに投じられたとある母親の「決意」と「不安」が、深刻化するいじめ問題における保護者の役割について、大きな波紋を広げています。

発端となったのは、とあるユーザーの投稿です。息子さんの小学校入学を控え、「派手な親だとイジメっ子が『このお母さん強そう』と思ってターゲットを外すのでは?」と疑問を投げかけ、自身が「金髪でつよつよ母さん」になることを決意しつつも、「イジメっ子が親を見極める」という話に不安を感じていると綴りました。

この投稿は瞬く間に共感を呼び、「いじめっ子が母親の顔を見に来る」という観察結果を共有した別のユーザーのコメントなどもありました。「自分がいじめてる子の親にわざわざ参観時とかにこんにちは!〇〇ちゃんのママだよね!と話しかけに行く子。不思議だなと思ってたら『(いじめてても)大丈夫かどうか』を親の反応から見定めてるって聞いて震えた」という投稿には1.7万いいねの共感を呼んでいました。これらの投稿を機に、いじめに対する保護者の対応策と役割について活発な議論が巻き起こっています。

SNSで共有された「親の介入」成功体験

「金髪でつよつよ母さんになる」という投稿のアイデアに対し、SNSでは親の存在感が抑止力になったとする成功体験が多数寄せられました。

あるユーザーは「父が悪ガキに怒鳴りに行ったら『怖い親』と認識され、いじめが止まった」と報告。また、別の体験者は「ゴリマッチョおばさん風に振る舞っただけで効果があった」と、見た目や態度によるけん制が有効であった事例を挙げています。

さらに、具体的な対応策も提案されています。ある投稿者は、子どもが集まる場で「意地悪したらおばちゃんに教えてね、とニコニコ言うと効果あり」と提案。別のユーザーは、いじめっ子たちに「目を見て『顔覚えたからね』と言ったら12人全員が悪口を止めた」と、親の毅然とした態度が即座に効果をもたらした体験を共有しました。情報管理で防ぐ方法として、「携帯メールを親が確認すると公言したら、いじめっ子からメールが来なくなった」という戦略的な対応を支持する声もありました。

こうした体験談は、親が積極的に介入することの重要性を裏付ける形となっています。2002年に発表されたいじめに関する大規模な研究でも、学校や家庭における継続的な大人の介入がいじめを大幅に減少させる効果があると示されており、SNS上の声と一致しています。

深刻化するいじめ問題と高まる保護者への期待

この議論の背景には、日本でのいじめ問題の深刻化があります。文部科学省の2023年度データによると、小・中・高等学校及び特別支援学校を合わせたいじめ認知件数が73万2568件と過去最多を記録しています。

これを受け、大阪市では2025年4月にいじめ対策基本方針を改正し、学校が保護者の関与を求める新たな動きが強化されました。また、子ども家庭庁が2023年度に開始した「地域いじめ防止システム」(学校外からのアプローチによるいじめ解消の仕組みづくり)も、保護者の積極的な対応を促す動きと連動しています。

心理学的な視点からも、親の役割は注目されています。国内外の研究によると、10~17歳の子どもがいじめを行う前に親の反応を安全性の指標として評価することが確認されており、最初の投稿者の「親を見極める」という不安は、現実を反映していると言えます。

「親の介入」の限界と“いじめっ子の親”という壁

一方で、親の介入や親の見た目を変化させただけでいじめが解決しないという対応の限界を指摘する声も多く寄せられています。

あるユーザーは「親の外見だけ(金髪やメイク)ではいじめは止まらない。いじめっ子はバケモンだから対策が難しい」と懐疑的な見解を示しました。また、別の投稿者は「注意したら逆恨みで被害が増えた」と、親の介入が逆効果になるケースを警告しています。

特に深刻な課題として挙げられたのが、いじめっ子の親の関与です。あるコメントでは「いじめっ子の親が自分の子を挨拶して『いい子だ』と味方する」と批判し、別のユーザーも「いじめっ子の親がいじめを間接的に支援している場合がある」「親自体が暴言などで保護者間でもヤバイ人だったりする」などと、いじめを助長する(間接的にしている)親の責任を問題視しています。

これらの親に対しては、あるユーザーは「品良く高級感のある親の方が怖がられるのでは?」と、見た目だけでなく態度や社会的地位も抑止力になると提案しています。

模索が続く保護者の最適解

とあるユーザーが発した不安と決意、そして「いじめっ子が母親の顔を見に来る」という鋭い観察は、多くの保護者の「そういえばそうかも」という共感を呼びました。親の積極的な対応が抑止力になるという成功体験が共有される一方で、いじめっ子親の問題や対応の限界など、解決すべき課題も浮き彫りになっています。

2025年10月16日現在、日本ではいじめ防止における保護者の役割が強く注目されていますが、その有効な対応策については、SNS上で活発な議論が展開されつつも、依然として模索が続いている状況です。

(足立むさし)

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