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なぜ止まらない?「目印アクセサリー」空前のブームを徹底解剖

  • 2025.10.6

目印アクセサリー、なぜブームに?

画像:編集スタッフR私物/「FLAVORS めじるしアクセサリー」バンダイ ガシャポン(R)
画像:編集スタッフR私物/「FLAVORS めじるしアクセサリー」バンダイ ガシャポン(R)

カプセルトイコーナーを席巻し、2023年頃から爆発的なブームを巻き起こしているのが「目印アクセサリー」(めじるしアクセサリー、アクリルチャーム)です。傘の柄、ペットボトル、バッグのファスナーなど、日常のあらゆる持ち物に簡単に取り付けられる小さなチャームやキーホルダー型のアクセサリーを指します。キャラクターや動物、食べ物など多様で可愛らしいモチーフが特徴で、一度集め始めると止まらない中毒性の高さから、カプセルトイ市場全体の売上を押し上げる存在となっています。

そもそもこのブームはなぜ、これほどまでに熱狂的な支持を集めたのでしょうか。その背景には、単なる可愛さや実用性を超えた、現代の社会状況と消費トレンドが深く関わっています。

ブームの要因は実用性×可愛さ×時代背景の融合

目印アクセサリーが成功した最大の要因は、「日常の小さな不便をかわいく解決する」という普遍的なニーズを満たした点にあります。

●コロナ禍後の「持ち物識別」ニーズとプライバシー対応

ブームが本格化した2023年頃は、コロナ禍が落ち着きを見せつつも、学校や職場でマイボトルや傘などの個人所有物が増加した時期と重なります。ビニール傘など、誰もが同じような物を持つ現代において、自分の持ち物を見分ける必要性は高まっていました。さらに、個人情報保護の観点から、公共の場に置くアイテムに「名前を書く」ことに抵抗がある人も少なくありません。

目印アクセサリーは、名前を書かずに、目立つのに個性的な「印」をつけられるツールとして、この時代のニーズに完璧に応えたのです。「名前を書かずに区別できる」という口コミが広がるにつれ、その需要は高まり、一時期は供給が追いつかないほどの人気となりました。

●経済的な「プチ贅沢」として浸透

1回300円から400円という手頃な価格帯も、ブームを後押ししました。インフレ傾向が続く現代において、高額な買い物は控えたいと考える消費者が多い中、目印アクセサリーは経済的に抵抗なく購入できる「プチぜいたく」として機能。小さくても満足感が高く、日常に彩りを与えてくれる手軽な消費体験が、幅広い層に受け入れられています。

ブームを加速させた二つのエンジン「カプセルトイ市場とSNS文化」

目印アクセサリーのブームは、現代の消費トレンドを象徴する二つの大きなエンジンによって加速されました。

●カプセルトイ市場の成熟とIPコラボレーション

火付け役となったバンダイのガシャポン(R)シリーズをはじめ、各メーカーが目印アクセサリーのジャンルに注力しました。

豊富なIPコラボの連発:ドラえもん、ポケモン、ディズニーといった世代を超えた人気IP(知的財産)との積極的なコラボレーションにより、ターゲット層が一気に拡大しました。ファンは「推し」のキャラクターを手軽な価格で手に入れ、日常使いのアイテムに装着することで「推し活」の一環として楽しめます。

コレクション意欲の刺激:狙った種類がなかなか出ない「ランダム性」と、ハズレのない高品質なデザインが、ユーザーのコンプリート欲を強く刺激します。Yahoo!ショッピングなどの人気ランキングで常に上位を占めるなど、その人気は一時的なものではなく、カプセルトイ全体の売上を押し上げる原動力となりました。

●SNS映えする「カスタム文化」の牽引

主にZ世代を中心に、TikTokやInstagramでの「めじるしカスタム」投稿がブームの拡散に決定的な役割を果たしました。

「自分だけのアイテム」を視覚化:筆箱、モバイルバッテリー、ハンディファンなど、傘以外の持ち物への取り付け方を共有するアイデアがSNS上でバズり、「傘以外のおすすめ付け方18選」といった特集記事が相次いで組まれる事態となりました。

「推し活」との高い親和性:推しキャラのアクセサリーを付けることで「愛着アップ」と共有する文化が定着。単なる実用品ではなく、自分のセンスや個性を表現し、「写真映え」するアクセサリーとして認識されるようになりました。

ユーザーの声が語る「中毒性」と「ライフセーバー」としての役割

会社のトイレに置き忘れがちなリップも目印を付けて…(画像:編集スタッフR私物)
会社のトイレに置き忘れがちなリップも目印を付けて…(画像:編集スタッフR私物)

X(旧Twitter)上には、目印アクセサリーに対するポジティブな声があふれています。

もっとも多いのは、「忘れ物防止」のライフセーバーとして感謝の声です。「昨日電車に忘れた傘、目印アクセのおかげで見つかった!」というエピソードに代表されるように、忘れ物や紛失のショックから救ってくれる「親切な届け主との再会ツール」として、実用面での絶賛が相次いでいます。

また、抗えない「収集の魔力」を口にする人も。「かわいすぎて久々ガチャ回しに行こうと思います」「これ以上どこにつけろと……」といった声は、中毒性の高さを裏付けています。多くの人が、理性では「もういらない」と分かっていながらも、新たなシリーズが出ると「推しキャラ目当てでつい回してしまう」というループに陥っています。

「最初に考えた人にノーベル賞あげよ。あんなにいらないのに欲しくなるの珍しい」という投稿に見られるよう、目印アクセサリーが「日常の小さなストレス」を「ちょっとした喜び」に変えた発明品であることをたたえる声までも寄せられています。

目印アクセサリーは、実用的な「目印」と、精神的な満足感を与える「アクセサリー」という二つの側面を完璧に融合させました。この「かわいからつい買う→意外と便利→もっと集めたい」というポジティブな連鎖こそが、ブームの核であり、2025年現在もその勢いが衰えない理由なのでしょう。

(LASISA編集部)

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