1. トップ
  2. お仕事
  3. 「仕事で後輩が言うことを聞かない」 信頼関係を築くコミュニケーション術を臨床心理士が回答

「仕事で後輩が言うことを聞かない」 信頼関係を築くコミュニケーション術を臨床心理士が回答

  • 2025.10.8

仕事で感じるさまざまな悩みやストレス。「メンタルヘルスとの向き合い方やセルフケア方法を知りたい」「日頃の悩みについて専門家の意見を知りたい」そんな気持ちに応える、仕事とメンタルヘルスのお悩みについて臨床心理士に一問一答してもらう本連載。

『メンタル強めになる習慣』(フォレスト出版)の著者で、臨床心理士および公認心理師として3万人以上のカウンセリングサポートを行う松島雅美先生にお話を伺った。

今回は、後輩や部下とのコミュニケーション術について質問!

Q、「部下や後輩が言うことを聞かず、若手の育成が難しい。見直すべき原因はありますか?」

A、何度言っても伝わらない原因は、“頭の使い方の違い”かもしれません。まずは、伝え方を変えてみましょう。

Women's Health

「同じように教えているのに、部下によって伝わり方が全然違う」「言ったはずなのに動かない・続かない…」。そんなとき、やる気の問題や仕事の向き不向きを、つい疑ってしまいがちですが、実は伝わらない原因は“理解の仕方の違い”かもしれません。

人にはそれぞれ「得意な頭の使い方」がある

伝わらないのはコミュニケーション能力のせいではなく、伝え方と受け取り方がズレているだけかもしれません。人にはそれぞれ、頭の使い方に得意・不得意があるのを覚えておきましょう。

<例>頭の使い方の得意分野

• 言葉で聞いて理解するのが得意な人

• 目で見て整理するのが得意な人

• 体を動かして体感しながら覚える人

• 一つのことに集中して深く考える人

• 全体を見渡して優先順位を判断する人

これは「わかり方の特性」のようなもので、良し悪しではなく“認知スタイルの違い”です。

伝え方を変えるだけで、ぐっと動きやすくなる

ちょっとした“伝え方の工夫”が、信頼関係を築く土台になります。まずは、以下の3つの工夫から試してみましょう。

①口頭で伝えるだけでなく、図にしてみる

Women's Health

②やることリストだけではなく、目的と背景を説明する

Women's Health

③まず体験させてからフィードバックする

Women's Health

部下の力を引き出す鍵は、“相手の認知の得意さ”に合わせた接し方

「伝えたのに動かない」ではなく、「どう伝えれば動けるか?」を一緒に探すことで、若手との関係性が自然と変わっていきます。 「自分の伝え方が合っていないのかも」と思うと相手にイライラすることも減り、メンタルも落ち着きます。相手に「どうしたらわかる?」と聞くのも一つの手です。

お話を伺ったのは……

臨床心理士 /公認心理師・松島雅美先生

Women's Health

Je respire株式会社 代表取締役社長

一般社団法人国際メンタルビジョントレーニング協会代表理事
埼玉大学大学院理工学研究科研究員

1972年広島県生まれ 京都女子大学大学院修士課程修了
メンタルケアは病んだ人がするものという文化を変え、メンタルの強さは性格ではなく「頭の使い方」であることを伝えるべく、「方法や結果の見える心理学」プログラムを開発・提供。被災地やクリニック、学校、就労委支援センターなどでのべ3万人以上のカウンセリング、オリンピック選手などのアスリートのべ2千人以上サポート。

わかり方の特性(利き認知)を簡単にチェックする方法は、著書『メンタル強めになる習慣』でも紹介していますので、よければ試してみてください。

Text:Saya Inoue

元記事で読む
次の記事
の記事をもっとみる