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26年前、290万枚超を叩き出した“だんご旋風” 「子ども向け」の楽曲が社会現象を巻き起こしたワケ

  • 2025.11.14

「26年前、日本中が“だんご”と大合唱していたの、信じられる?」

1999年の春。テレビから流れる耳に残るリズムと、ころんとした歌声。大人も子どもも、誰もが一度は口ずさんだフレーズがあった。

“くしにささってだんご”

それが、あの社会現象を巻き起こした曲のはじまりだった。

速水けんたろう・茂森あゆみ『だんご3兄弟』(作詞:佐藤雅彦、内野真澄・作曲:内野真澄、堀江由朗)――1999年3月3日発売

NHK『おかあさんといっしょ』のオリジナルソングとして生まれたこの一曲が、まさかの290万枚超という記録を打ち立てた。その年、日本はちょっとした“だんごブーム”に包まれていた。

テレビの中から飛び出した「国民的ヒット」

『だんご3兄弟』が最初に放送されたのは、NHK『おかあさんといっしょ』。番組の中で発表されるやいなや、子どもたちは歌詞とメロディを覚え、家庭でも学校でも歌が響きはじめた。

口コミは瞬く間に広がり、NHKに問い合わせが殺到。CDシングルが発売されると、異例の社会的ブームにまで発展していく。

作詞と企画を手がけたのは、CMプランナーとして活躍していた佐藤雅彦。そして作曲・アニメーションを担当したのが内野真澄。その後、佐藤・内野コンビは同じNHKで『ピタゴラスイッチ』を監修し、数々の楽曲も手掛けている。

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1999年、だんご3兄弟の映画に出演した速水けんたろう(C)SANKEI

速水&茂森、奇跡のデュエット

歌唱を担当したのは、当時『おかあさんといっしょ』で子どもたちに親しまれていた速水けんたろうと茂森あゆみ。2人のまっすぐで優しい声が、子どもの世界に寄り添いながらもどこか洒落たニュアンスを生んでいた。

さらにバックを支えた「ひまわりキッズ」と「だんご合唱団」のコーラスが、あの親しみやすい温度感を演出している。

童謡でもポップでもない“間”にある温かさ。それが、老若男女を問わず口ずさめる国民的ヒットへと繋がったのだ。

社会現象となった“だんご旋風”

『だんご3兄弟』は最終的に290万枚超のセールスを記録。第41回日本レコード大賞特別賞を受賞し、『第50回NHK紅白歌合戦』にも茂森・速水コンビで紅組にて出演。

CDの売り上げランキングで“子ども向け番組の楽曲”がトップに立つというのは、まさに異例中の異例だった。

街には関連グッズが溢れ、ニュース番組でも取り上げられるほどの社会現象に。“誰もが同じメロディを知っている”という幸福な時代の象徴でもあった。

あの頃の“無邪気さ”が、今も残っている

令和の今、SNSや配信で音楽が溢れる中でも、『だんご3兄弟』はどこか懐かしい“共通言語”として語り継がれている。

軽やかで、笑えて、ちょっと切ない。

歌の向こうには、子どもたちの笑い声と、見守る大人たちの微笑みが重なっている。“だんご3兄弟”は、単なるヒットソングではなく、“時代そのもの”を歌った小さな奇跡だった。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。