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「絶対オンエアしてくれない」MVに納得いかず“リリース当初”も低迷…だけど“SNS口コミ”で再評価された“25年愛される名曲”

  • 2025.11.7
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

「25年前の秋、あなたは“恋”をどうしてた?」

2000年の東京。まだ街角の公衆電話が現役で、ポータブルCDプレイヤーから流れる音が季節のBGMだった頃。少し冷たい風が吹きはじめた10月、まるでその空気を映し出すように、ひとつのロックバンドが“切なさ”をギターで鳴らした。

GO!GO!7188『こいのうた』(作詞:浜田亜紀子・作曲:中島優美)――2000年10月25日発売

歪んだ音が導いた、まっすぐな感情

GO!GO!7188にとって3枚目のシングルとなる『こいのうた』は、これまでのイメージを大きく塗り替えた1曲だった。デビューから2作連続で、どこか悪ふざけのような軽快ロックを鳴らしてきた彼らが、ここで見せたのは“素顔の感情”。ギターの歪みの奥に、言葉にならない想いが滲んでいた。

冒頭からかき鳴らされるディストーション・ギターは、まるで心のざらつきをそのまま音にしたようだ。だが、演奏が進むにつれ、その“ノイズ”が次第にやさしさへと変わっていく。

激しさと静けさが同居するサウンド――それこそが、この曲の最大の魅力である。

“オンエアされない曲”が、時を越えて届いた理由

もともとこの曲は、バンドの音楽性を広く知ってもらうために、ラジオでのオンエアを狙って制作されたという。しかし、当時のプロモーション会議では「歪んだギターが入った曲をラジオ局は絶対オンエアしてくれない」という担当者の“迷言”が飛び出し、宣伝戦略は混乱。さらにミュージックビデオの出来にも納得がいかず、リリース当初の反応は控えめだった。

だが、音楽とは不思議なものだ。“本当に良い曲”は、時間が経っても埋もれない。

翌年の冬、あるテレビ番組で偶然この曲が紹介されたことをきっかけに、リスナーの間で再評価が広がる。当時はまだ黎明期だったSNSでの口コミによって、曲は再び息を吹き返したのだ。

メンバー自身がライブでその反響をリアルタイムで感じ取ったというエピソードも残っている。

無骨な中に宿る“女の子の心”

ボーカルの中島優美(ユウ)は、力強いギターをかき鳴らしながらも、声には少女のような儚さがある。彼女が放つ「まっすぐさ」は、甘くも脆い恋心をまるごと抱きしめるように響く。その声の“震え”が、恋のもどかしさや痛みを、言葉を超えて伝えてくる

浜田亜紀子(アッコ、現・野間亜紀子)による詞もまた、装飾が少なく、心の中の“まっすぐさ”をそのまま描いたものだ。一見するとシンプルな恋愛ソングだが、その純粋さの裏には、どこか“人間臭い不器用さ”が潜んでいる

この「可愛さと切なさの同居」こそ、GO!GO!7188というバンドの個性だった。

“バンドシーンの外”から届いた青春の記録

2000年、GO!GO!7188のような3ピース・ロックバンドが届けたこの曲は、まるで時代の“外側”から響くような新鮮さを放っていた。ただひたすら、正直な音を鳴らすことだけに向き合うバンドの姿勢が、リスナーの心を打ったのだ。

やがて『こいのうた』は、バンドの代表曲としてライブで愛され続ける存在となる。歪んだ音の中に潜む“まっすぐな感情”は、時代を越えて今も聴く者の胸を震わせる。

ノイズの向こうにある、まっすぐな“恋”

25年が経った今でも、この曲を聴くと、あの頃の街の匂いが蘇る。CDショップで立ち止まって視聴機に耳を寄せていた自分。誰かを好きになるたびに、不器用で、でも確かに真剣だったあの時間。GO!GO!7188の『こいのうた』は、そんな“心の奥にしまってきた純情”を、そっと呼び覚ます。

たとえ歪んでいても、まっすぐでいたい。そんな気持ちが、この一曲の中で今も生き続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。