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20年前、日本中を一世風靡した『学園ドラマ』主題歌 強がりな想いを包んだ“永遠のラブソング”

  • 2025.11.6
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※Google Geminiにて作成(イメージ)

「20年前、あなたはどんな夜空を見上げていた?」

2005年。通学電車の窓には、音楽を聴く学生のイヤホンコードがゆれていた。夜のコンビニの灯りがやけにまぶしく感じられたあの頃、少し切ない季節をそっと温めてくれたのが、この曲だった。

嵐『WISH』(作詞:久保田洋司・作曲:オオヤギヒロオ)――2005年11月16日発売

TBS系ドラマ『花より男子』の主題歌として知られるこの曲は、嵐にとって15枚目のシングル。ランキング初登場1位、CDで30万枚以上を売り上げたが、その数字以上に、人々の記憶に静かに残り続けている。

“願う”のではなく“寄り添う”ための歌

『WISH』の歌詞を丁寧に辿ると、そこにあるのは恋のときめきよりも、“誰かと共に歩もうとする気持ち”だと気づく。「街に愛の歌 流れはじめたら」という印象的なフレーズは、恋の始まりを告げるサインであると同時に、“愛が日常に満ちていく”瞬間を描いている。

久保田洋司の詞は、過剰に感情を煽らず、日常の中で芽生える想いを淡く描く。“強がりでもいい”“伝えたい”という素朴な決意の言葉が、聴く人の心をやさしく揺らす。それは、誰もが一度は抱いたことのある"うまく言葉にできないけれど、確かにここにある想い"をすくい上げた詞なのだ。

光の中で響く“冬のハーモニー”

作曲を手がけたオオヤギヒロオは、透明感と温もりを共存させるメロディづくりに定評がある。編曲を担ったCHOKKAKUの手腕も光る。イントロのやわらかなストリングス、跳ねるようなリズム、そしてサビで広がる高音域の旋律。そこには、冬の空に差し込む光のようなまぶしさがある。

煌めくサウンドの中で、嵐5人のボーカルが層のように重なり、“ひとりでは届かない場所に、声を合わせて辿り着く”感覚を生み出している。それはグループとしての嵐そのもの。互いを支え合いながら、音の中でひとつになっていく姿でもあった。

ドラマを越えて残った“想いの余韻”

『WISH』は、ドラマ『花より男子』の主題歌として放送され、多くの視聴者が“恋”の物語とともにこの曲を記憶している。

だが、年月を経て聴き返すと、その響きはもっと静かで深い。恋の始まりの高揚ではなく、“誰かを想い続ける力”がこの曲の核にある。人が誰かを大切にしようとするときの不器用さが滲みながらも、それでも「君を愛し続ける」と歌う最後のフレーズには、“愛を選び取る意志”がある。それは、ドラマの登場人物たちだけでなく、私たち自身の物語にも重なる。

今も鳴り続ける、“誰かを想う”ということ

20年経った今でも、『WISH』を耳にすると、あの頃の冬の街の風景が浮かぶ。それは懐かしさだけでなく、“誰かを大切にしたい”という想いの記憶が蘇るからだ。

時代が変わっても、人と人が寄り添う姿は変わらない。誰かの幸せを願いながら、自分も少し強くなる――そんな循環が、この曲には確かに息づいている。

静かな夜、イヤホンの向こうで「街に愛の歌 流れはじめたら」という声が聞こえる。その瞬間、きっと心の奥に灯がともる。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。