1. トップ
  2. 25年前、番組テーマ→30万枚を超えた“余裕ビートにハマる”先鋭的ポップ 聴けば踊り出したくなるワケ

25年前、番組テーマ→30万枚を超えた“余裕ビートにハマる”先鋭的ポップ 聴けば踊り出したくなるワケ

  • 2025.10.30

「25年前の夜、あのイントロが街に流れた瞬間を覚えてる?」

2000年の始まり、ネオンが濡れたアスファルトを照らす都会の夜。ミレニアムの高揚と不安が交錯していた時代に、ひときわスタイリッシュなビートが響いた。

SMAP『Let It Be』(作詞:相田毅・作曲:Face 2 fAKE)――2000年2月9日発売

グループの冠番組『SMAP×SMAP』のテーマソングとして放たれたこの曲は、軽やかなグルーヴと大人びた余裕をまといながら、“次の時代を迎えるSMAP”の姿を静かに宣言するような1曲だった。

undefined
※Google Geminiにて作成(イメージ)

クラブとポップの中間にある“洗練された遊び心”

『Let It Be』のサウンドをひとことで言うなら、“アシッドジャズ的な都会派ディスコサウンド”。4つ打ちのリズムに、ワウの効いたギターがリズミカルに絡みつく。そこへ伸びやかなストリングスが重なり、まるで夜のクラブで鳴っているようなムードを作り出す。

Face 2 fAKEによるアレンジは、当時のJ-POPとしてはかなり先鋭的だった。クラブサウンドが一般化しつつあった2000年当時、彼らは“踊れるポップス”をSMAPという国民的グループに落とし込んでみせたのだ。

この曲には、聴く人を自然と体で揺らせる“余裕のビート”がある。深夜の街をドライブするような、絶妙なテンポ感が魅力だ。

変化を恐れない、SMAPの音楽的ターニングポイント

リリース当時のSMAPは、『夜空ノムコウ』でのしっとりとした大人なバラードから、『Fly』のようなクールなサウンドを経て、確実に“アーティストとしての進化”を遂げていた。『Let It Be』は、そんな彼らが次のフェーズに踏み出す中で誕生した作品。番組テーマという枠を超え、音楽的完成度の高さが際立っている。

ボーカルのバランスも絶妙だ。それぞれの個性が、ソウルフルなリズムの中で心地よく響き合う。“誰かひとりの声ではなく、5人でひとつの音楽を作る”という意識が、サウンド全体に漂っている。

また、Face 2 fAKEの手がけるビートメイキングは、単なる打ち込みではなく、生音的な質感を意識した構築。ライブでの再現性を考慮したような、有機的な仕上がりだった。結果として、SMAPの楽曲群の中でも特に“音で楽しませる”1曲として記憶されている。

2000年の“夜”を映したサウンドデザイン

2000年前後の東京では、クラブカルチャーとテレビカルチャーが混ざり合う独特の空気があった。

『Let It Be』のような都会的でクールなトラックが、地上波の人気番組テーマとして流れること自体が象徴的だった。それは、J-POPが“より自由で洗練された表現”へと向かうサインでもあった。

ストリングスのアレンジには品があり、コーラスにはソウルフルな厚みがある。その対比が、ちょうど2000年代初期の空気を完璧に閉じ込めている。

時代のリズムを刻んだ“軽やかな革命”

『Let It Be』は、ランキングでも上位に入り、30万枚を超えるセールスを記録した。彼らはより幅広い音楽性を示していく。その流れの原点に、この『Let It Be』があったようにも思う。

“時代の真ん中で、自分たちらしく音を鳴らす”――それがSMAPのスタイルであり、この曲はその精神を最も自然に体現した1曲だった。夜の街に流れていた“Let It Be”のビートは、25年経った今も、都会の灯りの中でそっと鳴り続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。