1. トップ
  2. 「近所の公園でやって」テーマパークでの“動画撮影”に物議…「ホントに迷惑」「許されない」→法でどこまで取り締まれる?【プロが解説】

「近所の公園でやって」テーマパークでの“動画撮影”に物議…「ホントに迷惑」「許されない」→法でどこまで取り締まれる?【プロが解説】

  • 2025.10.23
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

近年、テーマパーク内でスマートフォンなどから音楽を流し、ダンスなどのパフォーマンスを行ってSNSに投稿する若者が増え、他のゲストや運営側とのトラブルが問題となっています。SNSでは「ホントに迷惑」「許される行為ではない」「近所の公園でやって」と物議を醸しています。

多くの人が楽しむために訪れるテーマパークは、法的にどのような位置づけの場所なのか。そして、他のゲストの迷惑となる行為に対して、運営側はどこまで強く取り締まることができるのでしょうか。

今回は、テーマパークなどにおける迷惑行為の法的問題点について、ベリーベスト法律事務所 齊田貴士 弁護士に詳しく解説していただきます。

テーマパークは「公共の場」? 表現の自由は認められる?

まず、大前提として、テーマパークは法律上「公共の場」としては扱われません。

日本の多くのテーマパークは、民間企業によって運営されている私有地です。そのため、誰もが自由に利用できる公園や道路といった『公共の場』とは法的な位置づけが根本的に異なります。

さらに、仮に公園のような公共の場であったとしても、何をしても許されるわけではありません。

公共の場であっても、当然ながら無制限に表現活動が許されるわけではありません。各自治体の迷惑防止条例や軽犯罪法といった法律の範囲内で認められているに過ぎません。したがって、『公共の場だから自由に表現して良い』という主張は、法的に誤りです。

テーマパークは、運営会社との「施設利用契約」に基づいて入場している場所に過ぎず、そこでは運営会社が定めたルールに従う義務があるのです。

運営側が定めたルールの「法的拘束力」は?

多くのテーマパークでは、入場チケットの購入時や公式サイトなどで、「他のゲストの迷惑となる行為の禁止」といった利用規約(ルール)を定めています。このルールには、どの程度の法的な力があるのでしょうか。

運営側が定めたルールに、法律のような罰金や懲役といった罰則はありません。しかし、契約違反を理由に、迷惑行為を行うゲストの施設利用を拒否したり、今後の出入りを禁止したりする法的拘束力は十分にあります。

つまり、ルールを破ったゲストに対して、運営側は「契約違反者」として施設から退去を求めたり、今後の入場を拒否したりする正当な権利を持っているのです。

迷惑行為を続けるゲストへの「退園命令」や「警察への通報」は可能?

ルール違反を注意されても迷惑行為を続けるゲストに対し、運営側はより強い措置を取ることができます。

退園命令、今後の利用・出入り禁止、そして警察への通報といった措置はいずれも可能です。

スタッフからの退園の求めに応じない場合、それは「不退去罪」という刑法上の犯罪にあたる可能性があります。また、大音量の音楽を流し続けたり、他のゲストの通行を妨げたりする行為は、「威力業務妨害罪」に問われる可能性も出てきます。

そのような状況では、運営側が警察に通報するのは当然の対応と言えるでしょう。

他のゲストが迷惑行為に遭遇したらどうすべき?

もし自分がテーマパークでこのような迷惑行為に遭遇した場合、どのように対処するのが望ましいのでしょうか。

直接注意することも考えられますが、逆上されるなど、予期せぬトラブルに巻き込まれてしまう危険性があります。最も安全で望ましい対処法は、近くのスタッフに状況を伝え、運営側に通報することです。

また、可能であれば、その迷惑行為の様子をスマートフォンなどで撮影し、証拠を保全しておくことも、運営側が対応しやすくなるため有益な行動です。

「みんなの場所」だからこそ、ルール遵守が不可欠

「公共の場だから自由だ」という主張は、テーマパークという民間施設においては法的に成り立ちません。テーマパークは、運営会社の管理権が及ぶ私有地であり、すべてのゲストは、その場所のルールに従う義務を負っています。

「表現の自由」を盾に、他のゲストの楽しみを妨げるような迷惑行為は決して許されるものではありません。運営側はルールに基づき、違反者に対して退園を命じるなどの厳しい措置を取る権利があります。

誰もが気持ちよく過ごせる空間を維持するためには、一人ひとりがルールと思いやりの心を持つことが何よりも大切です。


監修者名:ベリーベスト法律事務所 弁護士 齊田貴士

undefined
ベリーベスト法律事務所 弁護士 齊田貴士

神戸大学法科大学院卒業。 弁護士登録後、ベリーベスト法律事務所に入所。 離婚事件や労働事件等の一般民事から刑事事件、M&Aを含めた企業法務(中小企業法務含む。)、 税務事件など幅広い分野を扱う。その分かりやすく丁寧な解説からメディア出演多数。