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「朝ドラ3作目ってすごい」11年前、“主人公の妻役”で瞬く間に人気者へ…!『ばけばけ』でも活躍中の美人女優

  • 2025.11.28

現在放送中のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』は、小泉セツと小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)夫妻がモデルの物語。2人がどのように出会って結婚し、怪談を愛する夫婦となっていくのかが描かれていく。本作の放送が決まった時、真っ先に頭に思い浮かんだのは、2014年の朝ドラ『マッサン』だった。ニッカウヰスキーの創業者である竹鶴政孝と、その妻リタをモデルにした『マッサン』も、『ばけばけ』と同じく国際結婚の話だったからだ。

タイムリーなことに、2025年12月22日から『マッサン』が再放送されることが発表された。今回は、『マッサン』について振り返り、未見の人には本作の魅力や見どころを知ってもらい、11年前に観ていた人には懐かしい気持ちになってもらえたら何よりだ。

男性主人公の朝ドラ『マッサン』

『マッサン』は、玉山鉄二が主人公の“マッサン”こと亀山政春を演じた、実在の人物を基にした朝ドラだ。政春が出会って恋に落ちるヒロイン・エリーをシャーロット・ケイト・フォックスが演じており、彼女は『ばけばけ』にも出演していることで話題を呼んでいる。

広島県にある造り酒屋の次男として生まれた政春は、20歳の時に初めて飲んだウイスキーの味に感動し、日本でウイスキーを造る夢を持つようになる。スコットランドに留学した政春は、そこでエリーと出会って惹かれ合い、交際し、彼女にプロポーズする。1920年、両家の反対を押し切り結婚した2人は、日本で暮らし、政春はウイスキー造りに励んでいく。

多くの視聴者の心をつかんだ朝ドラ

国産初のウイスキー誕生を夢見る政春と、母国を離れ、初めて日本にやってきたエリーには、次々と試練が待ち受ける。そして、戦争が起き、広島に原爆が投下される悲劇や、戦中・戦後といった激動の時代を背景に、夫婦の絆で真っ直ぐに生きていく2人。そんな夫婦の愛と冒険の物語は、多くの視聴者の心をとらえた。

政春の生まれ故郷の広島、進学・就職先の大阪、留学したスコットランド、ウイスキーの宣伝や営業で渡った北海道など、さまざまな場所が描出されているのも、毎朝観ていてワクワクした。SNSには「ロケ地巡りしました」「朝ドラにハマった作品」といった投稿も見られ、再放送の発表にも喜びの声が上がっていた。

大人気となったシャーロット・ケイト・フォックス

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シャーロット・ケイト・フォックス (C)SANKEI

エリーは当初、“マサハル”と呼んでいたが、日本にやって来てから、政春の母・早苗(泉ピン子)から、「夫を呼び捨てにしてはならない」という日本のしきたりを教わり、“マサハルさん”と呼ぶことに。だが、“マサハルさん”の発音はなかなか難しく、縮めて“マッサン”と呼ぶようになった。この呼び方は愛称のようで可愛らしく、ドラマのタイトルとしても親しみやすい。何より、エリーが愛情を込めて呼ぶのがキュートで、彼女を演じるシャーロットは、瞬く間に人気者になった。

早苗は、外国人であるエリーを嫁として認めず、追い出そうとしたり、女中扱いしたりして、どうにか帰国させようと嫌味な態度を取り続ける。エリーは慣れない外国で“嫁姑問題”を経験することになるが、一生懸命に夫に尽くし、早苗も彼女を認めるようになる。

『マッサン』は、エリーの日本での奮闘がかなり見どころとなっており、筆者も心の中で本作のタイトルを『エリーさん』と呼んだりしていた。視聴者からも、エリーを応援する声が大きくなっていった印象だ。日本で大人気となったシャーロットは、2016年の朝ドラ『べっぴんさん』にも出演し、朝ドラファンを歓喜させた。

『ばけばけ』にシャーロットが出演することが発表された際にも、「朝ドラ3作目ってすごい!」「また朝ドラで会えるのがうれしい」といった喜びのコメントがSNSに上がっていた。

今でも“マッサン”と呼ばれる玉山鉄二

もちろん、主人公・政春役の玉山の熱演も非常に魅力的だ。ウイスキーへの情熱をずっと持ち続け、何度も高い壁にぶつかりながらも、国産初のウイスキーを誕生させるために奮闘し続ける政春を、情熱的に体現していた玉山。

実は、筆者は2001年のスーパー戦隊シリーズ『百獣戦隊ガオレンジャー』で玉山が演じたガオシルバーにとても夢中になり、彼の出演作を追っていたが、そこから10年以上経って、朝ドラの主演が決まった時は感動した。

玉山は、朝ドラ『マッサン』に主演したほか、NHK大河ドラマには『天地人』『八重の桜』『西郷どん』『どうする家康』と、4作も出演している。どの大河作品でも存在感を発揮し、強い印象を残した玉山。

今回、『マッサン』が再放送されるにあたり、玉山は「11年経った今でも、街で“マッサン!”と声をかけて頂けたり。その度に素晴らしい作品に巡り合えたと実感しています。私の身体の半分はマッサンなのかもしれません(笑)」とコメント。さらに、「シャーロットと描いた、笑い、泣き、苦しみ、苛立ち、そんな夫婦愛を楽しんで頂けたら幸いです」と語っている。

同時期に放送される2つの“国際結婚”の物語

『マッサン』には、『ばけばけ』で雨清水傳を演じた堤真一も出演している。堤は、政春に深く関わるキャラクターを演じており、『ばけばけ』での役柄と比較しながら観るのも面白いかもしれない。

日本人の主人公が外国人の相手と出会って夫婦になる物語を描く『マッサン』と『ばけばけ』。SNSに「国際結婚の2つの物語が毎日観られるとは!」というコメントがあったが、どちらも実話ベースの朝ドラで、とても良いタイミングの放送だと思う。

『マッサン』の主題歌である、中島みゆきの「麦の唄」は雄大な楽曲で、ドラマの世界観をよく表現していて、聞きごたえがある。「力強くてすごく良い」といった感想もSNSで見られたが、この曲が流れると政春とエリーの夫婦像が思い浮かぶ。主題歌も含め、12月22日からの『マッサン』再放送をぜひ楽しんでほしい。


出典:国産ウイスキー誕生を夢見る夫と外国人の妻の波乱の生涯を描く「マッサン」を再放送!|NHK

ライター:清水久美子(Kumiko Shimizu)
海外ドラマ・映画・音楽について取材・執筆。日本のドラマ・韓国ドラマも守備範囲。朝ドラは長年見続けています。声優をリスペクトしており、吹替やアニメ作品もできる限りチェック。特撮出身俳優のその後を見守り、松坂桃李さんはデビュー時に取材して以来、応援し続けています。
X(旧Twitter):@KumikoShimizuWP