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ラスト10秒“一瞬映った”目黒蓮“謎の男”… 豪華キャスト陣による日曜劇場、第1話で描かれた圧巻の映像美と多くの謎

  • 2025.10.17

妻夫木聡を主演に迎え、演出に塚原あゆ子という豪華な布陣で臨む待望のTBS系 日曜劇場の最新作『ザ・ロイヤルファミリー』の放送が10月12日(日)に始まった。仕事への情熱を失った一人の税理士が、型破りな馬主との出会いをきっかけに、競馬というロマンの世界に身を投じ、自らの人生の意味を問い直していく。しかし、本作は競馬の世界でなり上がるといった類のサクセスストーリーではない。むしろ、生きるとはどういうことかを深く問いかけ、人間の魂の再生を描く、重厚なヒューマンドラマだ。

※【ご注意下さい】本記事はネタバレを含みます。

出会いが生んだ人生の転機

物語の主人公は、税理士の栗栖栄治(妻夫木聡)。かつての勤勉意欲は失われ、リストラの危機に瀕する日々を送っていた。そんな彼に、人材派遣会社ロイヤルヒューマンの部長・山王優太郎(小泉孝太郎)から一つの指令が下る。それは、優太郎の父であり、会社の絶対的権力者である山王耕造(佐藤浩市)が率いる競馬事業部の内情を探ることだった。赤字続きの事業部で、経費の私的流用が行われているのではないかという疑いだ。優太郎はこの機会に、父親から会社の経営権を奪うつもりでいる。一方、栗栖は税理士事務所で進退が危うい状況にあり、この仕事を成功させることで会社内の地位を浮上させたいと考えていた。

再起をかけた栗栖は、北海道の競走馬のセリ会場で耕造と対峙する。圧倒的な存在感と独自の価値観で周囲を支配する耕造に、栗栖はただただ翻弄される。耕造は、足が曲がっていようが、売れ残っていようが、その馬の背景にいる人間に価値を見出し、大金を投じる。数字や効率性だけを信じてきた栗栖にとって、それは理解の範疇を超えた感覚だった。

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日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第1話より(C)TBS

「誰かに感謝される仕事」とは

本作が第一話を通して鋭く問いかけるのは、「仕事とは何のためにやるのか」という普遍的なテーマだ。数字を追いかけるだけの仕事に虚しさを感じていた栗栖は、亡き父から言われた「誰かに感謝される仕事をしろ」という言葉を思い出していた。その言葉の意味を、彼は競馬の世界で痛感することになる。

自らが存続のために奔走した馬、ロイヤルファイトがレースに出走する。栗栖の尽力がなければ、この馬がターフを走ることはなかったかもしれない。結果は惜しくも2着。しかし、レース後、牧場主の林田(尾美としのり)からかけられた「ありがとうございました」という心からの感謝の言葉は、何物にも代えがたい報酬として栗栖の心を満たす。数字や地位ではない、誰かの想いに応え、感謝されること。それこそが仕事の本質であり、生きる喜びなのだと、彼は涙ながらに悟るのだ。

圧倒的な映像美と、馬たちの生命力

北海道・日高地方の雄大な自然を切り取った映像の美しさは、本作の大きな魅力の一つである。どこまでも続く一本道、広大な牧場の緑、そしてそこに生きるサラブレッドたちの躍動感。塚原あゆ子監督ならではのエモーショナルな演出は、登場人物たちの心情を風景に重ね合わせ、物語に深い奥行きを与えている。

筋肉の躍動、荒い息遣い、そして瞳の奥に宿る光。セリにかけられる堂々とした馬も、足が曲がって売れ残った寂しげな馬も、それぞれが持つ生命の輝きが画面越しに伝わってくる。栗栖が初めて馬に触れた時に見せる、戸惑いながらも嬉しそうな表情は、彼の中で何かが変わり始めた瞬間を象徴していた。

競馬の世界の奥深さと残酷さ

華やかなレースの裏側にある、競馬の世界の奥深さと残酷さもまた、容赦なく描かれる。“勝たないと賞金は入らない”“勝てない馬は処分されるかもしれない”。そこには、ビジネスとしてのシビアな現実が存在し、勝ち残らなければ生きることもできないという残酷さもある。一方で耕造は“競走馬には数字じゃ測れない価値がある”と断言する。一頭の馬には、生産者、馬主、厩務員といった多くの人々の夢と人生が託されている。その想いの連鎖こそが、競馬を単なるギャンブルではない、ロマンあふれる世界たらしめているのだと彼は言う。

赤字をものともせず「人馬一体ってやつだ」「全てをひっくり返すこともある。それを知っちまったらもうやめらんない」「億の赤字だって忘れちゃう」と笑う耕造。その言葉は、効率や合理性だけでは測れない世界の豊かさを物語っており、現代人にとって鮮烈な印象を残す生き方だろう。

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日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』第1話より(C)TBS

第一話の最後に語られる、有馬記念で頂点を獲るという耕造の夢は、栗栖の夢となった。父の死を乗り越え、仕事の意味を見出した栗栖の戦いが今、始まる。豪華なキャスト陣が織りなす人間模様、そして2030年の写真に写る謎の青年(目黒蓮)の存在など、物語はまだ多くの謎を秘めている。

『ザ・ロイヤルファミリー』は、競馬を舞台にしながら、私たちの人生そのものを問いかける感動のドラマとなるだろう。今後の展開から目が離せない。また、第一話には武豊が競馬シーンに騎手として出演していた。第二話には戸崎圭太騎手の出演が予告されている。有名騎手の出演も競馬ファンにとっては嬉しい要素だろう。


TBS系 日曜劇場『ザ・ロイヤルファミリー』毎週日曜よる9時

ライター:杉本穂高
映画ライター。実写とアニメーションを横断する映画批評『映像表現革命時代の映画論』著者。様々なウェブ媒体で、映画とアニメーションについて取材・執筆を行う。X(旧Twitter):@Hotakasugi