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「辛すぎる」「観てられない」“挑戦的な脚本”に冒頭から離脱者も…だけど「人生で一番好き」称賛相次ぐNHKの名ドラマ

  • 2025.10.27

ドラマや映画の中には、丁寧な人間描写と深いテーマ性によって、多くの称賛を集めた作品があります。今回は、そんな中から"称賛相次ぐ名作"を5本セレクトしました。本記事ではその第2弾として、ドラマ『ケの日のケケケ』(NHK総合)をご紹介します。感覚過敏というテーマを真正面から描き、誰もが抱える“生きづらさ”に優しく寄り添う本作。その小さな反逆と希望の物語とは――?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ

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アニメ映画『かがみの孤城』プレミアイベントに出席した當真あみ(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『ケの日のケケケ』(NHK総合)
  • 放送期間:2024年3月26日
  • 出演: 當真あみ(片瀬あまね 役)

高校1年生の片瀬あまね(當真あみ)は、音や光、味覚などに強く反応してしまう「感覚過敏」を抱えて暮らしています。世界がいつも刺々しく、うるさく、まぶしすぎる彼女にとって、普通の学校生活はとても息苦しいものでした。ノイズキャンセリングヘッドホンとサングラスは欠かせず、食べられるものもごく限られています。

入学した東高校には「全員が部活に入らなければならない」という校則がありましたが、感覚過敏を抱えるあまねにとって、それを続けるのは困難でした。「ヘッドホンを外すのが礼儀」といった“常識”の押し付けや、味覚過敏をただの「好き嫌い」と勘違いして「これなら食べられるのでは」と善意を押し付けてくる人たちに、日々苦しめられるあまね――。

そんな中、同じく部活に入りたくない進藤琥太郎(奥平大兼)と出会い、校則を守りながらも心を休められる居場所として『ケケケ同好会』を設立。そこでは「何もしない」「すきにする」「活動時間に地球上で生きてさえいれば、出席とみなす」という自由なルールが定められました。それは、息苦しい社会への小さな反逆…。

あまねはシングルマザーの母・片瀬響子(尾野真千子)に頼らず、自分で食べられる食事を自分で作ります。「不機嫌なモンスターにならないためには、たゆまぬ努力が必要だ。それが、あたしの普通」――そう言い聞かせながら、自分のペースで生きる方法を模索する少女の物語です――。

感覚過敏を題材に“生きづらさ”と向き合う青春ドラマ

『ケの日のケケケ』は、第47回創作テレビドラマ大賞を受賞し、制作された青春ドラマです。放送作家協会とNHKが共催するこの賞は、脚本家の登竜門として知られており、本作は受賞作家・森野マッシュさんのデビュー作として映像化されました。感覚過敏という繊細なテーマを通して、"生きづらさ"を抱える人々の現実を、冷静かつ切実に描き出しています。

演出は、『外事警察』『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』などで知られる堀切園健太郎さん。音楽はRyu Matsuyamaさんが担当し、透明感のあるピアノサウンドと美しい旋律がドラマの世界観をやさしく包み込んでいます。

キャストには、主演の當真あみさん、奥平大兼さんをはじめ、小宮山莉渚さん、望月歩さん、中井友望さん、伊礼姫奈さん、尾野真千子さんらが出演。

なかでも當真さんには、「可愛い」「お芝居が上手」といった声が多く寄せられました。こじらせ気味の高校生を自然に演じきり、「自然で引き込まれる」「當真あみの代表作」との声も。「朝ドラのヒロインになってほしい」「今後の活躍が楽しみ」といった期待の声が象徴するように、次世代を担う女優として注目を集めています。

そんな彼女が演じるあまねを通して、本作は現代の若者たちが抱える“生きづらさ”と、自分らしい居場所を探す姿を丁寧に描き出しました。あまねを取り巻く環境は社会の縮図であり、“ごきげんでいること”を信条に生きる主人公の姿を通して、多様性や価値観を見つめ直すきっかけを与えてくれる作品です。2024年3月26日にNHK総合・BSプレミアム4Kで初放送され、5月3日には4分30秒長く再編集された特別版がNHK総合で放送されました。

“ごきげんで生きる”を信条に――今の時代に響く名作

『ケの日のケケケ』は、感覚過敏という難しいテーマを真正面から描いた青春ドラマです。

そのテーマ性ゆえに、SNSでは「序盤のシーンがつらくて離脱した」という声や、「辛すぎる」「観てられない」といった意見も見られました。繊細な題材を扱ったからこそ、冒頭の描写に心を揺さぶられた視聴者もいたようです。

一方で、「素晴らしい学園ドラマ」「圧倒的に凄い作品」「尾野真千子の母親役が神レベル」といった称賛も多く寄せられ、物語の完成度やキャストの演技に魅了された人が続出。

「脚本も演出も演技も最高」「さすがNHK」「人生で一番好き」といった感想もあり、作品が持つ世界観に多くの共感が集まりました。「自分の世界を懸命に生きる姿が胸に刺さった」「今の世の中だからこそ響くドラマ」といった声の通り、本作は他者に合わせず、自分の“ごきげん”を守る強さを描いています。

また、“常識”や“善意”の押し付けに抗いながら、「何もしない」「すきにする」「生きていれば出席とみなす」という『ケケケ同好会』の発想が生まれる過程も見どころのひとつ。感覚過敏を説明ではなく、生活のディテールで感じさせる描写や演出が、作品の完成度を高めました。

“ごきげんでいること”を信条に生きるあまねの姿は、誰もが自分らしく在るための勇気を示しています。繊細な題材を真正面から描ききった『ケの日のケケケ』は、見る人の心にあたたかな余韻を残す、まさに“称賛相次ぐ名作”です。


※記事は執筆時点の情報です