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「貯金はどれくらい?→40万円」で交際終了…34歳婚活男性が絶望した「貯金カミングアウト」のシビアな実態

  • 2025.9.28

結婚相談所で婚活をしている人は、相手のどんなところを見ているのか。主宰する結婚相談所でカウンセラーを務めている大屋優子さんは「どんなに素晴らしいなと思った相手でも、貯金額が少ないということだけでフラれてしまった男性もいる。ただ、貯金のことばかりに気を取られてしまうと、チャンスを逃してしまう場合もある」という――。

顔を覆ってうつむいている男性
※写真はイメージです
「預貯金額」を知れるのはいつか

結婚相談所の婚活は、男性は公的に証明された年収を表記することが必要である。

それに対して、女性は、年収の表記はマストではないが、年収を表記した女性のほうが成婚する確率が高いと言われている。その理由は、ほとんどのカップルが共働きであるということに加え、年収を最初から開示することによって、バランスの取れたご縁が生まれやすいからであろう。

また、結婚相談所に登録されたプロフィールには、「資産」という欄があり、ここには自分が所有している不動産や、金融資産を記入する。「親所有と断りを入れれば、親の不動産も記入できる。

とはいえ、登録しているほとんどの会員が、金融資産については「預貯金」とだけ記入し、具体的な金額は記入していない。結婚相手が所有している、預金額はいったいいくらなのか、非常に気になるのは当然だが、実際に具体的な金額を知れるのはどのようなタイミングなのだろうか?

34歳、大卒、男性、年収550万円、会社員。

大学時代の友人たちは、結婚し子供を授かり、どんどんと自分より先の人生を歩いているような気がする。地元である茨城県の高校時代の友人たちに至っては、すでに子供は小学校の高学年になる。夏や年末年始に実家に帰ると、親からは「結婚しないのか」と耳にタコができるほど言われる。

彼自身は、大学を卒業後、同じ会社に勤務し、給料も上がってきた。

結婚したくないわけではないが、家と会社の往復で、出会いはない。マッチングアプリにも登録してみたものの、メッセージのやりとりまではいくが、直接会うまでにはなかなかいかない。

自分の年齢を考えて、子供を授かってからの定年までの時間を考えると、いつどこにあるかわからない出会いを待っているより、結婚を目的に動くほうが良い。ならば、婚活を進めるための手段として、結婚相談所はうってつけだ。

30代女性と真剣交際に進んだが…

実は30代の男性の結婚相談所における需要はとても高い。

妊娠出産のタイムリミットを考えた女性たちが、アラサーの声を聞くと結婚相談所にこぞって登録する。そんな背景もあり、結婚相談所における30代の男女比を見ると、女性のほうが人数は多い。

女性たちが希望するお相手男性は、共働きできて、年齢が近い人。令和のお見合い結婚は、昭和のお見合い結婚とは異なり、男性に食わせてもらおうという専業主婦希望の女性は、少数派。キャリアも幸せも手に入れたいと婚活している。

この彼が、結婚相談所で婚活をスタートすると、お見合いは次々と決まり、交際も複数の女性たちと順調に進んでいった。

活動開始後、2カ月目には、ある30代の女性と真剣交際になった。結婚相談所の「真剣交際」とは、結婚を前提とした交際のことで、一人の相手と向き合い、結婚に向けてのすり合わせを、具体的にしながら交際をしていく。

このタイミングでは、結婚後の住まいの場所や、結婚後の仕事の取り組み方や、家事分担、子供を望むか、また不妊治療をしても子供を望むか、結婚式はどうしたいか、実家とのかかわり方や、将来的に親の介護はどう考えているか、そして、何より大切な生活費を始めとしたお金の話をする。

同時に、もし持病や借金、宗教を含めた特定の思想があれば、絶対に開示しなくてはならない。

貯金額を伝えたところ即フラれてしまう

真剣交際に進んだ一歳年下の女性とは、順調にデートを重ねた彼は、ある日彼女からこんな質問を受けた。

「貯金って、いくらあるの?」

この質問は、真剣交際中なら受けるのは予想できること。彼も答えなくてはならない質問である。

通帳とお金
※写真はイメージです

「40万円くらいかな。ボーナス直後だと80万円くらいになることもあるけど」

と彼は正直に答えた。

この答えに、彼女はひどくがっかりしたようで、その後のデートは暗~い空気が満ち溢れ、その翌日には、彼女のカウンセラーから「交際終了」の連絡が入った。交際終了の理由には、「将来のイメージがわかない」と記載されており、この原因は、彼の貯蓄額の少なさ以外の何者でもなかった。

この交際終了には、彼はひどく落ち込んでしまった。真剣交際になっていたから、彼は彼女にすっかり心を奪われていた。

すっかり自信をなくしてしまい、「婚活をいったん休みたい。婚活は貯金が貯まってからにしたい」と言った。

30代の単身世帯の貯蓄額の中央値は、彼が婚活をしていた2020年代前半には50万~70万円で推移しており(*1)、彼の貯蓄額は極端に少ないわけではない。

(*1)「家計の金融行動に関する世論調査」

女性側の収入を知らない男性も少なくない

独身貴族で、自分の好きな趣味や、飲み会などの交際費にお金を使っていけば、毎月もらったお給料が消えていくのは、誰にも起こること。

「婚活には時間が一番大事です。いくら貯まったら婚活する、今忙しいから仕事が片付いたら婚活する、そんなこと言ってたら、それがいつになるかわからないでしょう? 貯金は目標通りに貯まっていかないかもしれないし、何かを言い訳に先延ばしにしても、それはできないことかもしれない。営業マンによく向けられる言葉に『営業は走りながら考える』という言葉もあるけれど、時間だけは、みんなに平等に過ぎていくから、○○さんも走りながら貯金もしていけば良いんじゃないですか?」

そんな私の説得に、彼はもう一度頑張ってみると立ち上がり、婚活をリスタートした。

ところで、結婚相談所のお見合い結婚では、自分の貯蓄額は、どのタイミングで伝えたらよいのであろうか? そもそも、自分の貯蓄額を伝える必要は、あるのであろうか?

自分の預貯金の金額を相手に伝えるタイミングは非常に難しい。

また、年収を公開していない女性については、男性側はその年収すら知らないことも珍しくはない。結婚相談所のお見合い結婚では、結婚前提の真剣交際になると、無料でファイナンシャルプランナーに結婚後の生活設計を相談できる制度もあるので、女性側が自分の年収を開示していない場合にも、その場で初めて女性の収入を知ったというカップルも少なくない。

真剣交際に入るタイミングには知っておきたい

真剣交際に入ったら、結婚後の生活費の按分あんぶんをどうするかだけでなく、新しい家庭を持つためには、新居を構えたり、婚約指輪をはじめ結婚式や披露宴をどうするかなど、お金についての話し合いは避けられない。

平均して約500万円とも言われる、結婚費用であるが、親からの援助がなければ、結婚する二人の預貯金から捻出する必要がある。そのため、このタイミングで、お互いの預貯金を開示しあうカップルは少なくない。

いざ、結婚を決め、新生活準備を始めることになったはいいが、お金がない、だから結婚はできない、となったら目も当てられない。

とはいえ、経済的にゆとりのあるカップルや、親がかりで新生活準備を整えることができるカップルは、この限りではなく、自分たちの結婚前の預貯金の金額を開示する必要もないかもしれないし、結婚後もお互いにいくら預貯金があるのかを知らないカップルもいるくらいである。

そんな一部のかたを除いて、自分の預貯金を相手に開示するのは、やはり結婚を前提とした真剣交際に入るタイミングで、というのが最適解であろう。

夜の繁華街で手をつないで歩く男女
※写真はイメージです
勇気あるカミングアウトが、結婚の決め手に

そんな彼に、運命の出会いがやってきた。

2歳年下の、彼をいつも立ててくれる、謙虚で心優しい女性だ。彼女との結婚を意識し、前回の失敗を踏まえ、早めに自分の預貯金の少なさを、彼女に伝えなくてはならないと緊張していた彼に、ある日、彼女の口からお金の話が出た。

「地方から東京に出てきて、一人暮らしで、お給料もたいして高くない。なのに、ちょっと話を聞いてみるつもりで行った、費用高めの結婚相談所になりゆきで入会した。実は貯金もないし、もしここで成婚退会したとしても、分割で成婚費用を払うつもりでいる。だから、結婚したとしても、家計に入れるお金もないし、自分はお荷物になるばかりで、あなたに迷惑をかけてしまうかもしれない。だから、ここで交際終了でも構わない」

正直にまっすぐに、自分のお財布事情を彼女から申し出てくれたのだ。彼はこの告白に、胸が熱くなった。自分の少ない預金額を恥じて、言い出せなかった自分を反省した。

「言いにくいことを言わせてごめん。僕も貯金はあまりないけど、大事なのはこれからの二人の未来。君はお金のことは心配しないで。僕が全力で家庭を守るから一緒になろう」

大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)
大屋優子、現代洋子『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)

結婚披露宴やダイヤの婚約指輪は要らないと、最初から彼女は言ってくれていた。

約束通り、彼は自分の預貯金をすべて吐き出し、新居の賃貸初期費用や家具家電を用意した。

二人の新生活が始まり、彼女が分割で成婚退会費用を毎月払う間、1円も彼女からお金をもらうことなく、家計を一人で支えた。

その後、彼女も成婚費用の分割支払いを終え、今では二人でコツコツと貯めた預金もでき、二人のマイホーム購入の夢に向かい、不動産の見学も始めている。

大屋 優子(おおや・ゆうこ)
結婚カウンセラー
1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。著書に『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』(集英社)がある。

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