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賢い子への第一歩!お金をかけずに普通の家庭でできる、日常を「探し絵」のように楽しむ方法。

  • 2025.9.23

はじめまして。小4長男&小1次男の兄弟を育てている母、みみずくと申します。Amebaブログの子育てジャンルで細々と育児日記を書いていたら、おそらく正気を失っていたのであろう編集部に手招きされて、なぜかコラムを書くことになってしまいました。まったくもって意味が分からない。人生が驚きに満ちあふれすぎている。せっかくなので、編集部が正気を取り戻す前に、まさに我が家が体験学習で心がけている「日常に驚きと発見を」という話をしてしまおうと思います。

日常を探し絵にする

「体験学習」というと、最近よく耳にする「体験格差」という言葉が頭をよぎりますが、我が家はけっして特別なことをしているわけでも、まして、お金をつぎこんでいるわけでもありません。ない袖は振れない。かわりに、我が家は指をさします。――「あ、あった!」さしずめそれは、ちいさなお子さんが薬局のカウンターに置かれたアンパンマンに反応するように。通過していく電車に歓声をあげるように。幼児期のやりとりを、小学生になっても延長しています。我が家の体験学習の方針、それはずばり、日常を「探し絵」のように楽しむこと。……探し絵って、とういうこと?

子どもは探し絵の絵本が好き

子どもは「探し絵の絵本」が好きです。幅広い世代になじみがあるのは、「ウォーリーをさがせ!」シリーズ(フレーベル館)だと思います。細かく描かれた絵の中から、赤と白のボーダー服を着た人物・ウォーリーを探しだすという絵本。他に「ミッケ!」シリーズ(小学館)や、「どこ?」シリーズ(講談社)など、絵の中から特定のものを見つけだす探し絵の絵本は、数多く出版されています。子どもはもちろん、大人も夢中になってしまう理由は、見つけた瞬間の達成感と快感があるからだと思っています。では、もしそんな満足感が、日常でも味わえるとしたら?

探し絵になった日常

たとえば、あなたがお子さんと散歩をしていたとします。道端には何の変哲もない白い花。あなたには見慣れたものです。でも、もし前日にお子さんとシロツメクサの絵本を読んでいたら? お子さんは得意満面に言うでしょう。「あ! シロツメクサ、あった!」さらにあゆみを進めていけば、「あれはアリの絵本にあったスミレだ!」「あっちはテレビで見た外来種のナガミヒナゲシだ」そうするとほら、いつもの散歩道も、あっという間に探し絵の世界に早変わり。もちろん植物だけではありません。空を見上げれば、「あ、ヒツジ雲だ!」ただのマンホールだって、ほんの少し事前知識があるだけで、「あ、これは穴が空いてるから、雨水マンホールだ!」以前、子どもたちと電車で出かけた時、2人は錦糸町駅の半蔵門線の構内で大はしゃぎしました。それは、小1の次男も知っている浮世絵「大はしあたけの夕立」が飾られていたから。まさに、「あった!」の瞬間です。

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ついでに他の2枚の浮世絵とも見比べて、「どれが一番好き?」なんて話をして、それだけでも大満足の外出になりました。もちろん、真の目的地は他にあったにもかかわらず、です。

世界の解像度を上げると「楽しい」

昆虫が好きな小4長男が、観察会などでお世話になっている昆虫家・とよさきかんじさんは、自身の著書「街なか葉めくり虫さんぽ」(ベレ出版)でこうおっしゃっています。「名前を知らない植物はただの緑色で、正体のわからない虫は不快な黒い点としか思えないかもしれません。世界の一片を自分の目で“識ること”、それは見慣れた風景が、今までと違った解像度をもって立ち上がる、ときめきの瞬間なのです」まさに私が目指しているのはこれです。世界の解像度を上げること。

「楽しい」は好奇心の第一歩

別にマンホールの雨水と汚水の区別なんてつかなくても生きていけるし、「大はしあたけの夕立」がどんな絵か知らなくても人生困りません。ただ、解像度が上がると、楽しい。わかると楽しい。それだけです。そして私は、それが何より大事だと思っています。「楽しい」は原動力です。楽しいがあるから外に出たくなる、散歩も楽しくなる。もっと知りたくなってくる。そうやって日常を過ごしていると、自然に知識も少しずつ上乗せされていきます。

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たとえば、先ほど道端にあったシロツメクサ。そこから、シロツメクサのピンク色バージョンはムラサキツメクサだと知ったり、そんなシロツメクサを使って花かんむりを作る方法を覚えたり。やがてはシロツメクサの語源が、「江戸時代にオランダから輸入品が届くとき、緩衝材にこの花が使われていたから、白い詰め草で、シロツメクサ」なんて雑学も、するする頭に残るようになります。

好奇心があれば知識は増えていく

雑学の知識が増えていく過程に、テスト勉強のような無理はありません。赤ちゃん絵本を読んでいたお子さんが、自然に絵本の選書が変わっていったように、ただ、探し絵のレベルが上がっただけ。そうやって少しずつレベルアップしていくことで、子どもたちがどこかに出かけたとき、「何もなくてつまらない」とそっぽを向くのではなく、「これを見つけた!」と得意げに笑顔を見せる――それが、私の目指す理想です。かつて長男が3歳だったころ、冬の公園の芝生で、私はつい言ってしまったことがあります。「なんにもないね」って。すると長男は言いました。「いっぱいあるよ! くさもあるし、つちもあるよ!」私には目からウロコでした。そうか、ここにはいっぱいあるのか。私が見えなかっただけなんだ。もともと幼い子どもには「日常を探し絵にする」素質が備わっている、そう実感した瞬間でした。

「仕込み」というお手伝い

子どもには「日常を探し絵にする」素質が備わっています。けれどそこからレベルを上げていくには、やはり少しだけ事前準備が必要です。私はそれを「仕込み」と呼んでいます。でもそれには高額なお金は必要ありません。図書館に行って絵本を借りて、手元に置いておきたいものは数冊購入して、あとはNHKなどの番組の力を借りるだけです。事前準備の内容は、お子さんの興味関心にあわせたもので構いませんが、もしご興味ありましたら、今後少しずつ、我が家の「仕込み」の詳細についてお話させていただこうと思っています。

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ちなみに先にひとつだけお伝えしますと、我が子たちは、特別に美術や絵画が好きなわけではありません。錦糸町駅で「大はしあたけの夕立」に反応できたのは、NHK-Eテレ番組の「びじゅチューン!」に登場する「雨は愛すが人逃げる」という歌を知っていたから。「びじゅチューン!」については、またあらためてお話したいと思っていますが、気になる方はこの歌を調べてみてください。日常の解像度を上げて、人生を楽しめる力を育てたい。その始まりの一歩は、「あ! あった!」です。

文中でご紹介した書籍一覧

「NEWウォーリーをさがせ!」(ウォーリーをさがせ!シリーズ)【著者】マーティン・ハンドフォード 【発行】フレーベル館 【発行年】2017年→1987年にイギリスで出版された探し絵シリーズ。本によって難易度が異なるので、お子さんの探し絵レベルに合わせて選択を。「チャレンジミッケ!12おばけだよ」(ミッケ!シリーズ)【著者】ウォルター・ウィック 【発行】小学館 【発行年】2024年 →「クリスマスの巻」「ハロウィンにぴったりなおばけの巻」など、季節や子どもの興味関心に合わせられるのがうれしい。「どこ?つきよのばんのさがしもの」(どこ?シリーズ)【著者】山形明美 【発行】講談社 【発行年】2003年→まるで物語の中に入っていくような、ストーリーを感じられる探し絵シリーズ。「つきよのばんのさがしもの」はお月見の季節にも。「街なか葉めくり虫さんぽ」【著者】とよさきかんじ 【発行】ベレ出版 【発行年】2022年→山や森に行かないと虫探しできない? いいえ、近所の街中にも虫はいっぱい! 植物の紹介と、そこにいる虫の探し方がわかる1冊。

【Profile】みみずく

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小4長男、小1次男、夫の4人家族。昆虫、爬虫類、古生物、深海生物などの生物のほか、読書、工作、ロボコンなど幅広く興味関心がある兄弟に振り回されながらも、発見に満ち溢れた日々を送る。学校での勉強以上に、世界中に「楽しいことがたくさんある」と感じられる目を養うことが目標。ワークショップや観察イベント、ミュージアムなどの体験情報や、日常の中でも手軽に楽しめる体験の仕方について発信している。

Blog:たのしいをつくる~小4&小1わくわく兄弟

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