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25年前、70万枚超を売り上げた“力強い重厚ボイスが強烈な”本格ソング 声ひとつで釘付けにさせた“新人シンガーの決定打”

  • 2025.10.22

「25年前の春、あの圧倒的な歌声を覚えてる?」

2000年、ミレニアムの始まりに浮き立つ街の空気。渋谷のネオンも、地方のCDショップも、時代の変化を告げる音楽で溢れていた。そんな中、歌声で聴き手の心を揺さぶるシンガーの存在があった。

小柳ゆき『愛情』(作詞:小柳ゆき、樋口侑・作曲:原一博)――2000年4月12日発売

冒頭は伸びやかな小柳の歌からはじまる、そこから重厚なストリングスとビートが一気に広がる。ディスコソウルを現代的にアップデートしたサウンドに乗せて、全身を貫くようなシャウトが響く瞬間、聴く者は誰もがその場に釘付けになった。

“本物の歌声”を刻んだデビュー期

小柳ゆきは1999年にデビュー。ファーストシングル『あなたのキスを数えましょう〜You were mine〜』から注目を集める。まだ10代の新人ながら、落ち着き払った歌声とソウルフルな表現力は、従来のアイドルやシンガー像とはまったく異なる衝撃だった。

その後もポップスからR&B、バラードまでを自在に歌いこなす姿は、デビュー直後とは思えぬ安定感を見せていた。

そして迎えた4枚目のシングル『愛情』で、その才能は一気に開花する。

冒頭の一声だけでリスナーを惹き込み、ストリングスとビートが絡む洋楽的なサウンドをも自分のものにしてみせた。累計で70万枚を超えるセールスを記録し、ランキングでも上位に食い込んだ本作は、「新人」ではなく「平成の音楽シーンを担う本格派」として彼女を強烈に印象づけたのだ。

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2000年、コンサートで歌う小柳ゆき (C)SANKEI

ストリングスとグルーヴが生んだ異色の響き

この楽曲の最大の特徴は、ストリングスが大胆にフィーチャーされたアレンジと、タイトなリズム隊が織り成すサウンドにある。原一博による編曲は、歌声を活かしながらもダンスナンバーとしての要素も蓄え、思わず身体が弾む力を持っていた。そこに小柳の鋭く力強い歌声が加わることで、独自の存在感を放っていた。

『愛情』を聴けば、彼女の声が単なるメロディを越え、ひとつの楽器として機能していることに気づく。歌から入る構成はその力を際立たせ、サビでは声がリズムを叩き、ストリングスと互いにせめぎ合う。

『愛情』の成功は、「声そのものが武器になり得る」ことを証明し、後に続くシンガーたちにとっても大きな指標となった。

25年後に響く余韻

いま聴き返しても、『愛情』は色褪せない。イントロの一声、うねるストリングス、力強いリズム、そして圧倒的な歌唱。どれもが2000年春の空気を鮮明に封じ込めている。

それは単なるヒット曲ではなく、時代を象徴する“衝撃の記録”だった。声ひとつで空気を震わせることができる――その事実を証明した一曲として、『愛情』は今も輝きを放ち続けている。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。