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20年前リリース→初登場1位を飾った“健気だけど強気な”衝撃ソング 事件級の最強ユニットが刻んだ“転調だらけの名曲”

  • 2025.10.19

2005年の秋。街にはケータイの着うたが鳴り響いていた。カラオケでは最新ヒットを競うように歌う若者たち。そんな空気の中で、誰もが驚くようなユニットが登場する。

DEF.DIVA『好きすぎて バカみたい』(作詞・作曲:つんく)――2005年10月19日発売

安倍なつみ、後藤真希、石川梨華、松浦亜弥。当時のアイドルシーンを代表する4人が肩を並べた瞬間、まさに夢のコラボレーションが実現した。ランキング初登場1位を飾り、その勢いのまま第56回NHK紅白歌合戦にも出演。2005年を象徴するユニットソングとなった。

「最強ユニット」が生まれるまで

DEF.DIVAという名前には、“最高にイカす歌姫たち”という意味合いが込められている。過去には「ごまっとう」「後浦なつみ」といった3人組の特別ユニットが編成されてきたが、この年は初めて4人が集結する形となった

それぞれが強烈な個性を持っていた。モーニング娘。初代エースとしての存在感を誇る安倍なつみ、カリスマ的な人気を誇った後藤真希、卒業直後の石川梨華、そしてソロアイドルの象徴だった松浦亜弥。この4人が並ぶ光景だけで、ファンにとっては“事件”だった

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2006年3月、「楽天対オリックス」オープニングセレモニーで応援歌『レッツゴー楽天イーグルス』を熱唱するDEF.DIVA。左から安倍なつみ、松浦亜弥、石川梨華、後藤真希 (C)SANKEI

転調が描いた「いい女の揺らぎ」

楽曲を手がけたのは、もちろんつんく。彼は「健気に見せて実は気が強いDIVAたち」と表現した。恋人に振られそうになり、強がって立ち去る一方で、内心は後ろ髪を引かれる――そんな女性像を音で描こうとしたのだ。

『好きすぎて バカみたい』の最大の特徴は、曲中に繰り返される極端な転調だ。クラシカルな響きの中で場面が次々と切り替わり、聴く側の心を揺さぶる。最後にはさらに高揚する転調が用意されており、精神の昂ぶりをそのまま音に落とし込んだかのような構成になっている。

4人の歌声は、それぞれの個性をぶつけ合いながらも絶妙に絡み合い、華やかで迫力あるサウンドを作り上げた。

初登場1位、そして紅白の舞台へ

発売直後からファンの熱狂はすさまじく、シングルはランキング初登場1位を獲得。つんくが掲げた“お得感”のコンセプトは、数字の上でも証明されることになった。さらに年末には紅白歌合戦の舞台で歌唱した。

当時、CDの売り上げだけでなく、着うたやテレビ露出を通じて楽曲が広がっていたのも特徴だ。特に「DEF.DIVA」という新しいユニット名のインパクトは強く、短期間ながらも強烈な印象を残した。

あの頃の煌めきがよみがえる

『好きすぎて バカみたい』は、その後ユニットとしての活動が大きく続いたわけではなかった。しかし、“あの瞬間の豪華さ”と“転調だらけの独特な楽曲”は、今も強く記憶に残っている

街のざわめきや夜のネオンとともに蘇る、2005年の秋の景色。今聴き返しても、4人の歌声とつんくの仕掛けた組み合わせの妙は色あせない。むしろ、当時よりも“豪華ユニットの奇跡”としての価値を増しているのかもしれない。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。