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25年前、ランキング上位を席巻した“企画ユニットだけど大ヒットの”異例ソング 40万枚超を売り上げた“黄色のダンスナンバー”

  • 2025.10.19

「25年前、あの春のざわめきを覚えている?」

2000年の街角には、新世代の幕開けにふさわしい高揚感が漂っていた。カラオケボックスのネオンが夜を照らし、週末になれば仲間と笑い合いながら流行曲を歌った。そんな空気の中で、思いがけない組み合わせから生まれた1曲が多くの人々を躍らせた。

黄色5『黄色いお空でBOOM BOOM BOOM』(作詞・作曲:つんく)――2000年3月8日発売

平家みちよ、モーニング娘。の安倍なつみと保田圭、T&Cボンバー(太陽とシスコムーン)のRuRu、ココナッツ娘。のアヤカ。異なるグループから集まった5人の歌声が重なり、カラフルな化学反応を起こした。

思いがけない顔ぶれが集まった春の遊び心

2000年3月、モーニング娘。を中心としたシャッフルユニット企画から、あか組4、青色7と同時に登場したのが黄色5だった。

プロデューサーのつんくが「ファン感謝デーのようなもの」と語ったこの企画は、普段は別々の舞台に立つメンバーが一堂に会することで、「出会いの瞬間にしか生まれない熱」を形にした試みだった。

安倍と保田というモーニング娘。の柱に、ソロとして奮闘していた平家、歌唱力に定評のあるRuRu、そしてハワイ出身のアヤカ。それぞれの個性がぶつかり合いながら、ひとつの作品へと収束していく様子は、当時のファンにとって新鮮だった。

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安倍なつみ-1999年撮影 (C)SANKEI

弾けるダンスナンバーに込められた勢い

『黄色いお空でBOOM BOOM BOOM』は、ソウルクラシックの風合いをまとったダンス・ミュージック。

リズムは軽快で、キラキラとしたホーンや弾むビートが特徴的だ。つんくは「モーニング娘。の良さと太陽とシスコムーンの良さを足したような曲」と語っている。つまり、キャッチーで覚えやすいメロディに、洋楽テイストの厚みを加えた仕上がりだった。

聴けば自然と体が動き出すような高揚感。 このポジティブさこそが、ユニットの最大の魅力であり、春の空気にぴったりと寄り添っていた

セールスが示した熱狂

このシングルは40万枚以上を売り上げ、当時のJ-POPシーンにおける企画盤としては異例の成果を残した。

同時に発売されたあか組4『赤い日記帳』や青色7『青いスポーツカーの男』と共に、3枚が並んでランキング上位を席巻。テレビ番組や音楽誌でも取り上げられ、「この春だけの特別な遊び」が大きな話題を呼んだ。

こうした盛り上がりは、単なるファンサービスにとどまらず、Hello! Project全体の存在感を一層広げる役割を果たした。

春の空に響いた祝祭の記憶

シャッフルユニットは、その後も恒例イベントとして続いていく。ファンにとっては、「自分の推しが普段とは違うメンバーと肩を並べる」光景そのものが宝物のように感じられた。企画から四半世紀が経った今振り返っても、そのきらめきは色あせない。

『黄色いお空でBOOM BOOM BOOM』は単なるヒット曲ではなく、2000年という節目の年に生まれた、ファンとアーティストの共同体験だった。「あの頃、黄色いお空の下で跳んでいた自分」を思い出すたびに、胸の奥が少し熱くなる。

あの日のダンスビートは、今も私たちの記憶のどこかで鳴り続けているのだ。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。