1. トップ
  2. 突然「+1(855)」から“謎の着信”→うっかり出てしまった…一体何が起こる? 法律のプロが明かす、詐欺電話の“巧妙な手口”とは

突然「+1(855)」から“謎の着信”→うっかり出てしまった…一体何が起こる? 法律のプロが明かす、詐欺電話の“巧妙な手口”とは

  • 2025.11.19
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

知らない電話番号、特に「+1(855)」など海外番号からの着信に、不安を覚えたことはありませんか。近年は、個人情報の聞き出しや高額請求につながる詐欺電話が巧妙化しており、被害も増えています。

本記事では、ベリーベスト法律事務所・齊田貴士弁護士の見解をもとに、代表的な詐欺手口と、不審な電話への正しい対応方法をわかりやすく紹介します。

正しい知識を持つことが、トラブルを防ぐ第一歩です。

詐欺や迷惑電話の主な手口とは?

まずは、実際に起きている詐欺電話の手口を確認していきましょう。

---「+1(855)」など海外番号に誤ってかけ直すと、どんな詐欺に遭う可能性がありますか?

齊田貴士 弁護士:

「主に次のような手口がみられます。

①オペレーターを名乗る相手から個人情報を聞き出され、更なる詐欺や迷惑電話に利用される

②警察官を装い、犯罪事実の疑念を解消するために緊急の金銭の振込みを要求される

③架空の未納料金があり、すぐに支払わなければ警察に通報する、弁護士に依頼して法的手続きを取ると言って不安を煽り送金させる

④ウィルスに感染したと言って不安を煽り、金銭を要求してくる

⑤賞金当選や偽の契約解除手続きなどを名目に、高額な通話を誘導する」

電話に出ただけで料金は発生する? 折り返し時の注意点

---万が一、身に覚えのない高額な請求が通信キャリアから実際に来てしまった場合、法的にその「支払義務」は生じるのでしょうか?

齊田貴士 弁護士:

「かかってきた電話に出ただけであれば支払い義務が発生する可能性は低いです。

ただ、折り返しのためにこちらから発信した場合、法的には通信キャリアに対する支払い義務自体は生じる可能性が高いと思います。」

知らない電話にはどう対応する?安全な対策法

---一度でも応答すると“反応があった番号”としてリスト化されると言われています。被害を防ぐためには何を心がければ良いですか?

齊田貴士 弁護士:

「まず、知らない電話がかかってきた場合、不用意に出ない、折り返さないことが何よりも重要だと思います。

折り返しにより反応をしてしまうことで、高額請求のほか、相手からこうした電話に不用意に応じやすいと認定されると、今後も同様の手口による電話に悩まされることになりますので、不用意に折り返さないようにしましょう。
仮に誤って折り返したとしても、すぐに切電する、個人情報を教えないようにしましょう。

他方で、こうした不適切な電話でない場合もあるので、例えば、インターネットでその電話番号を検索したり、公式ウェブサイトや信頼できる窓口を通じて確認したりして、その番号に関する情報を確認、収集するようにしましょう。
なお、昨今は、偽サイトや偽の対策サイトが存在することもあるので、注意は必要です。

また、スマホの設定やアプリを利用して、不審な番号からの着信を自動で防ぐようにしましょう。最近は、国内の主要通信キャリアはこうした迷惑電話を防ぐためのサービスを提供しているので、そうしたサービスについて問い合わせ、利用することも有効だと思います。」

不用意な応答を避け、情報収集と対策を心がけよう

迷惑電話や詐欺電話の手口は多様で巧妙ですが、知らない電話には不用意に出たり折り返したりしないことが、被害を防ぐ最も重要なポイントです。

仮に出てしまっても、個人情報を教えず、すぐに電話を切ることを徹底しましょう。

また、疑わしい電話番号は調べて確認し、スマホの設定や通信キャリアの迷惑電話対策サービスを活用することも効果的です。これらの対策を日頃から意識することで、詐欺被害や高額請求のリスクを大きく減らすことができます。


監修者名:ベリーベスト法律事務所 弁護士 齊田貴士

undefined

神戸大学法科大学院卒業。 弁護士登録後、ベリーベスト法律事務所に入所。 離婚事件や労働事件等の一般民事から刑事事件、M&Aを含めた企業法務(中小企業法務含む。)、 税務事件など幅広い分野を扱う。その分かりやすく丁寧な解説からメディア出演多数。