1. トップ
  2. チェーン店での迷惑行為→犯人の個人情報を“SNS拡散”…ネット上の「さらし行為」どんな罪に問われる?【法律のプロが解説】

チェーン店での迷惑行為→犯人の個人情報を“SNS拡散”…ネット上の「さらし行為」どんな罪に問われる?【法律のプロが解説】

  • 2025.11.11
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

SNSで迷惑行為をした人の名前や顔写真を公開する「さらし行為」が話題になることがあります。

しかし、この行為には法的なリスクが伴います。こうした投稿は、「名誉毀損罪」や「侮辱罪」に問われる可能性があるのでしょうか。

この記事では、迷惑行為のさらし行為がどんな罪になるのか、また例外はあるのか、さらに適切な対応方法について詳しく解説します。SNSでの投稿前に知っておきたい大切なポイントを、アディーレ法律事務所 島田さくら 弁護士の見解をもとにわかりやすくお伝えします。

迷惑行為の氏名や顔写真をSNSで拡散すると罪になる可能性が高い

例えば、寿司屋で醤油さしを舐めたり、回っている寿司を指でつつくといった迷惑行為をした人の名前や顔写真をSNSに載せると、その人の社会的な評価を下げることになるため、「名誉毀損罪」にあたる可能性があります。

名誉毀損罪は、刑法で定められており、最長3年の拘禁刑や50万円以下の罰金になることもあります。

また、単に「馬鹿すぎる」「頭がおかしい」などと抽象的に侮辱するだけでも「侮辱罪」として1年以下の拘禁刑や30万円以下の罰金などが科せられる場合があります。

さらに、名誉毀損やプライバシーの侵害を理由に、民事上の損害賠償請求をされることもあり、法的責任を負うリスクは決して小さくありません。

「事実」や「公益性」があっても簡単に罪にならないわけではない

「迷惑行為は事実だし、社会的に関心があるから大丈夫」と考える人もいるかもしれませんが、名誉毀損罪は嘘であっても本当であっても成立します。

新聞やテレビで犯罪報道があっても名誉毀損にならないのは、法律で「①公共性があり、②公益を図る目的で行われ、③真実であると証明された場合」に例外的に認められているからです。

飲食店の衛生面に関わる迷惑行為は、公共性がややあるものの、一般の人が他人の名前や顔写真をSNSでさらす行為に公益を図る目的が認められることはほとんどありません。また、真実であることの証明は投稿した側の責任です。

つまり、「事実」や「公益性」を理由に簡単に名誉毀損を免れることはできません。

注意喚起のつもりでもSNSでの拡散は法的責任が問われることもある

迷惑行為の動画をSNSに投稿し、「気をつけてください」といった注意喚起を目的とする場合でも、個人が特定できる情報とともに、その人の社会的評価を下げる内容を含んでいると、損害賠償の責任を問われる可能性があります。

最近では、リツイートしただけでも法的責任を認める裁判例もあるため、「投稿はダメでもリツイートならOK」というわけではありません。個人の顔写真や名前を出さずに「この地域でこういった迷惑行為があるので注意しましょう」と伝えるだけならリスクは低いでしょう。

迷惑行為を見たり動画を見つけたりした場合は、まずはお店や警察など関係機関に相談・通報するのが適切な対応です。正義感からSNSで拡散する前に、一呼吸おいて自分が責任を問われる可能性をよく考えることが大切です。

SNSで投稿する前に、自分の責任について考えて

迷惑行為をした人の氏名や顔写真をSNSでさらす行為は、名誉毀損罪や侮辱罪に問われる可能性があり、民事で損害賠償請求をされるリスクもあります。

たとえ事実であっても、法律上の例外に当てはまらなければ罪になることがあるため、「公益性」や「真実」を理由に簡単に免れることはできません。注意喚起のつもりでも個人が特定できる情報を含む投稿は慎重に行う必要があります。

迷惑行為を見かけた場合は、SNSでの拡散よりも関係機関への通報や相談が適切な対応です。SNSでの投稿前には、自分の責任について十分に考えることが何より重要です。


監修者:島田さくら 弁護士(東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所

undefined
島田さくら 弁護士(東京弁護士会所属) アディーレ法律事務所

退職代行、不当解雇、パワハラなどの労働問題全般に精通。在日ASEAN加盟国大使館の領事担当官に対し、民間の法律事務所初となる労働法講演を行った実績を持つ。TVやラジオ、雑誌などメディアの出演歴も長く、幅広い分野への対応力にも定評がある。
アディーレ法律事務所は、依頼者が費用の負担で相談をためらわないよう、弁護士費用で損をさせない保証制度(保証事務所)を導入しています。「何もしない」から「弁護士に相談する」社会を目指しています。

弁護士法人AdIre法律事務所(第一東京弁護士会)

undefined
弁護士法人AdIre法律事務所(第一東京弁護士会)

メディア出演弁護士
保証制度