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25年前、30万枚限定リリースした“後発シングルだけど新しい”飛翔ソング ショートカットで魅せた“歌姫の名曲”

  • 2025.10.12

2000年。街にはCDショップの看板が目立ち、テレビからは連日のようにヒット曲が流れていた。音楽番組が家族の団らんの中心になることも少なくなかった時代だ。そんな空気の中、ひとりの歌姫がショートカットの姿でステージに立ち、その瞬間のきらめきを永遠の映像に変えた。

浜崎あゆみ『Fly high』(作詞:ayumi hamasaki・作曲:D・A・I)――2000年2月9日発売

この曲は前年にリリースされた2ndアルバム『LOVEppears』からのリカットシングルとして登場した。だが、オリジナルバージョンは収録されておらず、新たな姿で届けられたことがファンを驚かせた。

新しい「Fly high」を示したリカットシングル

『Fly high』は単なる再録ではなく、HΛLによるリミックス「Fly high “HΛL’s MIX 2000”」がシングルの冒頭を飾っていた。リズムの切れ味やサウンドの厚みが増し、テレビやラジオで繰り返し流れたのはこのバージョンだ。多くのリスナーにとって“Fly high”といえば、この音のイメージが焼き付いているのではないだろうか。

当時の浜崎は、シングルでも新たな試みに挑戦していた。単に“アルバム曲を切り出す”のではなく、改めてリスナーに投げかけるように再構築したのが、この『Fly high』だった。

記憶に残るショートカットの衝撃

このシングルを語るとき、欠かせないのがミュージックビデオだ。ショートカットの浜崎が、オーディエンスに囲まれながらステージで歌う姿は、それまでの彼女のイメージを一新させるほど強烈なインパクトを放っていた

マイクを握りしめ、観客の歓声を受け止めながらキュートに歌う彼女の表情は、歌姫としての堂々たる存在感へと移行していく象徴だった。ファンの中には「あゆといえば、この映像がまず浮かぶ」という人も少なくないだろう。

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2000年、自らデザインしたヒョウ柄の携帯電話「TU-KA A MODEL」の会見に登場した浜崎あゆみ(C)SANKEI

30万枚限定という特別感

『Fly high』は30万枚完全限定生産という形でリリースされた。赤の半透明ケースに収められたピクチャーレーベル仕様で、盤面にはロングドレス姿の浜崎がプリントされている。まさに“持っていること自体が特別”な一枚で、手に入れたファンは今でも宝物のように大切にしているのではないだろうか。この盤面のあゆは、現実のものとは思えないほどに美しい光を放っていた。

当時はCDそのものがアイテムとしての価値を持っていた時代。赤いケースを手に取った瞬間のときめき、封を切る前の高揚感。そうした体験も、この曲の思い出と強く結びついている。

浜崎あゆみの歩みに刻まれた一曲

このシングルは浜崎あゆみの勢いをさらに加速させただけでなく、2000年代初頭の彼女を語る上で欠かせない作品のひとつとなった。D・A・Iが紡いだメロディと、HΛLのリミックスが融合し、浜崎自身の存在感を一段と引き立てている。

その後も彼女は数々の挑戦を重ね、平成を象徴するアーティストのひとりとして歩みを続けるが、『Fly high』に刻まれたエネルギーと映像は、鮮やかな記憶として多くの人の中に残り続けている。

永遠に輝く「飛び立つ瞬間」

あの日、テレビ画面に映ったショートカットの彼女。赤いケースを手にしたときの胸の高鳴り。そして、耳に残る「HΛL’s MIX」の疾走感。

『Fly high』はただのリカットシングルではなく、浜崎あゆみが新たな“飛翔”を示した象徴のような一曲だった。25年が経った今も、その映像と音は私たちをあの日のステージへと連れ戻してくれる。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。