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25年前リリース→110万枚超を叩き出した“切ないのに高揚的な”未開拓ソング 伝説バンドが告げた“新境地の一曲”

  • 2025.10.9

「25年前の冬、あなたはどんな音を聴いていた?」

2000年1月。2000年代の幕開けで、街には祝祭の余韻と新しい時代への期待が入り混じっていた。冷たい風に頬を刺されながらも、人々はどこか未来を見据えた眼差しをしていた。そんな中、煌めく電子音と幻想的なメロディが、街のいたるところから流れ出した。

L’Arc〜en〜Ciel『NEO UNIVERSE』(作詞:hyde・作曲:ken)――2000年1月19日発売

電子のきらめきに包まれた新たな世界

この曲がリリースされたとき、多くのリスナーがまず驚いたのは、従来のバンドサウンドに加えられた打ち込み主体のエレクトロ・ポップ的な音像だった。ハードなギターや力強いドラムを前面に出してきたL’Arc〜en〜Cielが、煌めくシンセサイザーと電子音の洪水をまとって登場したのである。

未来感を帯びたその音は、まさに「NEO UNIVERSE」というタイトルにふさわしく、新世紀に突入するタイミングで聴き手を未知の空間へと誘った。

hydeのボーカルは透明感を保ちながらも深い情感をにじませ、kenが紡ぎ出したメロディに浮遊感を与えている。切なさと高揚感が同居するサウンドスケープは、当時のJ-POPシーンにおいても独自の存在感を放っていた。

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ボーカルのHYDE-2006年撮影(C)SANKEI

CMから街へ広がった煌めき

『NEO UNIVERSE』は、一色紗英が出演した資生堂「ピエヌ」のCMソングとして起用された。都会的で洗練された映像とともに流れるこの楽曲は、当時の若者の感性を強く刺激した。テレビから街角へ、そしてラジオや音楽番組を通じて、瞬く間に広がっていったのだ。

タイアップの効果もあり、このシングルは累計で110万枚以上のセールスを記録。ミレニアムの幕開けにふさわしい華やかなヒットとして、L’Arc〜en〜Cielの存在を再び強く印象づけることとなった。

音楽性の進化を刻んだ一枚

作曲を手がけたkenは、これまでも『虹』や『winter fall』など数々の名曲を生み出してきたが、『NEO UNIVERSE』ではさらにエレクトロニックな要素を全面に押し出した。従来のバンド色を残しつつも、ポップスやダンスミュージックのテクスチャーを取り入れることで、音楽的な幅を大きく広げている。

また、L’Arc〜en〜Cielにとって2000年はアルバム『REAL』へと続く重要な年であり、このシングルはその布石ともいえる位置づけだった。サウンドの新境地を開いた『NEO UNIVERSE』は、彼らが“ロックバンド”という枠を超えて、より大きなポップワールドへと羽ばたいていく過程を象徴している。

時代の空気と共鳴した輝き

当時の音楽シーンの中でL’Arc〜en〜Cielはバンドでありながらもポップで洗練された響きを前面に押し出し、独自の立ち位置を築いた。バンドサウンドに電子的な煌めきを融合させる試みは、2000年代以降のJ-POPの多様化を先取りするものでもあった。

街のネオンや煌びやかな広告の光と重なり合いながら、どこか未来都市を思わせる音像を描いた『NEO UNIVERSE』。あの頃、イヤホンから流れるその音は、誰もがまだ見ぬ時代への期待を鮮やかに映し出していた。

今も残る幻想の余韻

発売から四半世紀を経ても、『NEO UNIVERSE』はL’Arc〜en〜Cielの代表曲のひとつとして多くの人に愛され続けている。聴けば幻想的な世界へと連れ出し、当時の空気を蘇らせてくれる。未来を夢見ていた2000年の感覚を、今なお鮮烈に呼び覚ますのだ。

あの時代の空気を吸い込みながら聴いた音楽は、時間を超えて記憶に刻まれていく。『NEO UNIVERSE』は、そのことを雄弁に物語る楽曲である。


※この記事は執筆時点の情報に基づいています。